NHK札幌放送局

災害時の備蓄を考える・家庭での備えに必要なのは

ほっとニュース ミニ

2019年7月25日(木)午後5時16分 更新

災害が発生すると物流が止まり、食料や水などの生活必需品が手に入りづらい状況になります。2018年の胆振東部地震では道内のほぼ全域が停電し、ふだんから備蓄を心がけていても不自由な生活を強いられた方が多かったかもしれません。いざという時のため、家庭ではどのように備蓄を進めればいいのでしょうか。

備蓄の大切さ 市民の意識は

国は防災基本計画の中で家庭で必要な備蓄の量について、ライフラインが停止したり支援物資が届かなかったりするケースを想定して、最低でも3日分、可能であれば1週間分程度の食料などを備蓄するのが大切だと定めています。

しかし、実情はどうでしょうか。

札幌市が実施したアンケートでは、「備蓄品や非常用の持ち出し用品を用意した」と回答した人の割合は、胆振東部地震の後で60.3%。地震前の31.4%に比べると大幅に改善したものの、それでも4割ほどの人が備蓄をしていないことがわかります。

必要な備蓄の量・種類は?

では、具体的にどのような備えが必要なのでしょうか。

ふだんから備蓄に取り組んでいるという、函館市在住の本田健さん。

製薬会社に勤務する本田さんは、災害で被災した地域を担当していた経験から備蓄に対する意識が高く、車のトランクに数々の備蓄品を保管しています。

長期保存可能なペットボトル入りの水に加え、カップ麺や缶詰、レトルト食品といった食料品はもちろん、ライフラインが停止した場合を想定して乾電池やスマートフォンのバッテリー、簡易トイレ、さらに暖房器具や照明器具など、種類ごとにカゴに分けて積んでいました。本田さんはいざというとき車で避難することを想定して、あらかじめ車に備えているそうです。

そんな本田さんに、1日あたりに必要な水の量を尋ねてみると「1リットル程度ですかね?」という答えが返ってきました。

国のガイドラインは

災害時の備蓄品は、実際には家庭でどれくらい必要なのでしょうか。国がまとめた指針によると、水は調理に使う分も含めると1日1人あたり3リットル1週間過ごすことを想定すると、21リットル。2リットル入りのペットボトル10本分以上になります。

「3人で1日9リットル。そんなに必要なんですか」(本田さん)

本田さんのように熱心に取り組んでいる人でさえ、国が求めるレベルとの差を感じざるをえません。

他には、カセットコンロのガスボンベ6本。また栄養価が高く保存期間が長いについては、2キロ蓄えておくことで27食分になるといわれています。

食品は、乾パンなどの非常食ばかりをため込むのではなく、ふだんの料理にも使えるレトルト食品などを少し多めに買い置きしておくこともポイントです。
消費期限が近づいた食品は日常的に使って備蓄を入れ替えることで、期限切れによる廃棄の量を減らすことにもつながります。

“災害に強い” 液体ミルク

今、“災害に強い” といわれる、ある製品が注目されています。
2019年春から日本国内での販売が始まった「液体ミルク」です。

粉ミルクとの大きな違いは、常温でも飲めること。お湯に溶かさず哺乳瓶に移すだけで飲めるので、電気やガスが止まりお湯の確保が出来ない場合に便利です。

実は胆振東部地震の際にも、東京都が保管していた海外の液体ミルクが支援物資として北海道に届けられましたが、ほとんど活用されませんでした。
その理由のひとつとして、日常生活になじんでいなかったことが挙げられます。

国内で液体ミルクの販売を手がけるメーカー2社の担当者は、道内には災害備蓄品として液体ミルクを保管している自治体は無いのではないかと話します。

東日本大震災や熊本地震など過去の災害においても、液体ミルクは十分に活用されませんでした。そこで国内での商品化を望む声が高まり、国が衛生基準や表示基準を定めたことで、日本国内での販売が開始されました。

災害時には清潔な水の確保が難しく、ストレスで母乳が出にくくなる場合もあることから、全国では災害備蓄品として導入を決めた自治体もあります。

こうした製品の存在を知り、また選択肢のひとつとして頭に入れておくことで、緊急時、実際に使う際の抵抗感を減らすことが出来るのかもしれません。

定期的な “見直し” を

食料品を備蓄したとしても、適切に管理していないと、いざというときに消費期限が切れていて食べられないといったケースも考えられます。

備蓄品をそろえれば安心…ではなく、給料日の前や防災の日など、忘れないようなきっかけを作り、定期的に見直すことが重要です。

(2019年6月26日放送)

関連情報

化学物質過敏症の人でも働けるお菓子屋さん

ほっとニュース ミニ

2019年12月6日(金)午後6時23分 更新

馬文化が街を変える!? 帯広に観光馬車誕生へ

ほっとニュース ミニ

2019年1月17日(木)午後5時00分 更新

道産水産物が食卓から消える? #水産クライシス

ほっとニュース ミニ

2020年2月18日(火)午後1時03分 更新

上に戻る