NHK函館で開催していた「昔の道南の風景」写真募集から、土産物店の熊や雪まつりなど、大沼周辺の写真をご紹介!
NHK函館放送局では開局90年を機に、移り変わる道南の記憶を保存するキャンペーン『昔の道南の風景』を実施しました。(※現在募集は終了しております。ご応募いただいたみなさま本当にありがとうございました。)
今日はなかでも多く寄せられた大沼とその周辺の写真をご紹介します。
まずは昭和30年頃、大沼を走る蒸気機関車の様子。いくつもの写真コンクールに入選していたという函館の方が撮った一枚です。

こちらは大沼公園駅前のお団子屋さん。開店当時、明治38年ごろの写真で、今も残るこのお店で大切に保管されていました。

続いてはこちら。木彫り熊のお土産店が、なんと本物の熊を飼育していたそうなんです。アルバムにあった一枚を家族の方が送ってくださいました。

大沼の熊については、別の方からも写真を頂いています。カメラが好きで、仕事も休日もカメラを持ち歩いていたというお父さんの映した一枚を、娘さんからいただきました。

同じ方から頂いた中にはこんな写真も。昭和40年、第一回の「雪と氷の祭典」の様子です。当時のにぎわいが伝わってきます。


撮影した方の当時の日記には、お祭り初日の2月13日に「雪まつり 撮影」というメモがあり、第一回の雪まつり、ということでわざわざ大沼まで撮影に行ったのではないかということでした。
さて、そんな昭和40年から続く「雪と氷の祭典」。2023年は2月11日と12日の2日間開催されます。そこで、今年 個人で雪像の制作を行う堀元(ほり・はじめ)さんにお話を伺いました。

「雪像は削っても、また元に戻すことができる。好きな形にできる。それから、色が真っ白なのにいろいろな影を作らなきゃならないっていうのが、おもしろいですよ」
実は堀さん、40年ほど前・昭和50年代の半ばから、地元の青年団の活動などで雪像づくりを続けている大ベテランです。当時の雪像づくりというと…
「(青年団の)全員皆がスコップを持って雪の山を削りだしていく。雪像っていうのは、削っただけじゃ雪がちょっと汚れているので、削ったところにきれいな雪を貼るという作業がある。私たちは「生コン雪」っていう名前で呼んでましたけど。きれいな白い雪を運ぶ人、それからそれを大きなプールに入れてプールの中で雪と水をかき混ぜる人、かき混ぜた雪をバケツに入れたものを現場まで運ぶ人、現場でそれを貼る人っていうふうにいろいろ仕事は分かれてたんです」

当時、青年団での雪像制作は、仕事が終わった夜の時間に行われていたと言います。
「5時6時から初めて遅いときは11時12時ぐらいまでやってました。よくそんなことできたなと思ってね。みんな元気よくて話して盛り上がってその勢いで雪像を作ってみたいなそういう流れでしたね」
これからも雪像づくりを続けていきたいと言う堀さん。「雪と氷の祭典」は大沼の誇りだと考えています。
「いつまでやれるとかやれないよりも、気持ちの問題ですからね。気持ちさえあればいつでもできるんじゃないかな、と。
雪もたくさんあるし、氷もいっぱいあるし。大沼には絶対必要だし、大沼は雪まつりやるべきです」

今年も地元の方を中心に準備が進められている「雪と氷の祭典」。
過去の大沼を写した写真や、地元の方のお話しから見えてきたのは、大沼に暮らす地元の方々が、観光地としての大沼を育ててきた歴史でした。
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【”ばん馬”の冬山造材】道南の懐かし写真!-第4弾-