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恵庭市で長く愛される絵本に

  • 2022年4月5日

こんにちは。「ほっとニュース北海道」リポーターの坂井里紗です。新年度から道央と胆振・日高の皆さんにお伝えする新番組「道央いぶりDAYひだか」では、「70(ななまる)MAP」と題して各地の魅力的な風物をお届けしていきます。

今回は恵庭市が力を入れている絵本にまつわる話題です。まずは冒頭の写真の絵本の紹介から。

「はなちゃんのおでかけ」
主人公のはなちゃんが恵庭市を巡回する「エコバス」に乗って、さまざまな動物たちと出会いながら市内の施設などを巡るストーリー

恵庭市の市制施行50周年を記念して市立図書館が制作した絵本です。はなちゃんが乗る「エコバス」は、恵庭に住む子どもたちにとってなじみ深いバスなのだそうです。1歳半の子どもを対象にしていますが、ストーリーも絵も心温まるお話で、大人が読んでも癒される内容になっています。
恵庭市では現在、この絵本の原画展が開かれています。どのような思いでこの絵本が作られたのか、地元の人たちはどのように親しんでいるのかを取材してきました。

優しいタッチの原画の作者は

原画展の会場では「はなちゃんのおでかけ」の原画13点を展示しています。中でも私、坂井が癒されたのがこちら。くまさんが図書館で借りてきた本をはなちゃんに見せる場面です。

はなちゃんもくまさんも温かな笑顔で、ほんわかした気持ちになりませんか?
そして、注目してほしいのがバスの窓から見える建物です。実は恵庭市に実在するパン屋さんをモデルにしています。このように物語に登場する施設などは市内にある建物や風景をイメージして描かれているのだそうです。

絵本の原画を担当した小川里恵子さんにお話を伺いました。小川さんは地元在住のイラストレーターで、図書館から依頼を受けて原画を描きました。作品の絵のようなとても温かい方で、笑顔で答えてくれました。

小川里恵子さん
「小さいお子さんも読む絵本なので、優しいタッチのものをという感じで。パステル調の優しい色にこだわって、出てくるはなちゃんの友達も楽しそうなかわいらしいキャラクターにしようと考えて作りました。一緒になってはなちゃんとお出かけしているような気分で描かせていただきました。優しく明るい気持ち、癒される気持ちになってくれたらうれしいし、やっぱり絵本を通じて恵庭のことをいっぱい知ってくれたらいいなと思います」

“図書館発”の苦労と願い

「はなちゃんのおでかけ」のストーリーを考えたのは、恵庭市立図書館で働く3人のスタッフです。図書館が絵本を制作するのは初めてのことで、苦労もあったと言います。
絵本に込めた思いを製作者の1人、杉村桃子さんに伺いました。杉村さんも笑顔に癒されるステキな方でした!

杉村桃子さん
「恵庭市民の方たちに親しみを持ってもらうために身近なものを題材にしました。図書館として絵本を制作することが初めてだったので、構成を立てたりイラストレーターの方を探したり、すべて一からだったのでとても苦労しました。それでも絵本を通じて恵庭の魅力を感じ取ってもらいたいと思い、制作しました。恵庭を身近に感じてもらって、はなちゃんと一緒におでかけしたいなという気持ちになってもらいたい」

杉村さんたちが力を注いだ「はなちゃんのおでかけ」が出版されたのは2年前。図書館には実際に読んだ人たちからうれしい声が届いているそうです。

杉村桃子さん
「“おうちでいつも読んでいます”“エコバスの本を取ってと言うようになりました”などお客様からお声をいただけるようになりました。とてもうれしく思っています。恵庭市にとって長く愛される絵本になってほしいなと思います」

親子で楽しむ地元の物語

“絵本のまち”とも呼ばれる恵庭市では、市内で生まれた赤ちゃんに本を配る「ブックスタート」事業を行っているほか、健康診断でも絵本を配っています。もちろん「はなちゃんのおでかけ」もその1つです。
実際に受け取った子どもたちがどのように親しんでいるのか、市内に住む竹内誠裕さん、蒼葉くん(1歳10か月)親子を訪ねました。

「結構ヨレヨレになって…」と竹内さんが見せてくれたのは、端々が折れた「はなちゃんのおでかけ」でした。繰り返し読んでいることが絵本の姿からも伝わってきました。
取材中に竹内さんが読み聞かせをしていると、蒼葉くんは「うさぎさん!」と指をさして反応していました。

竹内誠裕さん
「知っている動物とかが出てくると指さして笑ったりしていますね。恵庭のことも書いてあって、こういう絵本は今までなかったと思うのでいいですね。子どもは乗り物が好きなので、バスに乗っていろんなところに行くというストーリーもおもしろいと思います。本人が気に入ったらずっと読まされるので、保育園に通っている間はずっと読んでいくんじゃないかな」

恵庭市で生まれた絵本「はなちゃんのおでかけ」については、きょう5日(火)午後6時40分からの「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」でお伝えする予定です。こちらもぜひご覧ください♪

取材後記

“絵本のまち”恵庭市で生まれた「はなちゃんのおでかけ」には、制作に携わった人たちの“地元の魅力を届けたい”という強い思いが込められていました。私も実際に読みましたが、大人が読んでも心温まるステキな絵本で、恵庭のことをさらに知りたくなりました。
イラストレーターの小川さんは「パステル調の優しい色にこだわった」と話していましたが、動物たちはもちろん、バスの中や街の風景、空に浮かぶ雲も温かい色合いで描かれています。ストーリーも分かりやすく楽しくなる内容で、「エコバス」にも乗ってみたくなりました。
取材に協力してくれた竹内蒼葉くんは1歳になって「読んで!」とリクエストすることが多くなったそうです。取材中も絵本に登場するうさぎさんの名前を読んだり、まねをしたりと大好きなのが伝わってきました。
皆さんも恵庭市を訪れた際にはぜひ「はなちゃんのおでかけ」を手に取ってみてください。はなちゃんと一緒に街を探検できますよ。

道央いぶりDAYひだか
坂井 里紗
2022年4月5日

先月は寿都町で春を感じてきました。こちらも併せてどうぞ!

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