NHK札幌放送局

NHK北海道の中の人たち 「NHK高校放送部」 座談会【前編】

デジタル戦略チーム

2021年3月30日(火)午後5時05分 更新


「NHK高校放送部」は、道内の高校生たちの活躍を、全道へと発信するプロジェクトです。北海道ローカルのニュース・情報番組「ほっとニュース北海道」内で不定期放送を行うほか、公式Webページなどでの情報発信も行っています。立ち上げの経緯から、作り手としての熱い想いまで。5名の「放送部員」が語ります!

まずは、5名のプロフィールを簡単にご紹介します。

オールマイティーなリーダー格
部員 鈴木 遥
■普段の業務:アナウンサー
■局歴:2009年入局(高知放送局→大分放送局→札幌放送局)
■出身地:千葉県
■所属部署での業務:ニュース・中継担当。「北海道まるごとラジオ」の番組デスク・MC
■NHK高校放送部で担当した主なプロジェクト:「RADIO SHINRO」
■趣味・特技:ダイビングガイドの資格を持っています。音楽も得意で、テレビやラジオの番組テーマ曲の作曲経験があります。
頼れる「番組づくり」のプロ
部員 川畑 真帆
■普段の業務:番組制作ディレクター
■局歴:2017年入局。報道局国際番組部(2017年)、札幌拠点放送局放送部報道番組(2018年〜)
■出身地:京都府
■所属部署での業務:「北海道道」「ローカルフレンズ出会い旅」「北海道スペシャル」などの番組制作
■NHK高校放送部で担当した主なプロジェクト:北星学園余市高等学校「落語研究会」、大通高校「ミツバチプロジェクト」、上士幌高校「熱気球部」
■趣味・特技:中学生からトランペットを始め、現在は札幌市の市民吹奏楽団に所属しています。また、学生時代は、難民問題を多くの人に知ってもらう活動を行う学生団体に所属していました。
新たな能力、絶賛発揮中
部員 内山 航太朗
■普段の業務:編成
■局歴:2019年入局後、札幌放送局で勤務
■出身地:神奈川県
■所属部署での業務:スポーツ番組の編成・著作権担当
■NHK高校放送部で担当した主なプロジェクト:恵庭南高校「男子新体操部」、石狩南高校「図書局」、北見市「トランポリン大会」、大通高校「ミツバチプロジェクト」、「RADIO SHINRO」
■趣味・特技:小学校〜高校はサッカー部、大学ではヨットサークルに所属していました。
クールに見えてホットな男
部員 船水 陽介
■普段の業務:技術
■局歴:2019年入局後、北見放送局で勤務
■出身地:北海道石狩市
■所属部署での業務:番組・ニュースの送出業務。中継での撮影・音声業務。大規模工事の設備担当。
■NHK高校放送部で担当した主なプロジェクト:北見市「トランポリン大会」、「RADIO SHINRO」
■趣味・特技:特技は剣道です!また、趣味でたまに写真撮影を行っています。
情に厚く、チャレンジ精神旺盛!
部員 甲田 うてな
■局歴:2019年入局後、札幌放送局で勤務
■出身地:東京都
■所属部署での業務:「NHKのど自慢」「新・BS日本のうた」「おかあさんといっしょ宅配便 ガラピコぷ〜小劇場」などのイベント運営を担当。
■NHK高校放送部で担当した主なプロジェクト:富良野高校「少林寺拳法部」、北星学園余市高校「落語研究会」
■趣味・特技:映画・音楽鑑賞が趣味です。学生時代は、YWCAという団体で子ども向けイベントの企画運営を行っていました。


それでは座談会スタートです!


Q:まず、「NHK高校放送部」の取り組みについて、簡単に教えてください。

川畑:「NHK高校放送部」は、NHK職員が架空の高校「NHK高校」の放送部員という設定で、北海道各地の高校生を取材し、活躍を伝えるプロジェクトです。Webサイトのフォームから届く「部活動を頑張っています」「面白い取り組みをしています」という高校生からの投稿や、「生徒たちが頑張っているので取材に来てください」という先生の投稿をもとに取材を行うほか、日々の取材の中で「これはぜひ伝えたい!」と思った高校などを深掘りして取材しています。

内山:プロジェクトが本格始動したのは2020年の夏。お伺いした高校はこれまでで15校ほどです。放送を軸に、公式Webサイトやイベントなど、さまざまな方法で高校生の頑張りを発信しています。

鈴木:複数のデザイン会社に参加してもらいデザインコンペし、プロジェクトのオリジナルロゴやキービジュアルもつくったんです。力の入れようがわかるでしょう?

