NHK札幌放送局

そうだったのか テレビの電波「なぜ放送所が見えないのに電波が届くの?」

道北チャンネル

2023年3月13日(月)午後6時49分 更新

道北オホーツク地域ではいくつもの中継放送所を経由して地域の隅々まで放送を送り届けています。えっ、でも、うちの家からは放送所の鉄塔なんて見えないって?それは、どういうことかというと…?

道北オホーツク地域のみなさんのご家庭に電波をお届けする中継放送所のネットワークです。

この図で、赤い字で書かれているのが起点となる放送所で、白い字で書かれているのが中継放送所です。(実際にはもっと多いですが、おもな放送所だけを記しています)

1.電波の受信を点検しています

道北オホーツク地域にお住まいのほとんどのみなさんは、放送所の鉄塔を実際にご覧になったことはないと思います。そう、テレビの電波は、放送所の鉄塔が見えなくても届きます。
でも電波を見ることはできないので、放送所からみなさんの家に、きちんと届いているのか確認しようがないですよね。そこで私たちは、道北オホーツクの全域に電波が届いているかを、実際に放送所の外に出て点検しています。毎年、道北オホーツク地域のおよそ60か所で受信アンテナを手に、実際に送信された電波が計算通りの値で受信できているかを確認します。

また、電波測定車で測定することもあります。電波測定車には、電動ポールが実装されていて、ポールに受信アンテナを取り付けて、車内から受信アンテナ高を調整しながら受信電波を確認します。

またラジオの電波も、計算通りの値で受信できているかを確認しています。

このように受信点検をすると、電波がきちんと届いていると確認することができます。

2.放送所が見えなくても電波が届く理由

ただ改めて考えてみると、電波は見えないところから、どのように届いているのでしょうか。
もちろん放送所が遠いために見えないケースもあります。ただ、山や樹木、建物などにさえぎられていることもあります。

このとき電波はどうやってみなさんの家に来ているのでしょうか。実は、電波には遮蔽物があっても回り込んで来る特徴があります。

電波のこうした特徴を「回折(かいせつ)」といいます。

この図はすこし大げさですが、電波には回折するという特徴があるため、山や樹木、建物にさえぎられていても、みなさんの家で放送をご覧になることができます。
回折の度合いは周波数によって変わります。ラジオの電波はテレビより回折しやすい特徴があります。

3.電波は水に反射します

また、たとえば水田や湖などによって、電波への思わぬ影響が出ることがあります。電波が水に反射してできる「反射波」による妨害です。

かつて、アナログテレビのころには、反射波が妨害して、放送所の鉄塔が見えているのに電波が不安定になってしまうこともありました。
現在の地上デジタル放送では、原理的に反射波の影響を極めて小さくできる方式であることに加えて、放送所ネットワークの改善によって、反射による課題は大きく改善されています。

4.電波には「位相」があります

もうひとつ電波のややこしい特徴が「位相」です。
たとえば、知駒中継放送所から、日本海を伝搬し利尻島や礼文島の一部地域にも電波をお届けしていますし、羽幌中継放送所からの電波は、日本海を伝搬し天売島・焼尻島にもお届けしています。
電波は図のように、まるで波線のように飛んでくる特徴があります。

このときに、中心になっている電波(黒い色)と反射波(赤い色)の波線の重なり方で、電波への影響が変わります。

ちょうど反対の方向で波線が重なると「逆相」といって妨害が起きます。一方、ちょうど同じ方向で波線が重なると「同相」といって妨害は起きません。
たとえば利尻島での受信点検では、受ける側のアンテナの位置や高さを変えて、逆相から同相に変わると、電波がよく受信できるようになることもがあります。
ただ一般に現在の地上デジタル放送は、反射波の影響を受けにくい方式を使用しているため、逆相になっても妨害になることはほとんどありません。

5.外国の電波が混信する理由

さらにややこしいのは「ダクト」や「フェージング」と呼ばれる、本来は届くはずのない電波の混信です。日本海や太平洋などの向こう側、別の国の電波は通常は届くことはありません。

ところが大気が気象条件などで変動する「ダクト」や「フェージング」と呼ばれる現象が起きると、受信が不安定になることや、通常届く範囲より遠くで受信できることがあります。

こうした現象は、テレビやラジオ、また電波のチャンネルなどの違いで発生する頻度や状況が異なります。発生すると電波の受信が不安定になります。自然現象なので、たいていの場合は時間の経過とともに軽減して、いずれは解消します。
自然現象による異常伝搬は広範囲に発生するので、これまでは解消するまで待つしかありませんでした。しかしいま、こうした現象を技術で克服するための研究開発も続けられています。
テレビやラジオの放送を良質な電波で皆さんにお届けするために、これからも道北オホーツク地域の電波の受信点検を継続していきます。

NHKでは、テレビやラジオの受信に関する技術相談対応を実施しております。下記のホームページでは、「放送受信でよくあるお困りごと」に関する動画や、チャットボットによるサポートも行っておりますので、ご活用ください。
【テレビの映りが悪い場合などの技術相談窓口を知りたい】
https://www.nhk.or.jp/faq-corner/3tr_jushin/02/03-02-17.html
【【動画で解説】放送受信のよくあるお困りごと】
https://www.nhk.or.jp/info/digital/
テレビの電波を皆さんの家庭に確実にお届けするための日々の活動をご紹介しています。
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