政府の「アイヌ政策推進会議」が14日、およそ1年ぶりに開かれ、初めて道内外の博物館に保管されているアイヌの遺骨の返還に向けた指針案が示されました。
アイヌ民族の意見を政策に反映するための「アイヌ政策推進会議」は14日、およそ1年ぶりに官邸で開かれ、座長の松野官房長官や北海道アイヌ協会の関係者などが出席しました。
会議では白老町にある国立アイヌ民族博物館でのアイヌの歴史についての展示をより充実させていく方針や、初めて道内外の博物館に保管されているアイヌの遺骨の返還に向けた指針案が示されました。
また、北海道アイヌ協会はアイヌの高齢者に経済的に困窮している人が多いとし、生活支援などを行うよう要望したということです。

会議の中で松野官房長官は「政府としては本日いただいたご意見を踏まえ引き続きアイヌ文化の振興、生活向上、アイヌの歴史の普及啓発などさまざまな施策を総合的で着実に推進していきたい」と述べました。
会議のあと、北海道アイヌ協会の大川勝理事長はNHKの取材に対し「これまでのアイヌ政策には感謝しているが差別や貧困など一番苦労してきたエカシやフチなどの高齢者が報われるようにしたい」と話していました。
2022年7月15日放送