5月、安平町追分地区には、菜の花の黄色いじゅうたんが現れます。その美しい風景と菜の花を作り続ける男性の思いを取材しました。(室蘭放送局技術部 寺島幸久)
9軒の農家の作付けが始まり
安平町での菜の花栽培は、連作障害を予防するため、およそ10年前に追分地区の農家が作付けしたのが始まりです。
菜の花は8月に収穫され、種は「なたね油」として、花の“みつ”は「あぶら菜はちみつ」として町内の道の駅などで販売され、菜の花を絞った“かす”は稲作の肥料として利用されます。

作物でもあり観光資源でもある「菜の花」
あわせて約100ヘクタールの畑にひろがる「黄色のじゅうたん」、その美しい風景が話題となり「安平町の菜の花畑」が徐々に知られるようになりました。
見ごろは5月下旬から6月初旬で、畑一面に黄色のじゅうたんを敷いたような光景が広がり、訪れる多くの人を魅了します。

農家にとっては作物である菜の花は、春先は町の大切な観光資源にもなっています。

「見にきてくれた人を楽しませたい」 農家の思い
しかし今年は、開花の時期に合わせて開催されるはずのイベントが、コロナの影響で中止になりました。
安平町の農家・白石 守さんは、「せっかく見にきてくれた人を楽しませたい」と、トラクターで幌馬車を引く「トラクター遊覧」を始めました。

白石さん:本来であれば安平町の観光協会のほうでやる予定だったんですけど、イベントが中止になってしまって。ですが、幌馬車をお借りできるということになり、少しでもでも皆さんに楽しんでもらえたらなと思って始めました。
白石さんと仲間が準備を進め、今年も「幌馬車トラクター」が菜の花畑を走ります。


白石さん:コロナ禍でこれなかった人もいたと思うのでやって良かったです。来年コロナがおさまって、たくさんの人が来てくれることを願っています
取材後記
安平町の菜の花畑の風景ついてはそれほど知りませんでした。撮影のため現地に行くと、丘陵地に広がる黄色一面の光景に圧倒されました。ドローンを使い上空から見た景色のすばらしさは想像以上でした。白石さんは、追分地区の菜の花農家でつくる「北のなのはな会」のメンバーで、安平町の菜の花のことを広める活動しています。来年、もっと多く人が訪れてこの風景を楽しんでほしいです。(室蘭放送局 寺島 幸久)
2021年6月4日放送
