NHK札幌放送局

天塩川 サクラマスの産卵 #サケ

サケチャンネル

2019年11月27日(水)午後4時20分 更新

秋のはじめはサクラマスの産卵の季節です。サクラ マスが卵を産み付ける上流の環境は、戦後の開発の中、ダムや堰堤が作られ、いくつもの川で、産卵のために遡れなくなっていました。そうした上流域は、いま、ようやく、魚道の設置やダムの改良が進み、再びサクラマスたちが命をつなぐ場所に戻ってきています。

サクラマスの宿命
川で生まれたサクラマスは1年半ほど経つと海に下ります。川にいる時はヤマメとよばれ、海に下り大きくなるとサクラマスとよばれます。
海では、魚などをたくさん食べて体長60cmあまりに育ち、春の雪解けや夏の大雨の増水をきっかけに生まれた川に帰ってきます。

サクラマスには、川を最上流までのぼって、そこから下りながら、産卵場所を探す習性があります。なので、産卵場所をつくるのに適した大きさの石がある上流までさかのぼれる川はとても重要です。

サクラマスにとって必要な上流は・・・
戦後の開発で、天塩川に限らず、サクラマスがのぼる多くの支流には、川を横断するように中小のダムや堰堤が造られました。川の大水などの際、道路や林道が壊れないようにするのがその目的でした。当時、保護の対象になっていない場所では、生き物たちへの配慮は行われず、サクラマスも上流へいくことができなくなりました。

天塩川とその支流

天塩川流域にあるこうした堰堤について、国交省、林野庁、北海道などは、10年ほど前から改良工事をほどこしてきました。生き物たちが行き来できる川を取り戻すための改良です。

水の力を使って
そのうちのひとつ、およそ50年前に北海道が造った治山ダムを訪ねました。
このダムは、中央のコンクリートを切り欠いて、魚が行き来できる水路を作りました。

サクラマスは真ん中を通って上流へ

この水路のおかげで、サクラマスはさらに上流に向かい、産卵できるようになりました。
切り欠いたダムのすぐ下流は、川幅を数倍に広げる改良を施しました。そうすることで、水の力で大きな淵ができています。

この改良は、天塩川の流域で、長年、川の環境の回復に取り組んできた妹尾優二さんが提案しました。

妹尾さん
「川幅を3~4倍に広げれば、流れの力を弱めて、水が遊ぶ空間ができるんです。そうした場所は、魚にとっても利用しやすい空間、隠れ場所にも産卵場所にもなります」。

水の力が生み出した淵は、増水した時にも水の勢いを収めることで、それ以上、川底をえぐることはなくなるといいます。
さらに、淵の周囲には、小ぶりの石がたまるようになり、サクラマスにとって産卵に適した環境をつくり出していました。

1キロメートルの区間に100か所の産卵床
この支流で、ダムの改良が始まったのは8年前。これまでにサクラマスの行く手を阻んできた2つのダムが改良された結果、今年(2019年)行われた調査で、1kmの間に100ヶ所以上の産卵床が見つかりました。
ダムを改良したあとにできた淵にも、たまった小石を使ってサクラマスが産卵床をつくりました。

淵にたまった小石が産卵に役立つ

天塩川のサクラマス 絶景北海道より

2019年11月25日掲載

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