さなぎが羽化しないのはなぜ?
- 2022年7月15日
去年、シラベルカに「エゾシロチョウが大量発生していました。なぜ大量発生したのか知りたいです」と投稿してくれた札幌市の小学生・宇山響くん(その時の報告記事はこちら)。一年経ってぐんと成長した響くんが再び投稿してくれました。今回も昆虫にまつわる疑問です。
羽化しないワケは・・・?
響くんの疑問はこちら。
「越冬したさなぎが2つ羽化しません。前も出てこないことがあったのでどうしてなのか気になります。調べてください」
お母さんの綾さんによると、羽化しないさなぎはアゲハとキアゲハ。毎年サナギで越冬させ、春に羽化するのを楽しみにしていますが、今年は越冬蛹がひとつも羽化しないまま6月の終わりになってしまったそうです。さなぎの観察を続けましたが、だんだん黒っぽく変色し、固くなってカビのようなものが生え始めたので土に埋めたとのこと。
他にもオナガミズアオと思われるさなぎもまだ羽化していません。こちらは外に出しておいたら何回か雨水で水没しているのでそれが原因で死んでしまったのかな?と想像しながら響くんと話をしているそうです。
前回同様、昆虫に詳しい小樽市総合博物館の学芸員、山本亜生さんに伺いました。
「はっきりとした理由は分かりませんが、病気か、寄生虫によって死んでしまったと考えられます。もし寄生虫だとするとさなぎに小さな穴をあけてそこから出ていくことがあるので、よく観察してみるといいですね。また温度や湿度などさなぎの保管状況にも左右されます。秋にさなぎになって春に羽化する場合、冬の間に周囲の温度がしっかり下がらないと、羽化の”スイッチ“が入らずに春を迎えることがあります。だから越冬させるのは難しいんです」
昆虫に限らず、自然界の生き物はたくさん卵を産みながら、生き残る個体はごくわずかであることが多い・・・そんなことにも気づかせてくれる響くんの投稿でした。響くん、ありがとう!
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