NHK札幌放送局

道産水産物が食卓から消える? #水産クライシス

ほっとニュース ミニ

2020年2月18日(火)午後1時03分 更新

あなたの食卓から北海道の水産物が消えてしまう?そんな信じられないようなことが、ひょっとしたら起きてしまうのではないかと思わせる事態です。全国最大の漁業基地、北海道で豊富に取れていた秋サケ、サンマ、スルメイカ。ところがこうした水産物のどれもが、過去に例がないような不振に陥っているからです。どうして、こうした事態に直面しているのでしょうか。

スーパーでも異変が

今、魚売り場はどうなっているのか。札幌市西区にある大手スーパーを訪ねてみると、消費者は店に並ぶ水産物の異変を敏感に感じ取っていました。

買い物客
「イカは高くて買えない。ほかのお魚は仕方ないけれど、安い時に探して食べるようにしています」

実際に売り場を見てみると、例えば毎日のおかずに重宝される冷凍のスルメイカは、今シーズンは例年の3分の1以下しか並んでいないということです。

コープさっぽろ水産部のバイヤー・松本邦晃さんは、「冷凍スルメイカに関しては本来この時期、主となる魚のひとつなんですが、あまりにも高くなりすぎて売価自体が去年から言うと3倍近い価格になってしまった」と話していました。

コープさっぽろ・松本邦晃さん
「ないものはもうどうすることもできないので、その代わり、いま旬で取れてるものというものを大事に売っています」

品ぞろえになんとか知恵を絞っているようでした。

秋サケ、サンマ…主力が激減
消費者やバイヤーが感じているように、主な水産物の水揚げ量は軒並み激減しています。道がまとめた、去年の道内の水揚げ量は、「サケ」が5万トンとピークのほぼ5分の1で、ほぼ50年ぶりの少なさ。「サンマ」も2万3000トンとピークのおよそ8分の1。こちらも50年ぶりの不漁です。「コンブ」はじりじりと減少続きで1万3000トン。「スルメイカ」も1万1000トンと、どちらも過去最低の水準です。


こちらに挙げたのは、消費者にとってはどれも手ごろな価格で毎日の食卓に欠かせない水産物。一方、生産者にとっても、生産額が大きく、道内の漁業や関連産業を引っ張ってきた重要なものです。それだけに今の事態は、きわめて深刻と言わざるを得ません。

温暖化も乱獲も 原因は複合的

水産研究・教育機構によりますと、不振の原因には、1つ目にまず、取れる魚種の長期的な変動があります。ただ、これは過去にも大量に水揚げがあったマイワシが、ぱたりと取れなくなったような例がありました。今はさらに、2つめの理由として、温暖化など過去に例のない海の環境の変化で、魚が回遊する海域が大きく変わってしまい、日本の近くで取れなくなっていること。そして、3つ目に乱獲、魚の取り過ぎがあります。国内だけでなく近ごろは海外もこぞって魚を取り合っているからです。これらが複合的に絡み合っているとしています。

水産研究・教育機構 宮原正典理事長
「北海道は圧倒的に漁獲量を誇っている地域なので、漁獲の変動の影響も一番大きく受ける。そういう意味では、今は北海道にとって非常に危機的な状況が起こっているということが事実だ。水産業、漁業の大きさが他の都道府県に比べて明らかに北海道は大きい。その中で資源の回遊してくる魚の動向が非常に激しく毎年変わるので、なかなか関係者の人たちも対応が取れなくて困っているのではないかと思う」

宮原理事長は、「こういうことは多分なかったと思う。何か悪ければ何かいいものはあってそれでなんとなくうまく回っていたみたいなところはあったんでしょうが、軒並み悪くなってきてるということは、今までやってきた対応では足りないということだ」と話します。

早急な対策が必要になっています。

2020年2月17日放送

担当:小林紀博記者

北海道の水産業が危機に直面する中、各地の漁業基地はどう対処しようとしているのでしょうか。次回以降は、現場の動きをお伝えしていきます。

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