新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の加速に向け、全国では職域接種が本格的に始まりました。職域接種、十勝地方の状況はどうなっているんでしょうか。
職域接種も“前倒し”
帯広市の建設会社、宮坂建設工業では、去年夏に2回にわたり職域接種を実施しました。3回目の職域接種も実施を計画していて、当初は3月に実施する予定でした。

しかし、国からの前倒し要請を受けて、2週間早め、2月26日から実施することにしています。今回、接種を見込んでいるのは、社員や関連会社の家族などを含めて、およそ1500人です。道によりますと十勝地方での職域接種としては、最も早いということです。
宮坂建設工業 高道 伸 社長室長
「感染が学校や保育園、高齢者施設に広がっていて、皆さん不安になっています。感染予防や重症化予防に努めたいというニーズがいっぱいあるので、3回目も職域接種を実施することにしました」

減った職域接種 なぜ?
道によりますと前回、十勝地方では9つの企業や団体で職域接種が行われましたが、3回目では5つ少ない、4つの企業や団体が行う予定です。

今回、実施を見送った帯広畜産大学では学生が卒業などで入れ代わるため、必要な人数が集まらないことが見込まれ、実施が難しかったということです。
また、去年秋以降に接種を実施した団体などでは、職域接種を実施したとしても5月ごろが見込まれるため、自治体の接種時期と重なるとして3回目の職域接種を見送ったところもあるということです。
寒い時期の接種に工夫も
冬に行われる今回の職域接種では、前回とは違った対応も求められるといいます。宮坂建設工業で8月に行われた前回の接種では、会社の中庭にテントを設営して、接種を終えた人が待機できるスペースを設けていました。

しかし、いまは中庭に雪が積もっている上、寒さも厳しいため、社内の執務室を経過観察用のスペースとして使うことにしました。
さらに、冬場は顔の表面で体温を測定する機器の測定結果が低く出る傾向があることから、訪れた人に待機してもらうスペースを駐車場に新たに設け、数分間待った後に検温を行うことにしたということです。

宮坂建設工業 高道 伸 社長室長
「顔の表面で体温を測る場合、冬は空気が冷たいので、通常より低く体温がでる傾向がありますよね。正常な体温を測るのが難しいため、テントを設営して待機してもらおうと考えています」

その場でPCR検査も
また、十勝地方でも感染が急拡大している状況を受け、自宅で体調に問題がなかった人に対しても現場ですぐに検査ができるよう、PCR検査を行える態勢もとることにしました。

また、この会社では、これまで災害時のボランティアで炊き出しなどにも取り組んでいます。これまで培った経験が大勢の人を誘導しなければならない職域接種でも、動線の確保などに生かせているということです。
宮坂建設工業 高道 伸 社長室長
「万難を排してすべての職員で準備を進めています。職域接種を契機に地域の皆さんが接種率を高めてもらえればと考えています」

番組では新型コロナについて十勝の皆さんが感じる疑問やお悩みを取材しています。これって十勝ではどうなっているの?そんな疑問についての投稿も番組までお寄せください。
2022年2月15日放送

