NHK札幌放送局

2022年2月 神恵内村長選挙 現職・高橋氏が6選果たす 「核のごみ」文献調査継続主張

選挙北海道

2022年2月28日(月)午前1時00分 更新

いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、文献調査が行われている後志の神恵内村で2月27日、村長選挙の投票が行われ、調査の継続を主張する現職の高橋昌幸氏が6回目の当選を果たしました。

神恵内村長選挙の開票結果です。
▼高橋昌幸(無所属・現)当選 559票
▼瀬尾英幸(無所属・新) 48票
村の選挙管理委員会によりますと、投票率は89.24%でした。

高橋氏は神恵内村出身の71歳。
村の産業課長や住民課長を経て、2002年(平成14年)の村長選挙に立候補して初当選し、これまでに5期務めてきました。

神恵内村では、おととしからいわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐって第1段階となる文献調査が行われ、次の第2段階となる概要調査に進むかどうかが注目されています。
今回の村長選挙は、1986年(昭和61年)以来、36年ぶりの選挙戦となりました。▼文献調査の受け入れを決めた高橋氏は調査を継続したうえで概要調査に進むかどうかを決める際には村民の意見を聞くと主張する一方、▼瀬尾氏は概要調査には反対を訴え、今回の村長選挙は調査の是非が最大の焦点になっていました。

高橋氏は「今まで20年間、村民の多くの方々の指導や協力でできたことも多い。これをさらに進化させていくと訴えたので、それに対して期待してもらっているのかと思う」と述べました。
「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐる文献調査や次の概要調査については「文献調査の結果が出てから、村民の考えをどう集約すれば良いのかも含めて議会のみなさんと決定したい。住民投票を行うことも1つの方策と申し上げている。大事なことは住民の意見をきちんと集約できる方法をとるということだ」と述べました。
瀬尾氏は「私の力不足だった。“よそ者”、“高齢”、“無名”という悪条件が重なるなか、支持してくれた48人には感謝したい。想定より得票は少なかったが、『核のごみ』に対する国の施策や村の姿勢に異議を申し立てるという目的は果たすことができた」と述べました。

6期目の課題は

36年ぶりの選挙戦は、5期20年、村長を務めてきた現職の高橋氏が有効投票数の9割を超える票を獲得しました。
文献調査の次の概要調査への反対を掲げた新人・瀬尾氏の得票は伸びず、みずから敗因の1つに「村に住んでいない“よそ者”で知名度がなかった」ことを挙げました。
高橋氏は概要調査に進むかどうかを決める際のことについて、「大事なことは住民の意見をきちんと集約できる方法をとるということだ」と述べました。
秋以降、文献調査が終わった段階で住民が納得づくで判断できるよう、日頃から丁寧に情報提供をしていくことが6期目の重要な課題になります。
(小樽支局 小田切健太郎記者)

神恵内村長選挙2022の特設サイトはこちら

関連情報

2020年8月 岩見沢市長選挙 現職・松野氏が無投票で3選…

選挙北海道

2020年8月23日(日)午後5時00分 更新

東川町の選挙 選挙期間は異例の「6日間」に

選挙北海道

2022年12月1日(木)午後8時47分 更新

【解説】参議院選挙北海道選挙区は与党が上回る 統一地方選挙…

選挙北海道

2022年7月11日(月)午後5時00分 更新

上に戻る