NHK札幌放送局

水害の土砂撤去へ 特殊“掃除機”研究

オホーツクチャンネル

2020年11月12日(木)午後2時01分 更新

 水害の被害を受けた住宅の土砂の撤去作業に役立てようと、北見工業大学や苫小牧市の会社などが既存の「コンクリートポンプ車」を掃除機のように土砂を吸い込むよう改造できないか研究を行っています。

水害後の復旧を楽にしたい

 北海道を含めて、全国的に多発している水害。住宅に土砂が流れ込む被害が相次いでいます。発生のたびに住民やボランティアはスコップや手押し車などを使って手作業で撤去作業をしていて、大きな負担になっています。北海道の北見市にある北見工業大学や苫小牧市の清掃会社などは、こうした住宅の土砂の撤去作業の負担を軽減するために、機械化に向けた共同研究を進めています。

2020年7月大分県

建設現場で活躍する機会を活用

 研究チームが着目したのは工事現場で使われているコンクリートポンプ車です。ふだんは、建設現場で、生のコンクリートを流し込む時に使いますが、清掃会社の社員がシリンダーを改造し、掃除機のように土砂を吸引することができる強い力を生み出す技術を開発しました。

 10月、北見工業大学の屋外の実験施設で、実証実験が行われました。実験では、7月に氾濫した熊本県の球磨川の粘土質の土砂を再現したものを用意しました。それを水分量が60%、50%、40%の3種類に分けました。そしてそれぞれ、吸引にどの程度の時間がかかるか試しました。
 水分量が60%の土砂では、重さ25キロの土砂をわずか1分ほどですべて吸引しました。水分量が減ると時間はかかりましたが、水分量が40%のものでも7分半ですべて吸引することができました。

 研究チームでは、水分量が少ない乾いた土砂も早く吸い込むことができるよう水を足しながら吸い込めるようなノズルを研究したり大がかりな改修をしなくても、既存のコンクリートポンプ車に取り付けるだけで、同じ効果が得られる装置を開発して、来年7月の実用化を目指すことにしています。

研究チームの北海道苫小牧市の会社「とませい」
太田隆紀さん
「土砂の復旧作業では、重労働のなかでそれが長期間続くとなると、心が折れてしまうと思う。仕事を少しでも楽にしたい」

迅速な復旧や感染予防につなげたい

 建設事業者などの業界団体によりますと、北海道内には、コンクリートポンプ車は少なくとも140台以上あるということです。研究チームは実用化されれば土砂災害の迅速な復旧のほか、作業に必要な人手が少なくなることから、新型コロナウイルスの感染予防にもつながったり、ボランティアの人手不足の解消にもつながるのではと期待しています。

研究チームの北見工業大学
森田慎一教授
「被災地の早期の復旧を工学的にサポートしていくのが私たちの使命と考えている。最大限、貢献していきたい」

2020年11月12日

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