NHK札幌放送局

そっと背中を押してくれる ずーちゃんの一冊&ゆりなの一曲

ナナメの場

2022年4月21日(木)午後5時37分 更新

家族や友達とはちょっと違うナナメの関係の人たちとゆるーくつながり、 もうひとつの居場所を作ろうという「ラジオ #ナナメの場」。
「ずーちゃんの一冊」と「ゆりなの一曲」のコーナーでは、MCの二人がそれぞれ、「ナナメの場」リスナーのみなさんに今届けたい本と音楽を紹介しました。
放送日:2022年4月16日
(#ナナメの場 ホームページはこちら)

【ラジオ #ナナメの場 MC】
⽔野莉穂(ずーちゃん)

紅茶の喫茶店アグラクロック オーナー。2017年北海学園大学を卒業して半年後、生まれ育った恵庭市で喫茶店をオープン。“自分が好きなじぶんで居られるところ”を大切にした場づくりを通して、輪づくりをしている。今後は、田舎暮らしを通して、季節と暮らしながら遊ぶ場づくりを計画中。

まえだゆりな
北海道函館発のうたうたい。 つまづきながらもまっすぐに生きるうたをうたう。日本や海外の子どもたちとの曲作りワークショップ、演劇やダンスチームとのコラボなど、表現をすることの可能性に挑戦。2018年車で日本一周”my way tour”、2019,2020年度NHKほっとニュース北海道ED曲担当。

【進行】
芳川隆一アナウンサー
(NHK札幌放送局)


ずーちゃんの一冊:石田衣良『明日のマーチ』

芳川アナ:
つづいては「ずーちゃんの一冊」のコーナーです。本が大好きというずーちゃんに、おすすめの一冊を紹介してもらいたいと思います。ずーちゃん、今回はどんな本を選んだんでしょうか?

ずーちゃん:
今回は石田衣良さんの『明日のマーチ』という小説を選ばせていただきました。
これは、2014年、ちょっと前に出た小説なんですけども、小説の内容としては、派遣切りにあった4人の男の子が、その派遣切りにあった山形の工場から、明日からやることもないし東京まで約600キロ歩いて帰ろうっていう話なんですけども。

解雇通知が貼られた掲示板をぼーっと眺めるところから物語は始まるんですけど、そこで見てた無口な大柄な男の子が「俺はもう、東京まで歩いて帰るよ」みたいな感じで言って、その周りにたまたまいた3人の男の子がみんな「何言ってんだこの人」と思うんですけど。
とはいえ本当に何もやる事はないし、お金もないし、1日だけ付き合ってみるか、じゃあ一緒に行くよみたいな感じで旅が始まるんですよね。

最初は本当にその3人は全然乗り気じゃなくて、ついて行くよみたいな感じで始まったんですけど、その旅で見る景色だとかが、すごく今までの自分にはなかったものだってなって、そのまま旅にくっついて行っちゃうんですけど。
そうやって始まった4人だけの、ただただ「まぁ、歩いて帰るか」っていう思いから始まった旅が、いつの間にか大きくなっていくんですね。

4人のうちの一人が、その旅の日記をずっとブログで配信していたんですね。
そうすると、いつの間にかそのブログがすごく人気になって、どんどん知っている人が増えて、メディアから取材が来たりとか、行政の力が加わったりとかして、日本の一大ムーブメントみたいな感じになるっていうお話なんですけど。
その4人の男の子はただ東京まで歩いているっていうだけなんですけど、「派遣切りにあった人たちの象徴だ!」みたいな感じに扱われて、すごいスターみたいな感じになったりとかしてっていうのが結構面白かったりもするし、でもそれぞれ一人ひとりのエピソードがあって、一人ひとり抱えているものがあって、いろいろな物語が交錯していくんですけども。


小さな想いが大きな物語につながっていく

ずーちゃん:
今までラジオを通していろんな人の「ナナメの場」の作り上げた物語を聞いたときに、すごい大きなことを成し遂げようと思って、最初から社会のためにこんなことをやるぞっていう大きな目標があって始めたっていうよりも、本当に隣にいる人をちょっと幸せにしたいからとか、出会った子がこんなこと必要としてたからみたいな、そういう本当に小さな想いから、気づけば大きな物語になっていて、色んな人が巻き込まれて巻き込んでいって、そして行政の人が協力してくれてっていう風に広がっているお話を聞いて、「あ、何かこの物語とすごい似てるなぁ」と思って。

