NHK札幌放送局

大雪! 電気自動車が立往生したら

ほっとニュースweb

2021年3月3日(水)午後4時04分 更新

今シーズン、雪で自動車が立ち往生するケースが全国各地で相次いでいます。その時、電気自動車に乗っていたら…。立往生に巻き込まれたらバッテリーはどの程度もつのか、実際に確認する実験が北見市で行われました。
(北見放送局記者 五十嵐菜希)

脱炭素社会の実現に向け

北見工業大学は1月、電気自動車が大雪の中でひと晩、立往生した場合、バッテリーがどのように消費されるのか実証実験を行いました。実験の背景にあるのは全国で相次ぐ立往生です。2020年12月には、関越自動車道で2000台を超える車が立往生しました。脱炭素社会の実現に向けて普及が進む電気自動車が、暴風雪などで立往生した場合の消費電力を明らかにしようというのです。

北見工業大学の髙橋清教授
「電気自動車がこういう極限状態でどういうような性能を示すかということを乗っているユーザーもしっかりと理解して乗っていかなければならない」

電気自動車を雪に埋めて…

使用した車は3台で、いずれも総電力量40kwhの2017年式の日産リーフです。このうち1台は、大雪による立往生を再現して車体の半分を雪に埋めて検証しました。ほかの2台は、雪には埋めずに屋外に置いた状態で、エアコンの設定温度による影響やスマホの充電、ライトの点灯による影響を主に検証しました。

実験開始

実験は夜8時から翌朝6時までの10時間行いました。立往生を再現した車では、エアコンを25度に設定しました。
実験開始から5時間後のバッテリー残量は58%。このときから立往生の時に想定される状況により近づけるため、スマホの充電を開始し、車内灯、ライト、ハザードを点灯させました。

ひと晩たって残りは20%

実験開始から10時間後、バッテリー残量は20%でした。ひと晩たっても、北見市から網走市までに相当する46キロほど走行できる量が残りました。

また検証の結果、スマホの充電や車内灯、ライト、ハザードをつけても、バッテリーの消費に変化はありませんでした。

長持ちさせる方法は?
エアコンの設定温度を低めにするとバッテリーを長く持たせることができることも分かった。18度に設定した車は、10時間たっても41%のバッテリーが残った。


ガソリン車との違いは?

髙橋教授によりますと、ガソリン車の場合、40時間程度のアイドリングが可能だということです。電気自動車は、それには及ばないものの、排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険がなく、ひと晩、過ごすことができるのは、大きなメリットだと指摘しています。

髙橋清教授
「電気自動車は一酸化炭素中毒にならないのでガソリン車に比べるとメリットがあると思う。これから電気自動車がどんどん増えてくることは明らかなので、電気自動車でも北海道の冬を安全に走って行くために多方面からデータを集めていく必要がある」

一方で髙橋教授は、電気自動車の充電設備がまだ十分に整備されていないため、長時間の立往生が解消したあと自力で走行することに不安が残ると指摘しています。

髙橋教授
「電気自動車がより安全に走るためにも充電施設の充実やバッテリーの改善が必要です」

2021年2月25日放送


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