変化を続ける道北オホーツク地域とそこに暮らす人々をNHKは映像で記録してきました。「道北オホーツク映像の歴史」今回は、作家の三浦綾子さんが、夫の支えのもとに長編小説「銃口」に取り組む日々を記録した番組「光あるうちに~三浦綾子・その日々~」です。道北オホーツクで2月4日(土)午前9時から放送します。

道北オホーツク地域は農業や漁業、林業で発展し、金山や軍隊の拠点、ものづくりの街、貿易基地の顔も持ちます。NHKは変化を続ける地域の姿と、そこに暮らす人々を映像で記録してきました。
地域の映像の記録は、昔を懐かしむだけのものではなく、先人の暮らしや文化を知る歴史教育の教材としても貴重な意味があります。そこでドキュメンタリー番組を中心に「道北オホーツク映像の歴史」を不定期で放送しています。

2月4日(土)午前9時から放送するのは、1991(平成3)年3月に初回放送のほっかいどうスペシャル「光あるうちに~三浦綾子・その日々~」です。
「氷点」でデビューした作家の三浦綾子さん。この番組の撮影の時には、ガンと闘いながら、夫の光世さんの口述筆記で創作を続けていました。取り組んでいたのは長編小説「銃口」です。
番組では旭川の街で暮らす三浦さんの日々を追っています。夫とともに祈り、語りあい、食事をして、創作に向かう姿が記録されています。三浦さんは、悩みを抱える読者の救いを求める手紙に対して、すべて口述筆記で返事を出していました。時には、家を訪れた三浦さんの愛読者の少女たちと語りあうこともありました。

人間を見つめた三浦さんの言葉も記録されています。
「自分のした悪いことは小さく見える。他人のした悪いことは大きく見える。自分のしたことは許せる。小さなことだと思うから。自分についてはたくさんの弁解の言葉を持っている」
「他人のしたことは絶対許さない。自分がやった場合には許せることを相手がやっているということをわからない」
「自分のしたことは小さい。他人のしたことは大きい。自分のは許せる。相手のは許せない。その繰り返しの一生ではないか」
三浦さんはこの番組の初回放送から8年後の1999年に逝去されました。番組の中では、病気や死に対する思いも語っています。
ほっかいどうスペシャル「光あるうちに~三浦綾子・その日々~」。三浦さんの日々を追った貴重な記録をぜひごらんください。
この番組の撮影中に執筆していた三浦綾子さんの最後の小説「銃口」原作のドラマが1997年に放送されました。
去年、三浦さんの生誕100年を記念して、旭川市でドラマの上映会が行われ、出演した俳優の有森也実さん、村田雄浩さん、三浦綾子記念文学館・館長の田中綾さんが三浦文学について語り合いました。このイベントでのお話はこちらから読むことができます。
この番組をはじめ三浦綾子さんに関連したドキュメンタリーやドラマは、各地の放送局などの番組公開ライブラリーで公開しています。詳しくはこちらから。
(新型コロナウイルス感染拡大のため、現在、休止している放送局もあります。お近くの放送局に必ず確認をしてからお越しください)
「道北オホーツク映像の歴史」は同日、下記の番組の放送も予定しています。
<2月4日(土)午前10時30分放送予定>
昭和回顧録「産金報国(昭和15年・北海道鴻之舞金山)」
紋別市の鴻之舞金山で働いていたかたたちと昭和15年のモノクロ映像をスタジオで見る番組です。スタジオでのコメントも貴重です。
(初回放送:1981(昭和56)年)
道北オホーツク地方に関連する番組のご紹介はもちろん、道北オホーツクの廃線になった鉄道を振り返る「懐かしの鉄路」、自治体の広報担当者が自ら撮影した地域の旬の話題「ふるさと自慢」、地域でがんばる事業者を応援するプロジェクト「コロナに負けない」、旭川がホームタウンのプロバレーボールチーム・ヴォレアス北海道の選手たちの素顔に迫る「推しヴォレ」、家族で楽しめるさまざまなスポットを紹介する「キッズとおでかけ」、地域の課題の解決に向けたヒントを探る「地域の課題」などのコンテンツを発信しています。ぜひごらんください。