こんにちは!「ほっとニュース道央いぶりDAYひだか」道央担当リポーター、坂井里紗です。今、当別町では亜麻の花が見頃を迎えています。「亜麻色の髪の乙女」でもおなじみの亜麻です。この時期、町では亜麻を味わって楽しむイベントも開催されているんですよー!!亜麻づくしの7月の当別に行ってきました!!
町内の畑に伺うと、薄紫色の小さなお花が咲き誇っていました。多くの方がカメラを向けています。実は、花が見られるのは午前中だけ。午後になると、花びらは散ってしまうんです。

こちらは亜麻の茎からとれる繊維で、「リネン」と呼ばれるものです。この灰色がかったブロンドのような色がいわゆる「亜麻色」です。今回取材するまで私はてっきり「亜麻色の髪」のことを「亜麻の花のような薄紫色の髪」のことだと思い込んでいました…。

亜麻は明治時代から道内で盛んに栽培され、当別町には工場もありました。しかし化学繊維が普及したことで町内での栽培は途絶えました。それが2000年代になって亜麻の種からとれる食用油「アマニ油」に商品価値が見出され、再び町内で栽培が始まったんです。このオイル、健康志向の高い方から注目を集めているんだそうです。

「アマニ油」…聞いたことはありますが、口にしたことはないような…。皆さんはどうでしょう?そんな「アマニ油」を味わい尽くすイベントが「亜麻カフェ」です!!町内9つの飲食店で「アマニ油」や「亜麻の実」を使ったオリジナルメニューを提供しています。というわけで、早速、参加店へGO!

こちらのカフェで提供しているのは「当別産亜麻仁オイルの冷製パスタ」。アマニ油にレモン汁などを混ぜたオイルをパスタにあえ、トッピングとして亜麻の実がのっています。アボカド、トマト、それにオイルが爽やかさを引き立て、亜麻の実のカリッとした食感がアクセント。ほんのりとナッツのような香ばしさがあります。とっても夏らしくておいしかったです!!!!!

店は毎年「亜麻カフェ」に参加していて、この冷製パスタにはファンも多いんだとか。店の山田美穂さんはアマニ油を身近に感じてもらえるようなパスタづくりを心がけているということで、「家庭でもマネして作ってみよう」と思ってもらいたいと話していました。

カフェ&キッチンオフショア 山田美穂さん
「アマニ油は『生で摂取した方がいい』と言われています。なので、熱を使わず調理できるように、また夏なので冷たくさっぱり召し上がっていただけるように冷製パスタにしました。おいしくヘルシーに当別を知っていただくというのをテーマに作っています。町内の方はもちろん、町外からもたくさんの方に来ていただいて、当別の魅力を知っていただけたらうれしいです」
同じく「亜麻カフェ」に参加しているこちらのレストランでは、ランチセットのデザートで「亜麻」を楽しむことができます。

その名も「亜麻仁シフォン」。生地にはアマニ油と亜麻の実などを使っています。そこに当別産の黒千石大豆で作ったきなこを加えて作ったシフォンケーキです。きなこの素朴な味わいとアマニ油の香ばしさが掛け合わさって、とても上品な甘さに仕上がっています!!取材で撮影されていることを忘れてふつうに食べてしまいました。

レストランの有澤幸計さんは地元の素材を使っておいしいものを作りたいという熱い思いを語ってくれました。

レストランアリ 有澤幸計さん
「香り高くて特徴のあるアマニ油を使い、プラスアルファおいしくなるものということを考えて、今回きなこを使ったシフォンケーキを作りました。アマニ油や亜麻の実は地元当別ではすごく大事なものだと思っていますし、やっぱり地元のものを愛して使いたい。ぜひ来ていただいて、『アマニ油ってどんな味なのかな』『どういうものなのかな』っていうのを知っていただきたいなって思っています。」
「アマニ油」や「亜麻の実」はいろんなおいしさを引き立てる可能性を秘めた食材なんですね!そんな「亜麻」の魅力をおいしく楽しめる「亜麻カフェ」を立ち上げたのが、橋本俊彦さんです。町内でアマニ油を作る会社の代表をしています。

亜麻公社 代表取締役 橋本俊彦さん
「花畑を見た後に町内のカフェを巡ってもらうことで、食べることも見ることも同時に楽しめる企画となっているので、楽しんでいただければ幸いです。『亜麻で北海道を元気にしたい』というところからスタートしているので、当別町で亜麻が人と人をつなぐようなものになっていければなと思っています。」
取材後記
亜麻の花、本当に凛としていて、かわいらしい花でした。今回伺ったのは、大塚慎太郎さんの畑です。とてもやさしい方で、笑顔で丁寧にお花のことを教えてくださいました。大塚さんは、亜麻のほか、米や大豆、カボチャやニンジンなど幅広く栽培されています。数年前に亡くなったお父さんと一緒に作り始めた亜麻。昔の栽培方法などの記録は残っておらず、ほぼゼロから亜麻づくりを始めたといいます。種まきの方法や肥料の量などはすべて手探り。大塚さんは当時を振り返って「わかっている事実は昔作っていたということだけ。でも過去に作れていたんだからきっと作れるだろうって」と笑顔で話します。作り始めてからおよそ20年。今でも「亜麻は手のかかる作物」だそうです。それでも大塚さんは「息子にも誇れるよう長く作り続けていきたい」と愛おしそうに亜麻の花を見つめていました。町では7月いっぱい亜麻の花が見られるということです。

お伝えした「亜麻カフェ」、パスタもシフォンケーキもとってもおいしかったです!メニューを提供する期間は飲食店によって異なるので、それぞれの飲食店のSNSなどで確認してほしいということです。
今回紹介した以外にも当別は「亜麻」で盛り上がっています!7月9日には亜麻をテーマにしたイベント「亜麻まつり」が開かれました。こちらは毎年恒例のお祭りになっています。さらに町では「亜麻のふるさと当別活性化協議会」も立ち上がり、亜麻でドライフラワーや料理を作るワークショップなども開かれています。亜麻で広がる輪。ぜひ、見て食べてこの機会に当別で亜麻に癒されてみては♪
道央いぶりDAYひだか
坂井里紗
2023年7月13日
「夏を楽しむ」と言えば仁木町も負けていません!この夏、仁木町ではフルーツを「狩って」「飲んで」「走って」楽しめちゃうんです♪ぜひこちらも併せてお楽しみください。
この夏、仁木町のフルーツを食べて飲んで走って味わう。