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Do! | #10 Yoshida Yuri

  • 2022年10月31日

なぜその番組を作ったのか?コンテンツに込めたメッセージとは?NHK北海道の職員、作り手たちの情熱や想いに迫るインタビューシリーズ「Do!」。 第10回に登場するのは釧路局でイベント・デジタル・番組と多彩に活躍する吉田職員に話を聞きました。

〔Photo By 崎一馬〕
〔聞き手 柳川 達郎(NHK札幌拠点放送局 広報)〕

吉田 有里 -Yoshida Yuri-
2018年入局。釧路放送局企画編成部職員。主にイベント・広報・編成を担当。趣味は最近、企画を通して目覚めた「建築」。

<目次>

1.釧路局での担当業務
2.建築に目覚めたきっかけ
3.発信を多彩に

1.釧路局での担当業務

――いまは、どんな仕事をされていますか?

私は釧路放送局の企画編成部でイベント・広報・編成をメインに担当しています。

――これまでどんなイベントを担当したんですか?

これまでは、「新・BS日本のうた」などの公開番組などを担当してきました。
もともと、NHKに入った理由もイベントの仕事がしたくて入りました。今年も防災イベントなどを企画してきました。

人が集まる場所っていいなと思っています。なにかエネルギーが集まってくる感じがすごく素敵で、自分もそういった場所・イベントが作りだせればと思い、仕事をしています。

――そのほかの業務も聞かせてください。

デジタル発信の仕事も行っています。
ニュースで扱ったコンテンツを補完する発信をNHK釧路局のホームページで展開しています。
昨年の10月14日の「鉄道の日」には、アナウンスチームと協力して、鉄道大特集のページを作りました。
また、花咲線100周年に合わせて、尼子佑佳キャスターが花咲沿線の駅をシリーズで紹介する「花咲沿線ぼっち旅」では、放送後にホームページ上にも動画を掲載、記事化して発信しています。

ホームページコンテンツでは、放送には出なかった取材内容など含め、「こういうことも書いてみたら面白いんじゃない?」などチームでアイデアを出し合って、面白い記事になるように努めています。

――釧路局はホームページ展開も積極的に行っていると聞いています

はい。釧路の皆さんにも、また、釧路エリアの放送が見れない他の地域の皆さんにも道東の情報を発信できたらいいなと思っています。

――釧路は何年目になるんですか?

2年目です。初任地は広島でした。イベントと広報を1年ずつ担当して、3年目で釧路に来ました。じつは、小中学生を釧路で過ごしていて、小さい頃に過ごした町だったので、釧路に戻るんだなあと懐かしい思いで赴任しました。

――小中学生の頃と今の釧路とでは、なにか変化を感じますか?

変化を感じたことといえば…よく遊びにいっていたショッピングモールの名前が変わっていたことでしょうか(笑)あとはコロナ禍で夏のお祭りや花火が中止になっているのが寂しいです。
街自体の変化ではないですが、小中学生のときには気づかなかった魅力に目がいくようになったと思います。
まさに毛綱毅曠さんの建築も、新たに感じた魅力の一つです。MOOは昔よく遊んだ場所なのですが、今では訪れるたびに建築的な特徴を探して楽しんでいます(笑)
時を隔てて同じ場所で遊んでいるけれど、見え方が違うというのが面白いです。

2.建築に目覚めたきっかけ

――建築が趣味なんですか?

今回、毛綱毅曠さんについて調べたり取材を重ねたりするうちに“建築”に興味を持つようになりました。
もともと街を歩いていて素敵だと思う建築やアート作品があると写真を撮る習慣はあったのですが、
今では「誰がいつ、どんなコンセプトで建築したのか」「ほかにはどんな建築を設計したのか」なども気になるようになりました。建築の本を読んだり、先日は東京にある有名建築のオンライン見学会にも参加したり・・・結構はまっています。気軽に旅行ができるようになったら、全国各地にある毛綱毅曠さんの建築を訪ねたいです。

――0755DDチャンネル「釧路が生んだ奇才・毛綱毅曠の建築を追う」という番組を作られたんですよね?


はい。小学生の頃に知った毛綱毅曠さんが手掛けた建築をテーマに5分の番組を作りました。
普段、番組制作業務を担当していないので大変でしたがなんとか放送までこぎつけました。

――なぜ毛綱毅曠さんを取り上げようとしたんですか

最初はイベントができたらいいなと企画を提案しました。
2021年が毛綱毅曠さんの生誕80年と没後20年の節目で、ぜひイベントをやりたいと思い、提案書を書きましたが通りませんでした。

――残念でしたね。。


提案通らなくてがっかりはしましたが、「イベント以外でも展開ができないかな」と考え続けて、360°動画でコンテンツ化しよう!となりました。

3.発信を多彩に

――360°動画?

