NHK札幌放送局

大好きなウクライナへ 函館から平和への願い届ける

ほっとニュースweb

2022年3月15日(火)午後4時49分 更新

ロシアによる軍事侵攻を受けて深刻化するウクライナ情勢。
函館市で現地の伝統料理などを提供している女性がウクライナを支援するため募金活動を始めました。
(函館放送局 小柳玲華)

食を通して世界平和に

函館市の北見伸子さん。
2014年に市内でカフェを開きました。

ボルシチやピロシキ。
ロシアやウクライナなどの伝統料理を提供しています。

北見さんはウクライナを訪れて料理の技術などを学びました。
現地ではウクライナ人の友達もできたといいます。

北見伸子さん
「ウクライナは本当にすごくきれいで何を食べてもおいしくて楽しくて、きれいなところです。そういう私の中での明るいイメージがあのような、がれきとか戦車とかそういう戦争のシーンになってしまいすごいショックです」

深刻化するウクライナ情勢

2月下旬から始まったウクライナへの軍事侵攻。
北見さんは連日ニュースやSNSで知る現地の状況に、友人らの安否を気遣っています。

この日はウクライナからポルトガルに避難しているという男性と話しました。
男性はユーリ・ルツェンコさん。
ウクライナの首都キエフで生活していましたが2月上旬に妻と子どもとともに国外避難しました。

ユーリさんの家族は全員無事だといいますが、親戚や友人などの中には現在もウクライナにとどまっている人がいるということです。

ユーリ・ルツェンコさん
「戦争がウクライナにもたらすすべてが、こんなに悪いことになるとは思いもしませんでした。義理の両親など私のほとんどの親戚は砲弾の降る下で過ごしています。彼らは無事ですがみんな怖がっていて、論理的に行動できず、ただ自分の身の安全のことだけを考えています。ほかのことはすべて忘れているような様子だと思います」

店には嫌がらせも

さらに北見さんを悲しませる出来事が起きました。
ロシア料理などを提供する北見さんの店に嫌がらせとみられることが起きたのです。

ある日、ネット上の店の評価欄に突然2枚の写真が送られてきました。
ウクライナのものとみられるパスポートと兵士の遺体のような写真でした。
全国各地のロシア料理店などでも同様のことが起きているといいます。

北見伸子さん
「日本中のロシア料理屋さんに対してこの写真が送られていました。私の店にはコメントはなかったのですが、ほかのところは嫌がらせのようなコメントがつけられてあげられていました」

始めた募金活動

こうした中、北見さんはウクライナを支援しようと募金活動を始めました。

北見さんは「1週間で17万ぐらい集まりました。ほんとにビックリしました。函館のこの小さい店でこれだけ1週間で集まったというのはみなさんすごく心配しているし思いがあるなという気持ちでいます」と話しています。

中には、募金と一緒に手紙やメッセージを添えてくれる人もいるといいます。

ある手紙には「子どもに生きたいとか死にたくないとか言わせませんように切に願っています」と書かれていました。

集まった募金は現地で食料支援をしている団体などに寄付される予定だということです。

日常が戻る日を願って

北見さんの店のキッチンカーです。
「ミールニィミール」というロゴをつけました。

この言葉にはロシア語で「平和な世界」という意味があり、そこに英語を掛け合わせて「世界と平和の2つを食事でつなぐ」という意味を込めたといいます。

ウクライナへの軍事侵攻が続く中、北見さんは平和への思いをあらたにしています。

北見伸子さん
「国のけんかによって人間の心とか生活とか命が分断されるということはほんとにつらいことなので一刻も早く平和が訪れてほしいし、これ以上広がらないでほしいです。日常の中で食事をしたり話したり、そういうのを喜べる状況が早く戻ってほしいです。そしてまたウクライナに行ける日がきてほしいです」

〈取材した記者〉
小柳玲華 (函館放送局・放送部)
2020年入局。函館が初任地。警察・司法や災害を中心に取材。

ウクライナに関する記事のまとめページはこちら
札幌市在住のウクライナ人女性に聞いた

2022年3月15日


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