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高齢者や障がい者もみんなで助かるためには?“避難計画づくり”をNHKが後押し!「地域ミーティングin洞爺湖町」

  • 2023年9月5日

災害が起きた時、ご高齢の方や障がいがある方など
「1人で避難することが難しい方」にどのように避難してもらうか?
それを考える第一歩になれば…と
NHKが去年から全国の自治体と連携して開催している
「地域ミーティング #みんなで助かるために」。

今月(2023年9月)洞爺湖町で開催し、司会を担当しました。

住民の皆さん、自治会長さん、1人での避難に不安があるという方、
ケアマネージャーさん、行政の担当者など約200人が集まりました。

福祉防災学がご専門の
同志社大学 社会学部 教授の立木茂雄さんにもお越しいただきました。

ディスカッションを通して具体的なアイデアが出てきました。
他の自治体でも参考になると思いますので、会の様子を共有します!

(1)1人で避難が難しい“要支援者”の「個別避難計画作り」が進まない現状

2011年の東日本大震災。
被災地全体の死者数のうち高齢者の死者数は約6割、
障がい者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約2倍に上りました。
その後の水害などの災害でも、
高齢者や障がい者など1人での避難が難しい方々(=要支援者)の犠牲が後を絶ちません。

要支援者それぞれに不安なことは異なります。
そのため、要支援者1人1人に対して個別に避難計画を立てることが大切です。

要支援者への「個別避難計画」の策定は、自治体の努力義務になっています。
ただ、要支援者自身が自治会などに個人情報を公開することに抵抗があったり、
支援者が集まらなかったりして、なかなか進まないのが実態なんです。

そこで、NHKが地域にお邪魔して、地域住民や自治体、専門家が集まるイベントを企画し、
高齢者や障がい者の避難計画づくりを後押しできないか?
「地域ミーティング」はそうした思いで行っています。

(2)それぞれの立場の不安を共有

洞爺湖町で懸念されているのは「有珠山」の噴火です。
20~30年の周期で噴火を繰り返している有珠山。
前回の噴火からことしで23年が経過し、いつ噴火してもおかしくない状況です。
そこで「有珠山噴火時、住民全員が避難することを考える」地域ミーティングを開催しました。

まずは、それぞれの立場での“心配なこと”“避難の際に不安なこと”を発表。
すると、こんな意見が出てきました。

自治会長
「地域にどれくらい支援が必要な方がいるのか把握できていない。いざという時に助けられるか心配」

83歳女性
「足が悪く1人での避難は難しい。娘夫婦と一緒に暮らしているが、1人になる日中の時間帯に避難することになると不安」

89歳女性
「目が悪く、夜は外の様子が全く見えなくなる。1人暮らしで誰に頼れば良いかわからない」

地域ミーティングでは、避難に支援が必要な障がい者やご高齢の方も参加して、
不安や悩みを直接お話いただくことを大切にしています。

住んでいる場所や状況、災害が起こる時間帯などによってさまざまな不安があることが分かり、
1人1人に合わせた避難計画の必要性を改めて実感しました。

皆さんのお話を聞くと、「“1人では”心配」と口にされていました。
それは「“誰かの手助けがあれば”不安は減る」ということでもあります。

(3)“誰一人取り残さない避難”のアイデア

そこで、次に行ったのがグループワークです。
“誰一人取り残さない避難”のためにそれぞれの立場で何ができるか、話し合いました。

▼住民「『避難行動要支援者名簿』があることを知らなかった。制度や取り組みへの理解を深めたい」
▼住民「どの一時集合場所にいけばいいか把握していなかった。まずは場所を確認し対策を進めたい」
▼住民「洞爺湖町は観光客が多い。自分のお店に来る観光客の避難も考えたい」
▼高齢者「1人でできることも多いが、いざという時は声かけをお願いしたい。それに対して感謝の気持ちを伝えたい」

さらに、ケアマネージャーさんからも具体的なアイデアが上がりました。

▼「ケアマネージャーが個別避難計画の作成に携わる」
▼「ケアマネージャーと地域の人が顔を合わせる今日のような会を増やし、定期的に情報共有する」

ケアマネージャーさんは、ふだん支援している方々のことはよくご存じですが、
地域とのつながりが必ずしもあるわけではありません。

一方で、自治会長さんたちは、
「避難時に支援が必要な人が、どこに、どれくらいいるのかわからない」という悩みを抱えています。

ケアマネージャー、支援が必要な高齢者や障がい者、そして地域の人たちが顔見知りになる。
そしてどんな支援が必要か?どんなサポートができるか?
そうしたことを平常時から想像することが大切だという気づきが生まれました。

これからもNHKでは「地域ミーティング」を開催する予定です。
道内の自治体の中で「ぜひうちでも!」と思ってくださった方、
NHK札幌放送局までお問い合わせいただけますと幸いです。

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