NHK札幌放送局

#シラベルカ2 「北海道はなぜ“北海”と略さないのか?」

シラベルカ

2020年4月14日(火)午後3時51分 更新

「シラベルカ」第2回に選ばれたテーマは、「北海道はなぜ“北海”と略さないのか?」。取材班は、北海道在住4か月の眞野記者と、高カメラマンの関西人コンビが担当しました。

道民のみなさんは?

眞野記者と高カメラマン。まずは、道民のみなさんはどう考えているのか聞いてみることにしました。
街の人たちからは、
「あまり考えたことはなかった。言われてみれば…」という意見がある一方、
「私も不思議に思ってた。言いにくいからじゃないだろうか『道』入れたほうがかっこいいしね」とか、
「私は北海でもいいと思うし、北海道でもいいと思うんですよ。
でも北海と言ったら、北の海と間違えるかもしれない」などといった意見がありました。


北海道庁の見解は?

北海道庁のホームページを見てみると、
「北海道は地名であると同時に、行政区分の呼び名でもあるので、『北海』と『北海道』という使い分けはありません」と書いてありました。

つまり、北海道は地名なので1つの単語であり、切り離せないと明記されていたのです。


英語では?

北海道には海外からの観光客も多いのですが、土産物を見てみると、
北海道のローマ字での表記は「HOKKAIDO」で、ほとんどが道(DO)まで書かれています。
海外では「HOKKAI」と略されることもあるのでしょうか?

アメリカ出身。北海道在住5年の英会話教室のコリン先生に聞きました。


英語でもHOKKAIDO

眞野記者「北海道は英語でなんと呼ばれるのでしょうか?」。
コリン先生「HOKKAIDOです」。
眞野記者「東京都とか青森県とかはどう呼ぶのでしょうか?」。
コリン先生「TOKYOとかAOMORIとか。県とか言わないのです」。

都道府県を英語で言う場合、青森県は、AOMORI Prefectureと県を表す単語をつけますが、北海道は、HOKKAI Prefectureとは言わないそうです。


言語学者に聞いてみると?

私たちは、新たな視点から答えを探ろうと北海道大学の教授で言語学者の加藤重広さんを訪ねました。

眞野記者「なぜ『北海道』は『北海』とは略さないのでしょうか?」。

加藤教授「文法的には『北海』と言ってもいいんです。でもみんな『道』と言いますね。長い言葉を略して短くすることを言語学的には、『切り株語』と言うんですけれど、北海道の場合は『道』だけが残ったということです」。

眞野記者「『道』だけが残るのには何か理由はあるのでしょうか」。

加藤教授「県の場合は『県』だけだとどの県を指しているのか分かりませんよね。でも、北海道は1つしかないので『道』と言えば間違えようがないんです。そうすると、『道』が最も単純で間違いがなく、『北海』という言葉をあえて使う必要がないということだと思います」。


キーワードは慣習化

さらに加藤先生は「慣習化」というキーワードを挙げました。
言語学の言葉ですが、分かりやすく言うと、多くの人が「道」を使ってきたため、それが定着したという説です。

北海と略される日が来る?

加藤先生は、もしかしたら、かつては「北海」が使われていた可能性もあると指摘した上で、将来的に道州制の議論が進んで、ほかにも「道」ができれば、北海道が「北海」と略されるようになるかもしれないと話していました。

「なぜ『北海道』は『北海』と略さないのか?」取材を通してさまざまな説があることが分かりましたが、私たちが今回、何よりも強く感じたのは、道民の方々の「北海道」という言葉への誇りと愛着。これに尽きると思います。


結果報告のショート動画こちら↓

放送の動画こちら↓


取材担当

札幌局 眞野敏幸記者(左)
市役所と遊軍を担当。
趣味は旅行。兵庫県出身。

札幌局 高伽耶カメラマン(右)
山岳カメラマン見習い。
趣味は本屋巡り。大阪府出身。


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