NHK札幌放送局

愛犬とともに広がる未来

ローカルフレンズ制作班

2022年12月22日(木)午後4時57分 更新

釧路市に雪が降りました。

私が九州から北海道へやってきて3度目の冬になりますが、雪を見るとまだまだワクワクして
 ♪「雪やコンコン~ 犬はよろこび庭かけまわり~」
のフレーズが浮かんできます。

そういえば、福岡の実家で飼っていた愛犬 “チェリー”も、雪が降ると庭を駆け回っていました。福岡では年に2~3回しか雪が降らないのですが・・・

平原ディレクターと愛犬チェリー

釧路の雪景色を眺めながら、16歳まで長生きしてくれたチェリーのことを思い出していました。

さて、釧路市編も最終週。
今回、ローカルフレンズの田辺貴久さんが紹介してくれた方も愛犬家。
田辺さんのアドバイスを受けて、今年8月にオープンした釧路市で初めての民間ドッグランを立ち上げたという方です。

ドッグランとは、飼い犬のリードを外して自由に遊ばせることができる場所。近年、需要が高まっています。
早速、田辺さんに連れて行ってもらうことに。

釧路市中心部から車でおよそ30分。釧路空港からもほど近い場所。サッカーコートおよそ1.5面分の広い敷地。これほど広いドッグランはなかなかお目にかかれません。

髭がトレードマークのオーナー・大嶋良介さん(35)とボーダーコリー犬の“ピノ”くんが迎えてくれました。

釧路に初めて雪が積もったこの日、ドッグランには市内から5組のお客さんが来ていました。

雪の中、ワンちゃんたちが広い敷地をトップスピードで走り、じゃれあい、遊んでいます。リードから解放されたワンちゃんがこんなに早く走れるのか!と驚くばかり。

「めちゃくちゃいいですね、大型犬が遊べる場所が釧路市になかったので。」

ワンちゃんにも飼い主にも、ここはまるで楽園。

大嶋さんは、かつてアイスホッケーの選手でした。
東京都出身の大嶋さんは、子どもの頃近所にあったアイスリンクに通ううちに、アイスホッケーのかっこよさに惹かれます。そして高校卒業後の2006年、釧路市を本拠地にしていたアジアリーグのチーム・クレインズに入団します。ポジションはゴールキーパー(ゴールテンダー)。

クレインズ選手時代の大嶋さん(写真提供:ひがし北海道クレインズ)

しかし、クレインズ入団後は故障が続き、納得できる成績も残せないまま、2018年失意のうちに退団。12年間の現役生活を終えました。

「そこはもう俺の場所じゃないと思って・・・」

選手時代の写真やユニホームも全部捨ててしまい、アイスホッケーを見るのも嫌だったと言います。

大嶋さんはホッケー選手を引退後、チームの親会社の工場でサラリーマンとして働き始めます。
ちょうどその頃、愛犬のピノを飼い始めました。これまでよりも家族と接する時間も増えて、犬と一緒に楽しく生活していましたが・・・2021年秋、勤務していた工場が閉鎖されてしまいます。

転勤を受け入れて釧路を離れるか、会社を辞めて釧路に残るか。
悩んでいた時、そばにいたのが愛犬のピノでした。

「ピノを思いっきり走らせてあげたい。」

大嶋さんはピノと釧路に残る道を選択。自分でドッグランを作ってみようと思い立ちます。

しかし、いったい何から始めたらいいものか・・・?
何の知識もなかった大嶋さんは、田辺さんのいる釧路市ビジネスサポートセンターk-Bizを訪ねたのです。

数多くのビジネスを支えてきた田辺さんも「ドッグランを始めたい」と聞いた時は、正直驚いたそう。個人でドッグランを作るのは簡単なことではありません。いくつもの問題をクリアしてオープンできたとしても、はたしてお客さんが来るものだろうか・・・?

不安になる田辺さんでしたが、大嶋さんの熱意に負け、ドッグランオープンまで伴走し続けたのです。

一番の問題は土地の確保でした。
たくさん土地があるように思える釧路市ですが、ドッグランにできそうな土地はそう簡単には見つかりません。なんとか条件に見合う土地を探し、地主さんのもとに何度も足を運びます。そうして夢を語り熱意を伝え続けることで、ようやく貸してもらうことができたのです。

この地主さんは、今では大嶋さんの良き応援者になってくれているのだとか。

自ら土地を整備すること半年。ようやくドッグランのオープンにこぎつけました。

オープンから4ヵ月。
利用料金は1日1500円。SNSの登録者数は500人を超えました。

そして今、ここを訪れた犬や飼い主に変化が起こっています。

週に1~2回はここを訪れるという女性客とカンキチくん。
カンキチくん、一見普通のワンちゃんに見えますが、実はある問題を抱えています。

保護犬だったカンキチくんが、今の飼い主に出会ったのは1年前。
この日元気に走り回っていたカンキチくんですが、出会った当初は宅配業者や、庭先を通る車にもおびえ、家から出ることができなかったといいます。
今でも外での散歩はできないそうですが、ここに来ると安心するのか、うってかわって元気な姿を見せてくれるのです。

「飼い主さんが本当にうれしそうにしていて、カンキチが走ったとか言って喜んでいたんで・・・
ここでしかできないって言ってもらえると、本当にうれしいですよね。」

そう話す大嶋さんの目はすごく輝いていました。
大嶋さんのドッグランは、すでに犬と飼い主との関係を深める場にもなっているのです。

とはいえ、大嶋さんのドッグランは、まだまだスタートしたばかり。
サンドウィッチやコーヒーを出すカフェを併設したり、ドッグトレーナーの資格を目指したり・・・ドッグランとして軌道に乗せるまで、大嶋さんにはまだまだやらなければいけないことがたくさんあります。

このドッグランが釧路のワンちゃんと飼い主が関係を深める場に。
大嶋さんの新しい夢が実現する日まで、挑戦は続きます。

釧路周辺の中小企業のビジネスをサポートしてきた、釧路市編ローカルフレンズの田辺さん。
産業が衰退する釧路でも夢をもって挑戦する人を、これからもサポートしていきたいと熱く話します。

ちなみに、先ほどご紹介したカンキチくんですが、「帰るよ~」と飼い主さんに言われてから、逃げ回ること30分。最後は飼い主さんに抱えられて、ご覧のように「強制送還」されていきました。

そう言う私も、そろそろ札幌へと強制送還?される日が近づいてまいりました。

「ローカルフレンズ滞在記 釧路市編」
4週にわたって釧路市からお届けしてまいりました。いろいろな方にお会いする事ができ、日々驚かされることばかりでした。釧路市の皆さん、大変お世話になりました。そして、私は釧路市が大好きになりました!

帰りたくないよ~(^_-)-☆s


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