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北海道の魚 最新事情

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2022年9月26日(月)午後9時04分 更新

北海道の魚といえば、代表格のサンマや秋サケは近年、不漁が伝えられています。そうしたなかで逆に漁獲量が急速に増えている魚があります。それはマイワシです。さらに・・・。
(道庁担当 竹村知真)


漁獲量急増のマイワシ 消費拡大を

マイワシの漁獲量は、10年以上前の2008年、ほとんどとられていなかったころと比べますと、実に2455倍となっています。

漁獲量が増えるマイワシの魅力をPRしようと、イベントも開かれています。

道が9月から行っているキャンペーンイベントでは、道内およそ100の飲食店に協力を得て、マイワシを使った特別メニューを提供しています。
「イワシのエスカベッシュ」は、揚げたイワシと野菜をあえたカレー風味の南蛮漬けです。爽やかな酸味が食欲をそそりました。

イワシ料理を食べた人
「あまり青臭さは感じなかった。お魚が嫌いな人でも食べやすいと思った」
「イワシがそんなに増えているとはわからなかったので、これがスーパーとかに並ぶようになったら食べるようになるのかなと思います」
ブッフェレストラン ハプナ 錦織弘将調理長
「こういう企画があると、非常にわかりやすくお客さまに来ていただける。地元の魚をよりよくおいしく考えて料理を作り、喜んでいただけるように日々研究をして、たくさんメニューを作っていきたい」

このイベントで、道はポスターなどのほか、協力店のメニューを紹介する冊子も作成しました。
道は、メニューを考案するのに必要なマイワシの購入費用も補助する力の入れようです。

ただ、マイワシの消費量は低迷しています。
道民1世帯あたりの年間消費量はおよそ300グラムで、全国平均に比べて半分程度にとどまっています。

需要がなければ価格は下がります。販売単価は下落傾向にあります。
売り上げは伸び悩み、漁獲量は増えても漁業者の収入には結びついていません。

道水産経営課 吉江洋郎 水産流通係長
「マイワシの価値を認めていただくことで、漁業者や流通関係者、そういった皆さんにとって所得に貢献していくことができる。家庭での消費もしていただくということで、全道で消費が伸びていく」

なぜ、道内でマイワシの消費量が低迷しているのか。
近年になって急にとれるようになったため、道民にとってはなじみが薄い、食べる習慣がないというのが最大の理由だと道は見ています。
道南で水揚げが増えているブリなども同様で、食卓に行き場がない魚は多くが肥料などに加工されているのが現状です。
サンマなど主力とされてきた魚の不漁が続くなか、漁業者にとって消費の喚起は切実な課題となっています。


漁獲量 なぜ増えた?

マイワシにブリ、どうして北海道でとれるようになったのか・・・。
近年は海水温度の上昇も言われています。
道総研・中央水産試験場の山口浩志研究主幹によりますと、ブリについては、北海道近海の水温が高くなり本州からやってくるブリが増えたことが要因として挙げられるということです。

一方、マイワシについては、違う理由が考えられるということです。

道立総合研究機構 中央水産試験場 山口浩志研究主幹
「イワシは全体的に海が冷たいときのほうが増えやすい魚と言われている。ある年に水温が低かった時期があって、それをきっかけに親が増えて子も増える。特に2000年代後半から漁業者の資源管理の意識も徹底されてきたということで、そういったことに加えて水温が低かった年があって2011年以降、資源が増えつつある」


“資源管理で回復” ニシンも・・・

魚の回遊についてはまだまだ分からないことも多いということですが、ほかにも、山口さんが資源管理の取り組みで漁獲量が回復してきたと指摘している魚があります。それはニシンです。
ニシンの漁獲量はこの10年余りの間に4.3倍に増えています。

ことしの春先には、ニシンの群れが産卵したあとに海が白く濁る「群来」(くき)という現象が道南の乙部町でおよそ100年ぶりに確認されました。

山口さんは、こうしたニシンの回復は漁業関係者による資源管理の徹底が生んだものだと指摘しています。

道が展開するキャンペーンイベント。9月のマイワシに続いて10月はブリ、そしてニシンが旬を迎える来年2月にはニシン料理が提供されることになっています。
キャンペーンきっかけに、北海道の魚を見直してはいかがでしょうか?

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