道北とオホーツクを結ぶ、旭川紋別自動車道がことし全線開通に向けて大きな一歩を踏み出しました。期待される効果とは?
(北見放送局・五十嵐菜希)。
“さらに速く”14キロの延伸
旭川紋別自動車道は、旭川市の隣の比布町から紋別市を結ぶ計画の全長約130キロの自動車専用道路です。2021年5月現在、比布町から遠軽町まで約100キロがつながっていますが、2021年3月、紋別市の隣の湧別町まで、約14キロ延伸することが決まりました。開通すれば比布町から湧別町まで今より16分短縮される見込みです。

総事業費約300億円をかけて行われる14キロの延伸事業、移動時間短縮以外の効果も期待されています。
延伸効果① 物流の効率化
沿線となる紋別市や遠軽町などの8市町村からなる遠紋地域は全国のホタテの生産の約3割を占めています。大消費地までつながる自動車専用道路が整備されることでドライバーの負担が軽減し、物流の効率化が図られます。
延伸効果② 救急搬送の迅速化
また、遠紋地域では、心疾患を治療できる施設まで、60分で救急搬送できる人口のカバー率は55%しかありません。10万人あたりの心疾患の死亡率は全国の1.4倍にもなっています。延伸によって救急搬送が迅速化され、60分で救急搬送できる人口のカバー率は76%になります。
延伸効果③ 周遊観光の利便性向上
道北とオホーツク地方の移動時間が短縮されることによって、例えば、層雲峡を出発して紋別市の流氷を見るなど周遊観光の利便性の向上などが効果として期待されています。

道路をどのように活用するかが大事
紋別市でホテルを経営している田中夕貴常務は、自身の出産経験から、早期開通の要望活動を続けてきました。
紋別セントラルホテル 田中 夕貴 常務
「私が出産したのは遠軽町でした。紋別市からの通院の時に細い道やカーブなどもあって、とても不安になったのが要望活動を始めたきっかけです。医療の面でも、この地域の核となる紋別市や遠軽町の病院まで安全に移動できること、防災の面でも災害に強い道であることで、私たちの命を守り暮らしを支えてくれると思いますので、この道路が全線開通する日が1日でも早く来てほしいと思っています」

田中さんは、観光面でも期待を寄せています。
「道北やオホーツクは北海道らしさを最も感じるところです。高規格道路がつながることで既存の観光地だけではなく、ひとつでも多くの町に立ち寄っていただき、そこの地域の魅力や人に触れていただく、新しいチャンスになると思っています。
いままで以上に広域で連携し、新しいルートにあわせた情報や魅力を伝えていきたいと思っています」
道北とオホーツクを結ぶ道路をどのように活用するかが、地域の発展の鍵になるかも知れません。
2021年5月18日
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