NHK札幌放送局

第3回「海の魅力伝える観光船の船長」

知るトコ、知床チャンネル

2020年7月22日(水)午後1時16分 更新

知床の海ではシャチやクジラを観光船から観察するクルーズが大人気です。その海で父親の姿を追いながら観光船の船長としてのキャリアを歩み出した男性に知床への思いを聞きました。(取材・釧路放送局記者 田村佑輔)

羅臼町の長谷川雄紀さん(27)は生まれ育った知床の海の魅力を伝えようと、この春から観光船の船長としてのキャリアを歩みだしました。

父親の正人さん(58)は15年のキャリアがある観光船の船長で、雄紀さんはこれまで父親を手伝いながら羅臼の海を学んできました。

長谷川雄紀さん
「知床の海の普通だと思っていたことが世界中から観光客が来ることを目の当たりにすると、すごいことなんだと思った」

雄紀さんは船長になるにあたり、父親のように知床の魅力を伝えることが自分にできるのだろうかと、不安に思うことも少なくありませんでした。そうした時に、雄紀さんを支えてくれたのは父の手伝いをする雄紀さんを見てきた地元の友人たちでした。父親のそばでガイドや操舵を学んできた雄紀さんについて地元の友人たちは、「雄紀のポジションは雄紀しかできない。自分らしく頑張ってほしい」と口をそろえます。

長谷川雄紀さん
「父親にかなわないからこそ、自分ができることは何か。自分がやはり一番楽しめるような仕事をしてそれがお客様にも喜んで頂けるスタイルになれば、自分も長く続けていくうえで、良い形なのかなと思う」

と自分なりの船長を目指すと意気込んでいました。

7月5日には乗客の予約が多く入り、父親の船と2隻で運航する機会がありました。雄紀さんと父親の正人さんはそろって船で出港していきます。

船が向かうのは、知床半島と、北方領土の国後島との、中間ラインまでのエリアで、およそ2時間半かけてクジラやシャチを探します。複数の船が協力して海の生き物を探し、1時間ほどたったころ、前方にいた正人さんから「マッコウ、マッコウ!」とマッコウクジラが見えたという無線が入ります。

雄紀さんもすぐに船のスピードを上げ、マッコウクジラに慎重に近づき、知床の夏の風物詩ともいえるマッコウクジラの潮吹きや尾びれを乗客に見せることができました。迫力ある姿に乗客たちも「潜る瞬間が見られました。すごかった」と喜んでいました。この日はマッコウクジラが今シーズン初めて見られた日だということで、雄紀さんは「マッコウクジラに初めて1人で船を寄せましたが緊張しました」と安心した表情でした。

長谷川雄紀さん
「もう一度羅臼に来たいなとお客さんに思ってもらえるようなクルージングにしたいと思っています。そして、海の生き物たちもうまく暮らせるように、自分がひとつでも何かできれば。これからずっと何年も知床の海を見守っていけるような船長になりたい。」

(取材・釧路放送局記者 田村佑輔)

第4回「世代を引き継ぐ”人慣れクマ”」web記事はこちら

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2020年7月22日


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