9月下旬に根室市に行ってきました。カントリーサイン(市町村ごとの案内標識)にもなっている「花咲ガニ」を食べて、触って、体験して!たっぷり満喫してきました。あなたの知らない花咲ガニの世界、お伝えします!
◇ぶらり出発!
札幌から高速道路を使って、車で約6時間。旅のスタートは、道東・根室市です。

駅前には、カニの"のぼり"がたくさん!
早速、花咲ガニが町のシンボルであることを感じ、改めて根室に来たことを実感しました🦀

<花咲ガニとは??>
道東近辺、特に根室市で水揚げされるカニです。毛ガニやタラバガニよりも漁獲量が少なく“希少なカニ”なんです。体全体がトゲトゲなのが特徴です。
◇花咲ガニを食べるまでの道のり!
花咲ガニを食べるべく、訪れたのはまちの直売所。ここで花咲ガニについて色々教えてくれたのは、こちらのお二方!!水産会社社長の島孝治さん(真ん中)と部長の原子雅道さん(右)です。

ここでは一度ゆでてからカニを出荷するそうで、隣接する工場でその様子を見せてもらいました。パートのみなさんがやっているのは、カニの足をゴムで留める作業です。

市場などで、カニの足が留められているのをよく見ますが、なぜかご存知ですか?

所説あるそうですが、そのままお湯に入れるとカニがびっくりして脚がバラバラになってしまうからなんだそうです😲脚がとれると、そこから旨味が逃げてしまい味に影響するとのこと。衝撃の事実でした😲
ゴム留めを終えて、いよいよゆでていきます!水揚げされた時期やカニの大きさによって塩分濃度やゆでる時間を変えるそうです。カニの美味しさに直結するので、細かく変えているそうですよ!ちなみに、水槽にいるときの花咲ガニはこんな色。

ですが、15分ほどゆでると…

赤色に!!花が咲くように鮮やかな赤色になることから、「花咲ガニ」と名前がついたとも言われているそうです。
◇花咲ガニを食べつくす!
ゆでたてのカニをいただきました!

とにかく、味がしっかり!!そして旨味がジュワーっと出てきます!!ほかのカニは身が縦にほぐれていくような感覚ですが、花咲ガニは肉厚でより細かくほぐれました。私の表情からおいしさが伝わりますでしょうか…?

放送はここまででしたが、実は、ほかの食べ方でもいただきました🙇
例年8月末~9月初旬に行われる「かに祭り」のみで食べられるという「焼きガニ」をいただきました。(※かに祭りは、去年とことし新型コロナウイルス感染防止のため中止でした。)

ゆでガニでも旨味がすごかったのに、焼きガニ…恐るべしです…。
旨味がさらにアップしただけではなく、香ばしさが加わり、ゆでガニとはまた違うおいしさでした。
焼きガニは、生のカニを炭火焼きにするので新鮮なカニが手に入る場所でないと難しいということで、“お祭りでしか味わえない”と呼び物になっているそうです。
そして最後に「てっぽう汁」もいただきました。道東地域で古くから親しまれているカニを入れた味噌汁です。

今回は直売店の社長、島孝治さんの秘密の調理法で作っていただきました。

カニと味噌が合わないわけがない!!体にしみわたる贅沢なお味噌汁でした。
島さんは、「より多くの方にもっと花咲ガニを知ってもらって、根室を盛り上げていきたい。」と話していました。
◇花咲ガニを守る仕事とは??
“美味”を堪能したあとは、少しお勉強。花咲ガニの数を増やそうと研究している施設にお邪魔しました。

ここでは、花咲ガニをはじめ、ホッカイエビやヤナギダコなど根室を代表する海産物のふ化や繁殖を行っています。案内してくださったのは、この道30年の工藤良二さんです。

このようにたくさんの水槽が並んでいます。

まず、ことし生まれたという稚ガニを見せてもらいました。

私の指の幅と同じくらいのサイズ!とっても小さいです。親ガニと比べてみると…

同じ生き物??と疑ってしまうくらい大きさが違います。この親ガニでだいたい8年くらい生きていて、脱皮を繰り返し、大きくなっていくとのことです。
特別に許可をもらって親ガニにエサをやりました!!

あげるのは、小エビです。どうやって食べるのか見ていると…

やっぱりそこが口だったんですね!と再確認!!(笑)ハサミを上手に使って器用に食べていました。
今は、ピーク時の5分の1にまで減ってしまったという花咲ガニ。
工藤さんは、「完全養殖ではなく、自分たちの手で育て放流することで、少しでも漁業者さんの助けになりたい。根室の愛着ある花咲ガニを守っていきたい。」と活動していました。

◇花咲ガニを体験して、発信!?
次に訪れたのは、カニ販売専門店。なんとここの社長さん、カニが好きすぎてカニ屋さんになったというんです。熊谷将佳さん。32歳の若社長です!

もともと歯舞漁協で働いていましたが、事務方の仕事が合わず退職。その後いくつかの職業を経て、知り合いからカニ屋さんの後継ぎを探しているという話を聞き、4年前に社長になりました。
カニの良さをより知ってもらいたいと始めたのが“カニ体験”です。胴長を着て、水槽の中に入り、生きているカニを網で捕まえることができるんです。味覚でおいしさを感じるだけではなく、触感でも楽しんでほしいとのこと。

捕まえたカニとともに写真撮影も!!

私、少し強そうに見えませんか?😊
さらに希望すれば、このカニをその場で調理して食べることもできます。
その後、なにやらスマートフォンを持ってきた熊谷さん。
「一緒にSNSの動画を撮りませんか?」
実は熊谷さん、花咲ガニの魅力を短い動画で積極的に発信しているんです。中には100万回再生されたものも!私も参加させていただきました。ノリノリの音楽にのって、振り付けをして…

花咲ガニをがぶり!!我ながらおいしそうに食べることができました🦀

熊谷さんは、
「根室にはこんなにおいしい花咲ガニというカニがあることを僕なりの伝え方でどんどん伝えていきたい。」と話していました。

◇札幌局で魅力をご紹介!
今回の花咲ガニとの出会い、10月2日(土)の「おはよう北海道土曜プラス」で紹介させていただきました。
当日はたまたま、私と気象予報士の森和也さん(右)、

そして、堀若菜キャスター(左)も全員水色のトップス。
赤松俊理アナウンサー(真ん中)も水色だったらパーフェクトでした(笑)

無意識に根室の青い海を考えていたのかも!?

そして、10月4日(火)には「ひるナマ!北海道」でも少し内容を変えて紹介させていただきました。下の写真は、西野愛由キャスター(左)、森和也気象予報士(右)と一緒に。

先ほどから何やらポーズをしているなぁと気付いた方、いらっしゃいますか?これはSNS発信をしている熊谷さんと一緒に撮った動画での振り付けをまねているんです!みんながまねしたくなるポーズを考案されたということは、これから先SNSを通じて花咲ガニの魅力がもっと広まっていくかもしれないなぁと嬉しく思いました。
最後は、西野キャスターに作成してもらった画像でお別れです(/・ω・)/

花咲ガニは11月中旬ころまで市場に出回る予定だということです!
この機会にぜひご賞味あれ!!
2021年10月29日(金)
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