だから、さっきともちゃんの話にもあったけど、場所作りしたいぞーって思った時に、「でも私なんてそんなできるもんじゃないかなぁ」って思ってたって話もしてたんですけど、これから始めたいって人にとっては、やっぱり場所を作る人ってすごいなぁ、ずっと前から計画していたんだろうなぁとか、すごい大きなバックがあるのかなぁとか、いろんな「自分とは違うんだろうなぁ」みたいな想像から入ってしまうことって多いと思うんですけど。
実際はそんなことなくて、気づけばこうなっていた、気づけば仲間が増えてたみたいなことでできるんだなぁっていうのに、すごく話を聞くたびに力をもらっていて。

今日来てくれているさくらちゃんとゆいちゃんも、おしゃれなカフェをやりたいって思ってたっていう、本当に自分の好きっていう想いだったのが、いつの間にかこんな風に、本当にその場を必要としている人たちの力になっていたっていう、結果としてそうなっていたいう物語がすごく素敵だなぁと思っていて。

この物語は、行政の力とかがどんどん加わってきて、ちょっと窮屈になったりとかはするんですけど、やっぱり自分が大切にしていた想いを大事にしようみたいなところも物語の中で語られているところがあって。
始める人にとっては、そういうみんなの話って勇気がもらえるなぁと思うんですけど、今、実際に始めている人にとっては、やり続けてたらいつの間にか自分の計り知れないところまで大きくなっちゃってるみたいなこととかもあると思うんですけど。
それでもいろんな意見もあるしいろんな人の考え方あるけど、なんか迷った時は自分が一番大事にしていたことに立ち返っていいんだなぁって、勇気をもらえるような、そんな小説です。

芳川アナ:
何かを始めている人ってきっと私なんかよりもずいぶんすごいんだろうなぁと思いがちだけど、そんなことも必ずしもないんだよって思える一冊ですね。
ここまで、「ずーちゃんの一冊」のコーナーをお送りしました。


ゆりなの一曲:新曲「金色の夢」

芳川アナ:
つづいては、うたうたいのゆりなさんがオススメの一曲を紹介する「ゆりなの一曲」のコーナーです。さて、今回はどんな曲でしょうか?

ゆりなさん:
今回は、私の新しい曲を生演奏しようと思うんですけど、今お話を聞いた寺尾紗穂さんの「楕円の夢」という曲からもインスピレーションを受けて作った曲になります。

寺尾さんのライブを一度見た時に、この曲を聴いてすごく感動したんですね。
ちょうど私その時、精神的にも参っていて落ち込んでいて、歌うってどういうことだろうとすごく自分がふさがっていた時期で。その時に寺尾さんのこの歌を聴いて、「そうか、楕円でいいんだ」と。正しい真ん丸じゃなくても、あいまいな、いろんな丸があるよっていう曲になっていて。
この曲の中では、つまづいて落ち込んでいる様子が1番で描かれていて。でも2番には、一歩踏み出して羽ばたいている様子も描かれているんですね。ぜひ一度聴いてみていただきたいんですけど。

その時、私はこの曲からパワーをいただくことで精いっぱいだったんですけど、今ちょっと抜け出して振り返った時に、しんどかった時のことを思い出して書いたのが「金色の夢」という曲で。金色ってぼんやりしてますけど。
しんどい時って、暗い夢ばっかり見ちゃうんですよ。精神的に追い込まれている時。でも、一歩ふみ出したら、好きな人に会える夢を見たりとか、そういう夢が見られるようになったり。
そういう、沈んでいる人にぜひ聴いてもらいたいと思って書いた曲を歌いたいと思います。

♪金色の夢/まえだゆりな


ずーちゃん:
素敵すぎる…。

芳川アナ:
よかったなあ。辛い時って、どんどん辛いことが重なって、自分が辛い状態が辛いことを呼んじゃうこともあるのかもしれないけど、そこに何か、一歩踏みとどまろうと思える何かがあればいいなって。

ゆりなさん:
そうですね、しんどい時って、でも振り返ってみたらそのおかげで今があるなって思うので、本当にしんどい思いをしている人にも、なんとかぐっと頑張ってほしいなって思います。

芳川アナ:
しんどい時にどんな夢を見られたらうれしいだろうな。自分にとっての金色の夢って、人それぞれだよね。

ゆりなさん:
そんなお話も聞いてみたい。

芳川アナ:
今日のゲスト寺尾紗穂さんの曲「楕円の夢」を聴いて、そこから考えを温めて温めて、ゆりなさんが作った一曲「金色の夢」を聴いて頂きました。「ゆりなの一曲」のコーナーでした。


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