NHK札幌放送局

ひるナマトークスペシャル「まるで本物!?昆虫の彫刻」

ひるナマ放送記録

2021年7月20日(火)午後2時31分 更新

ゲストは、道北の音威子府村を拠点に活動する今注目の若手木工作家、福田亨(ふくだ・とおる)さんです。姿形も本物そっくりの昆虫の彫刻を制作する福田さんの職人技に迫りました。 

ここに写っているチョウやクワガタなど、どれも本物に見えますが、全て木で作られているんです。

もしかすると、皆さんも福田さんの作品を見たことがあるかもしれません。じつは先日、福田さんのSNSに投稿されたある作品が話題となり、一躍有名になりました。それがこちらです。

木で水滴を彫った制作途中の作品です。リアルに見える水滴は、一枚の木の板から作られています。
この投稿は、SNS上でまたたく間に反響を呼び、17万件以上の「いいね」が付きました。でも、主役は別にいるんです。完成した作品がこちらです。

作品名は「吸水」。「ヤマキマダラヒカゲ」というチョウが水滴から水を飲んでいるシーンです。
チョウの羽や脚、触角など全て木でできた彫刻です。

どのように繊細な昆虫を木で再現しているのか?福田さんに教えて頂きました。
まず、木で作りたい模様をかたどり、その模様と同じ凹みを彫りこみます。
この凹みに模様となる木片をピタッとはめ合わせ、平らにならします。この技法を「木象嵌(もくぞうがん」と言います。

これをギリギリまで薄く削り、立体的にしたのが福田さん考案の「立体木象嵌」です。
全て天然木の持つ自然な色だけで昆虫をリアルに再現しています。作品が完成するまでに1か月以上かかるんだそうです。

子供の頃から昆虫が大好きだった福田さん。高校と専修学校で木工の技術を学びました。その過程で昆虫をモチーフに彫刻作品を制作するのは、自然なことだったと言います。

その後、福田さんは、夢だった家具職人になるため、埼玉県にある家具工房で働き始めます。しかし、次第に「自分のモノづくりを見つめ直したい」という気持ちが強くなり、20歳で作家の道を選びます。これが転機となり誕生したのが「立体木象嵌」だったのです。

福田さんは、これまでの経験を活かし、木工家具に用いられる伝統の技を作品にも取り入れています。それが、釘を使わずに木材だけを組み合わせて家具などを作る技法「指物(さしもの)」です。
指物と昆虫の彫刻を組み合わせた作品をご紹介します。

作品名は「Mushikago」。子供の頃、肩から下げていたような虫カゴを指物づくりでデザインしています。カゴの中には、カブトムシ。捕まえた昆虫を色んな角度から観察していたというシーンを作品にしています。

指物づくりの違い棚と秋の情景を合わせた作品もあります。

作品名は「秋色」。シラカバの枝にとまっているのは、アキアカネというトンボです。違い棚を舞台にトンボの飛び交うシーンを表現しています。

「自然と人との距離感や関わり」をテーマに自分にしかできないものを追求し続ける福田さん。
これからの目標を聞くと「自分が納得のいくものをきっちりと作りたい!」そう話していました。福田さんの昆虫の彫刻は、国内だけでなく、海外からも注目されています。今後の活躍が楽しみです。
作品は、福田さんのホームページやSNSで紹介されています。ぜひ、チェックしてみて下さい。

【出演】木工作家 福田 亨さん

放送日 2021年7月1日(木)

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