アナウンサーの向井一弘です。みなさん、ちょうど1年前の大雨を覚えていますか?
今月の「道南DE防災」は去年の11月、とりわけ木古内町で激しく降った大雨についてです。
11月なのに!?木古内で“ひょう”も!
今月も、気象予報士で防災士、渡島総合振興局・防災担当のスーパースター
°˖✧國田博之(くにた・ひろゆき)さん✧˖°に教えて頂きました!

この雨は明け方から続きましたが、多くの人がお昼休みを取っていた午後0時半ごろ。
なんと大粒の“ひょう”が降り出し、これを合図に雨の勢いが急激に強まりました。

國田さん
「雨と一緒に降ったひょうが道路脇などに積もって雪のように見えていました。
ひょうが排水口の目に詰まったりしたので雨水がうまく流れず、道路が冠水したり、低い土地が浸水したりしたんです」
午後1時34分までの1時間に降った雨の量は136.5ミリ。これは150年に渡る北海道の気象観測の歴史上最大の記録です。さらに、午後1時前までの10分間に55ミリの降水量を記録。これまでにない“日本一猛烈な雨”が木古内で観測されたのです。

① 大雨の時期が変!
國田さんが指摘する「過去の大雨と比べ特筆すべき」は2つ!まず一点目は。
「道南で1時間に50ミリ以上の雨が降るのは、前線や台風の影響を受ける7~9月がほとんどでした。しかし、木古内の豪雨は雪が降ってもおかしくない11月だったんです。大雨を警戒すべき時期は広がっています!」

② 大雨の場所が変!
そして2点目。
「北海道で大雨になりやすい場所は地形の影響など、過去の研究からある程度知られています。(雲石峠周辺、胆振地方、えりも、知床など)ところが過去に大雨の経験が少ない木古内で日本一の雨が降った。今や道南のどこで大雨が降ってもおかしくないということを示していると思うんです」

振り返れば、ことしも8月に記録的な大雨がありました。今後、大雨の心配がない季節も場所もないということでしょうか?
國田さん
「この傾向はきっと続きます。私たちは新たな常識の中で備えなければなりません。
“地球温暖化”によって海水温が上昇すると雨のもととなる水蒸気が海から大量に供給されます。そして、気温が上がると空気中に含有できる水蒸気量も増えます。
すると風や湿度など大気の条件次第では「いつでも」「どこでも」降る可能性があるのです。これまでの常識を捨て、“まさかは必ずやってくる”と防災意識を高めることが大切です」

NHK函館の防災情報についてはこちらもどうぞ
道南の地域情報が満載!
NHK函館放送局トップに戻る