NHKのホームページには、各地のニュースやスポーツ、風景などの360°動画を集めたサイト「NHK VR/AR」があります。釧路局でも、360°動画で釧路の魅力や文化・自然を発信しようという取り組みを進めています。これまでに「SL冬の湿原号」や「春採の大滝・春採太郎」など、より釧路の魅力を知ってもらおうと発信を続けています。
そこに、毛綱毅曠さんの代表作である「反住器」の動画を公開しました。毛綱さんの作品をさらに調べていくうちに私は建築が好きだなと改めて思うようになりました。

【ぐるっと道東360°カメラでSL #冬の湿原号 に乗ってみた】

【ぐるっと道東 360°カメラで釧路の秘境「海に閉ざされた芸術」を探訪】

――どうして、360°コンテンツにしようと思いついたんですか?

空間を360°見渡すことができるVRは、建築が放つ魅力や空間の雰囲気を伝えるのにぴったりだと思いました。
“まるで実際に建物を訪れているかのような体験”をお届けすることで°、毛綱さんの建築の魅力をより感じていただけるのではと考えました。

――360°動画の撮影や編集は難しいのでしょうか?

撮影は難しかったです…仕事でカメラをまわすのも編集をするのも初めてだったので、技術部や放送部の先輩にご協力いただき、教えてもらいながら進めました。後半は1人でロケに行くようになり、編集も自力でできる部分が徐々に増えてきたという感じです。

――いま、メタバースなどがトレンドワードになっていますが、VRの可能性は感じますか?

私自身これまであまりVRには詳しくなかったのですが、今回のコンテンツ制作を通してその面白さを感じました。
素敵な場所に行ったときにも、「この空間を360°カメラで記録しておきたい…」と思うようになりました(笑)
離れたところにいる人と一緒にVRを傍聴できるシステムも開発されていたり、今後ますます“新しい体験”の形がアップデートされていくんだろうなと思います。そうした技術を活用して“伝えたいこと”を届けられるよう、引き続き勉強していきたいと思います。

――動画を公開してから番組に展開することを考えていたんですか?

いえ、番組化の話は偶然で。0755DDチャンネルの担当者から「面白いからつくってみない?」と声がかかり、実現しました。

――偶然だったんですね、番組制作ははじめてですよね?

はじめてでした。番組になることが決まって、番組づくりの大変さを実感しました。

建築史の専門家は、釧路には毛綱建築が普通にあるけれども、よその街では、珍しい、と話しています。この事を釧路の皆さん、さらには北海道の皆さんにも知ってもらいたいと思い作りました。

――反響はありましたか?

ありました。博物館のある担当者の方が、来館した建築を学んでいる大学生から、この番組で取り上げた場所を聞かれたそうです。この番組を見てくれて、実際に足を運ぼうとしてくれる人がいて。届いて欲しい人に思いが届いてとても嬉しかったです。

――仕事を通して感じた毛綱さんと毛綱建築の魅力とは、どういったところでしょう?

毛綱さんの建築の魅力は、はっきりとした思い・コンセプトがあって、それが形になっているところだと思います。形状や素材、光の入り方、配置や順路などなど…一つ一つが明確なコンセプトに基づいて構成されています。そこが徹底されているからこそ、毛綱さんの建築を訪れると瞬く間にその世界観に引き込まれるのではないかと思います。
また、取材を通して見えてきた毛綱さんのお人柄も魅力的でした。今回お話を伺った博物館の学芸員の方によると“飄々としていながら自分の思いはしっかりと持っている方“だったとのこと。特徴的な造形ゆえ設計・施工時に関係者とのすり合わせが難しい場面も多かったようですが、相手の立場を理解しつつも核となる部分は守り通す、芯のある方だったそうです。

――毛綱建築の投稿ページをみると、まだ公開準備中の内容もありますが…

最初のプランは毛綱毅曠さんの代表作を紹介するミニ番組を釧路で放送する予定でした。
ただ、番組づくりを経験してわかったことですが、普段の業務をしながら番組制作は結構大変で、編集機の使い方とかも、1個1個確認しながら作業していて。
いまは少しずつ編集を進め、準備しています。

――最後に一言お願いします。

釧路の方でも毛綱毅曠さんを知らない人は多いと思います。ただ、建物は知ってる。という人は多いのではないでしょうか。ほかにも、釧路には自然や食べ物といった素晴らしいものが日常にたくさんあります。このことを、360度VR映像やイベントの仕事を通して、釧路の皆さんや、さらにもっと多くの人に知ってほしいと思っています。

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