NHK札幌放送局

NHK北海道の中の人たち ディレクター 板橋 健次

デジタル戦略チーム

2020年8月6日(木)午前10時00分 更新

 

”紅白”の緊張感

入局は何年ですか?
板橋:初任地が東京で2016年です。2018年の夏に札幌に来ました。今年で27歳です。

東京ではどのようなお仕事をされていたのですか?
板橋:エンターテインメント番組部という部署にいたのですが、代表的な番組は「NHK紅白歌合戦」ですね。音楽番組が多く、最初に配属されたのは、バナナマンさんがMCの音楽バラエティ番組「バナナゼロミュージック」、それから「シブヤノオト」なども担当しました。紅白は、1年目は「美術進行」という分野で舞台セットなどの転換や進行を担当。2年目はCGを担当しました。最近は歌手の背景にCGを使うことが増えてきたので。

最近、色々な場面でCG映像が使われることが多くなりましたよね。
板橋:そうですね。CG映像は世界観を自由に作れるというメリットがありますが、そのイメージした世界観を映像で表現にするのは意外と大変です。紅白の場合は、NHKの演出イメージをベースに、出演される歌手の方々の意思も反映させていたりするので。それを私はCGで具現化していく仕事をしていました。一般的にテレビ離れと言われますが、紅白は多くの方がご覧くださる番組です。歌手の方々もこの番組にかける思いが強いので、スタッフもそれに答えたいという気持ちで、現場の緊張感は半端ないです。

札幌にきてからも音楽番組がメインですか?
板橋:札幌に異動してからすぐに2018年12月に放送した大泉洋さん司会の歌番組「いまこそ、ひとつに 北海道ライブ」を担当しました。北海道胆振東部地震で大きな被害を受けた北海道を音楽の力で少しでも元気づけようという番組です。その後は、音楽に限らず色々な分野を担当しています。2019年2月には、道内テレビ6局で合同制作し同時生放送の「みんなで道フェス!2019」という特別番組にも携わりました。

いまは幅広く担当しているのですね。
板橋:はい。あとは「ドキュメント72時間」という番組も担当しました。ある場所を72時間定点で観察し、そこに出入りする人たちを取材。インタビューを通して皆さんの人生やストーリーを感じるという番組です。ドキュメンタリーでぶっつけ取材なので、どうなるか分からない不安はありましたね。

その時はどこで72時間取材したのですか?
板橋: 献血バスに同行して、献血をしにくる人たちをインタビューするという内容でした。
 
どんな方に出会えましたか?
板橋:道北の4つの町で撮影させていただいたのですが、献血に来る方は基本的に優しくて、誰かを助けたいという温かい方が多かったですね。「なんで献血するのか?」という質問に「当たり前のことでしょ?」という答えが多かったです。中には今までに300回近く献血をしたという方もいらっしゃいました。上京して借金して故郷に戻って来られた方で「色々失敗もして人に迷惑も掛けたから、今度は誰かの役に立ちたい」とお話しくださった方もいたり、1人ひとりのお話が心に残っています。

まさに人間ドラマですね。本音では、音楽番組にもっと携わりたいという思いもあるのですか?
板橋:本当はお笑いが好きなので、そんなに音楽番組から離れて寂しいという思いはないんです。バラエティをもっとやりたいという気持ちはあります。今年3月に「全北海道町おこしサミット!」というタカアンドトシさん司会の番組を担当したのですが、やっていてとても楽しかったです。

では、今まで一番思い入れのある番組は?
板橋:やはり「全北海道町おこしサミット!」ですかね。北海道179の自治体を輝かせることを目標にした特別番組です。今回は岩内、足寄、江別の3つの町を取り上げ、町の人と一緒に新しい町おこしの案を考えるというものでした。町の皆さんと打合せも重ねて、皆さんの熱い思いを感じることが出来ました。でも放送時期にちょうど新型コロナウイルスが感染拡大してしまって……。名産品や美味しい食べ物もたくさん紹介したので、これを機に視聴者の方々に町へ足を運んでもらいたかったのですが、少しタイミングが悪かったですね。

リモート演出の難しさ

そうですよね。また第2回以降の「町おこしサミット!」に期待しております。
「北海道道」では第6回の放送を担当したとのことですが、こちらはいかがでしたか?
板橋:2020年6月3日(金)に放送した「道民の底力 わたしが乗り越えてきた“道”~熊川哲也~」を担当しました。新型コロナウイルスの影響でリモート出演での放送だったのですが、システム的に慣れないことが多く苦労しました。あと、MC鈴井貴之さんと熊川哲也さんの対談ですね。東京と札幌のリモート対談をテレビ会議で取材したのですが、結局1度も直接お会いできなかったのは残念でした。

こういうタイミングでなければ、直接お会いしてお話したいですよね。
板橋:そうなんです、こればかりは仕方ないですが。あとは、抽象的ですが生放送の中で真面目な感じを残しつつ楽しく伝えるというのが難しく感じました。以前、金曜夜7:30は「北海道中ひざくりげ」と「北海道クローズアップ」という長寿番組を放送していたので、その真面目でジャーナルなイメージからどう脱却できるか。どう番組を色付けていくのか、難しいなと……。

札幌一強ではない北海道を

なるほど。これまでお仕事のお話うかがってきましたが、プライベートのお話も聞かせてください。勝手なイメージでディレクターってお休みが無さそうな気がするのですが、いかがですか?どんな過ごし方をされていますか?
板橋:休めていますよ!ただお話できるような趣味は無いんですよね。何でもすぐ飽きて長続きしなくて。家で映画を見たり、本読んだりとか……普通です(笑)

第一印象では、アウトドアなんかもやりそうなイメージでした(笑)
板橋:たまに釣りに行ったり、フットサルで時々体を動かす程度でした。スポーツは好きですがなかなかやる機会もなくて。

学生時代はサッカーを?
松橋:いえ、高校まで野球をしていました。大学時代は放送研究会です。ショートムービーを制作したり、学園祭でイベントしたり、ネットで番組を配信したりしていました。1学年200人いる巨大サークルでしたよ。

そうなんですか!放送研究会だったということは、大学入学当初からテレビ局を目指していたのですか?
板橋:そうですね。そういう仲間も多くて、テレビ業界には先輩や同級生がたくさんいます。アナウンサーになった人も多いです。

最後になりますが、今後ディレクターとしてどんな番組をつくっていきたいですか?
板橋:バラエティ、音楽番組、ドキュメンタリーなどもやってきましたが、やはり「全北海道町おこしサミット!」は継続して制作したいです。北海道は179市町村あるので、できるだけ多くの町を取り上げたいですね。魅力的なところはたくさんあるのに、札幌一強になってしまうのは悲しいので、地域やそこに住む人たちの魅力を引き出して、北海道をもっと元気にしたいです。


【板橋 健次 プロフィール】
■局歴:2016年入局
札幌拠点放送局 放送部
■出身:東京都
■学生時代の部活:高校は野球部、大学は放送研究会(ショートムービーの制作やWEBでの番組配信など)


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