
地域職員&アナウンサーの第1期生
■入局何年目ですか?
2021年に入局しました。1年目で、初任地は札幌拠点放送局です。
■NHKに入局したきっかけは何ですか?
子どものころ、NHK札幌放送局で開催されたアナウンサー体験イベントに参加したことが、アナウンサーに興味を持つきっかけでした。
民放では、企画や取材は記者やディレクターが担当することが多いと聞いていますが、私は自分自身で取材し、発信するアナウンサーになりたかったんです。企画出しから制作まで関わることのできるNHKは自分に最も合っているメディアだと感じ、志望しました。
地域職員としてアナウンサーが入局するのは私の代が初めて。「地域に根差して働くNHKのアナウンサー」という新たなスタイルをつくる意気込みをもって、日々頑張っています。
■入局後は、どのような研修を行いましたか?
NHKでは、入局後に1カ月の新人研修があり、アナウンサーの場合はその研修が2カ月となります。研修では、公共メディアの役割と、それを担うNHK職員としての心構えをみっちり学びました。その後は発災時の報道などもロールプレイングで練習しました。シミュレーターも使い、ニュースを読んでいる最中に地震が起きたら……など、いろいろな場面を想定して行いましたが、とても難しかったです。
言葉選びもそうですが、「非常時であることがわかりやすいように声のトーンを変える」など、さまざまな報道を経験してきた先輩方からの、経験に裏打ちされたアドバイスが大変参考になりました。
思いを背負い、「人」に語りかけるアナウンスを
■アナウンサーとしての第一声、いわゆる「初鳴き」は、緊張しましたか?
それはもうガチガチでした!(笑) 初鳴きの模様はブログでもお伝えしましたが、ラジオ、放送ともに、緊張しすぎてあまり記憶がないです……。札幌局に新人のアナウンサーが配属されるのは16年ぶり。局内のいろいろな部署の方が、心配して見守りにきてくださったのですが、感謝とともに、内心「見ないでー!」と思っていました(笑)
■仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
間違えないことや言葉に詰まらないことは大事ですが、それにばかり気を取られて、「視聴者にちゃんと伝える」ことを忘れては本末転倒です。カメラの向こうにどんな人がいて、その人にどうすれば伝わるか。きちんと考えることを心がけています。また、5分のニュース、中継でも、その裏にはたくさんの人々の準備とご協力があります。皆で作り上げたコンテンツを世の中に出す重要な役割を担っている責任を自覚し、放送に臨んでいます。
■先輩たちからはどんな指導を受けていますか?
アナウンス の先輩方は技術だけでなく、アナウンサーとしての心構えなども教えてくださいます。先ほど話した私が大切にしていることも、先輩からの指導で気づいたこと。日々、先輩たちのすごさを感じながら、「私も早くこうなりたい!」と試行錯誤しています。また、他部署の方からもいろいろなことを教えてもらえています。先日は、技術部の皆さんが私のためにマイクの使い方の勉強会を開いてくださり、とても勉強になりました。
「北海道の野原」と親しんでもらうことが目標
■印象に残っている仕事はありますか?
ほぼ北海道でのみ生産されている「千両梨」についての取材です。自分の名にも「梨」の文字があることからご縁を感じて企画を立て、取材も自分で行いました。
ご協力くださった農家さんは、最初は「NHKはあまり見ないんだ」とおっしゃっていましたが、取材を進めるうちに興味を持ってくださるようになり、「結構おもしろいことやってるんだね」と番組を見た感想までもらえるようになりました。企画段階から制作に携わり、多くの人に情報を発信できたことはもちろん、取材の過程で出会った方にNHKを深く知っていただけたことにも、喜びを感じました。
■今後の展望を教えてください。
地域職員の強みは、北海道でずっと働けること。 だからこそ、「野原が出るなら見てみよう」と思ってもらえるような、地域との距離が近いアナウンサーになりたいです。まだまだ知らないことがたくさんあるので、179市町村をすべて回ることが今の目標の一つ。仕事やプライベートを通じてたくさんの経験をして、そこで得た「生の感覚」を大事にしながら、北海道の皆様に情報をお届けしていけたらと思っています。
【野原 梨沙 プロフィール】
■局歴:2021年入局。札幌拠点放送局放送部でアナウンサーとして勤務
■出身地:北海道札幌市
■札幌のここが好き:人が優しい!15歳で引越をして、大学まで東京で過ごしたことで、北海道の人の魅力や結びつきの強さを実感しました。
■趣味:音楽(弾く、聴く、歌う!)、テレビゲーム