NHK札幌放送局

衰弱死裁判 傍聴記②  被告人質問始まる

ほっとニュースweb

2020年11月4日(水)午後10時49分 更新

札幌市で去年、2歳だった池田詩梨ちゃんが衰弱して死亡した事件。保護責任者遺棄致死の罪に問われている母親の莉菜被告の裁判員裁判は2日目を迎えました。 法廷では、莉菜被告の親族や交際相手が証言したほか、被告本人に直接ただす「被告人質問」が行われました。この中で莉菜被告は「娘はご飯をきちんと食べていて、発育を心配したことはなかった」と述べ、改めて無罪を主張しました。 (札幌局 取材班)

〈事件の概要〉
札幌市中央区の無職、池田莉菜被告(22)は去年5月から6月にかけて娘の詩梨ちゃん(当時2歳)を衰弱させたまま放置し死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われ、裁判員裁判で無罪を主張しています。

〈開廷〉
4日午前10時。莉菜被告はこの日も黒いスーツ姿で法廷に入りました。審理ではまず関係者への証人尋問が行われ、莉菜被告は弁護士の隣に座って法廷でのやりとりを聞いていました。検察官や弁護士が入れ代わりながら証人への質問を重ねていきました。

〈保育士への証人尋問〉
午前中、証言台に立ったのは、詩梨ちゃんが当時通っていた保育園の保育士でした。去年2月から4月末までの詩梨ちゃんの様子を証言しました。保育士は、検察官から当時の発育の状況について聞かれると、「年齢に比べて小柄でしたが、やせていると思ったことはありません。ご飯も仕出しのお弁当を完食していました」と証言しました。


〈母親への証人尋問〉

また莉菜被告の母親も出廷し、詩梨ちゃんが亡くなる3か月ほど前から被告とほとんど連絡が取れなくなり、詩梨ちゃんと会うこともできなかったと証言しました。
一方、検察官は、母親が莉菜被告に宛てて「詩梨生きてるの?」とか、「1人で置いていないよね?」などと携帯電話でメッセージを送っていたと指摘しました。

当時の状況について裁判員から再度質問されると、母親は「SNSで口うるさくメッセージを送ったので、無視されているのかと思いました」と話しました。
     

〈藤原一弥被告への証人尋問〉
この日は、1審で懲役13年の判決を言い渡された交際相手の藤原一弥被告(26)も証人として出廷しました。
このなかで藤原被告は「詩梨ちゃんは亡くなる直前まで歩いていた」と証言。衰弱はしていなかったと強調しました。
その一方で「亡くなる1週間ぐらい前、詩梨ちゃんの頭部に異変があったのに莉菜被告は何もしなかった」とも述べました。
その後、藤原被告が病院に助言を求めて電話したということですが、結局、詩梨ちゃんを病院に連れて行くなどの措置はとられませんでした。

莉菜被告は藤原被告の証言をうなだれるように、うつむいた姿勢で聞いていました。時折、証言内容を否定するかのように首を横に振る様子も見られました。

〈被告人質問〉
午後4時半、いよいよ莉菜被告への「被告人質問」が始まりました。証言台の前に座り、はじめは弁護側からの質問に良く通る声で答えていました。

弁護士
「詩梨ちゃんはどんな子どもでしたか?」

莉菜被告
「おっとりしていて、すごく頭が良くて、手のかからない子どもでした」

続いて、食事の与え方や発育について質問されると、「娘は食欲が普通にあり、与えられた量をきちんと食べていた。確かに体は小さかったが、私も背が低いので遺伝だと思っていて、発育については心配していなかった」と述べました。詩梨ちゃんが衰弱していた事実はないとして、改めて無罪を主張したのです。

5日の審理でも、莉菜被告への「被告人質問」が続く予定です。
裁判は検察側の求刑などを経て結審したのち、11月20日に判決が言い渡される予定です。

          

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