NHK札幌放送局

#3 釧路の発展を支えた父 自然に心引かれる直行少年

ほっとニュースぐるっと道東!

2022年7月22日(金)午後5時47分 更新

釧路で生まれ、十勝の原野を開墾しながら絵を描き続けた画家・坂本直行(1906~1982)の足跡を辿るシリーズ「山と原野とスケッチと」。北海道の山や草花をこよなく愛し描き続けた“チョッコウさん”は、どんな人生を歩んだのか。生涯で1000枚以上描いたともいわれる「原野と日高山脈」の絵には、どんなメッセージを込めたのか。毎月放送のシリーズで直行さんの魅力に迫ります。

前回、「日露戦争をきっかけに釧路へ向かうことになったのです」で終わって、「え?そこで終わり?」と思ったみなさん、失礼しました。そしてお待たせしました。今回はその続きです。弥太郎が「木材界の巨人」と呼ばれた由縁が少しでも伝わればと思います。
シリーズ3回目は、直行さんの父・弥太郎と少年時代の直行さんのお話です。弥太郎が、釧路で一体どんなことをしていたのか? 直行さんはどんな少年だったのか? 地元のみなさんの力を借りながら調べてみると、釧路の発展とゆかりのある親子の歩みが見えてきました。


【担当ディレクターの取材メモ #3】

今回の取材の舞台は釧路だったのですが、実は当初、取材が難しくなるのではないかと思っていました。というのも、弥太郎や直行さんが釧路にいたのは明治38年から大正3年までの9年だけ。しかも何度か火事が起きて、町や人が入れ替わっている。さらに、今、親族や知り合いが暮らしているという情報もない・・・。途方に暮れかけていた僕を救ってくれたのが、VTRにも出て頂いた柴田哲郎さんでした。柴田さんは、「釧路地方の地名を考える会」という地元の研究会に入っていて、長年、弥太郎や坂本家のことを調査しています。その調査で大活躍しているのがVTRでも紹介した「釧路港実業家名鑑明細全図」だそうです。この地図、今から100年以上前の明治43年に作られたもので、当時の実業家の名前が網羅されています。これをつぶさに調べていくことで、弥太郎の会社があった場所や通っていた教会の場所まで特定でき、そこから当時の様子を調べる手がかりが次々と見つかったそうです。

柴田さんにお借りした地図に、いろんな場所を書き込んでみました。
弥太郎がいた当時、幣舞橋の南側(現在の南大通)の方が栄えていたそうです。弥太郎がいたのは、幣舞橋の北側(現在の市役所の近く)で、当時はわりと空白が多い場所だったそう。
ちなみに昔の釧路駅があったのは、現在のプリンスホテルがあるあたり。
木材輸出の桟橋があったのは、MOOの前あたりのようです。
古地図好きな方、ぜひ一度見てみてください。

地図の裏側は広告になっています。当時の釧路の賑やかさがうかがえますね。

もう1つ、ご紹介したいのが、坂本龍馬に関する遺品のお話です。(柴田さんが弥太郎のことを調べている理由の1つでもあるそうです)#2で、弥太郎が坂本家に婿入りした話をしましたが、その後、坂本家の遺品を管理していたのが弥太郎でした。ところが、大正2年に起きた大火事(西幣舞大火というそうです)で家が焼けてしまった時、その遺品の一部が焼失してしまったそうです。そのことがあったからか、弥太郎は昭和6年、龍馬関係の遺品を京都の国立博物館に寄贈しています。ちなみに去年12月、室蘭で「坂本龍馬の愛刀の押形を確認した」というニュースがありましたが、あれも弥太郎が火事で焼けた刀を修復するために依頼したと言われています。
釧路の発展に貢献した弥太郎ですが、坂本家や龍馬の遺品を後世に残すということにも尽力した人なんですね。
次回からは、いよいよ直行さんの話に入っていきます。

2022年7月22日

「直行さんに会ったことがある」、「直行さんのこんなエピソードを知っている」、「番組を見てこんなことを思った」、「こんなことを調べてほしい」、「直行さんに影響を受けて絵を描き始めた」など、みなさんからのおたよりをお待ちしています。
こちらの投稿フォームからおねがいします。

「山と原野とスケッチと~坂本直行さんをめぐる旅~」まとめページへ

過去のエピソードはこちらから
#1 学芸員が語る 直行さんの魅力
#2 大志抱いた父 運命のめぐり合わせ
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