甲田:高校生の皆さんに「かわいい〜」といってもらえることが多くて、そこから会話も弾むので、「つくってよかった!」と思っています。

Q:では、プロジェクト立ち上げの経緯を教えてください。

鈴木: 2020年に、NHK北海道全体として、必要とされる公共メディアのありかたや、自分たちの働き方について考える機会がありました。その時に多く出たのが、「もっと地域との結びつきを強めたい。北海道に役立つ存在でありたい」という声でした。では、それをどう実現するか。検討の中で自然発生的に生まれたのが、「北海道の未来を担う若者たちの応援企画」でした。

川畑:偶然、その時期に新型コロナウイルス感染拡大という事態も起こりました。高校生にとっての晴れ舞台である、部活の大会やコンクールなどが影響を受け次々と中止になりました。私が学生時代から吹奏楽に打ち込んできたこともあり、「自分が高校生だったら、どんな気持ちになっただろう……」と胸が痛みましたね。でも、そんな状況下でも新たに目標を立て頑張っている高校生たちがたくさんいました。その輝きにぜひスポットを当てようと、プロジェクトが動き出しました。

Q:番組制作などに携わる「部員」は何人いるのですか?

鈴木:トータルで十数人の「部員」がいます。全員、プロジェクト専任ではなく、他業務との兼任なので、番組制作に関しては各自の状況によって参加するかを決めます。できるだけ「この企画にぜひ!」という熱意のある人を優先しています。

内山:番組制作の流れですが、まず取材先高校の決定、事前取材、番組構成づくりを行います。そしてスケジュールを立てロケ敢行、取材・撮影を行い、撮影後に番組構成を再検討しつつ編集作業……という流れで、基本的に合っていますか?

川畑:うん、ばっちり!

内山:よかったー!(笑) ……というのも、私が普段行っている編成という仕事は、どの番組をどの時間帯に放送するかを決めたり、提案された番組を採択する仕事で、番組制作そのものにはほとんど関わらないんです。私は、NHK高校放送部が初の番組制作現場でした。

甲田:私もイベントの企画運営を普段は担当していて、内山さんと同じく、このプロジェクトがなければ番組制作に関わることは当面なかったと思います。船水さんは技術として撮影も担当するから、取材現場に立つことは元々ありましたよね?

船水:でも、構成の段階など一から関わることはあまりないので、すごく貴重な経験ができています。鈴木さんや川畑さんなど、普段から番組制作をしている先輩たちは、やっぱりすごいと実感していますね。

内山・甲田:(深く頷いて)わかる〜〜!

川畑:そう言ってもらえるとうれしい(笑)。でも、決まった人が上に立つのではなく、取りまとめ役になった人が中心となって、みんなで相談したり考えながら構成や取材を進めていくのがこのプロジェクトのスタイル。私や鈴木さんは、通常業務と相通じる業務が多いから、その視点からのアドバイスをしているだけなんです。局歴関係なくみんなが意見を出し、職種横断的に役割を担って実現へと動く。それがNHK高校放送部の特徴であり、魅力ですね。

Q:放送やWebで発信した後の、高校生からの反応はいかがですか?

鈴木:体感にはなるのですが、取材させてもらった高校生たちの心はつかめていて、見てもらえているという手応えはあります。やっぱり、自分や友達、家族が取り上げられると、テレビとの距離は近くなりますね。みんなはどう感じていますか?

甲田:私、取材の際に、高校生にNHKのイメージを聞いたことがあるんです。その時は「ニュースなどの真面目なイメージ。親が見ていたら見るけど、自分からは見ない」って言われました。でも、取材後にはNHKの番組を見るようになり、さらに親戚や友達に広めてくれたりもしてくれているようです。NHK北海道、そしてそこで生まれる番組などは、決して高校生にとって遠い存在ではないのだとプロジェクトを通じて実感しましたね。

船水:そうですね。 NHKって「やわらかい」ところ、高校生に楽しんでもらえる情報も、実はたくさんあるじゃないですか。いろんな発信をし、いろんな活動を、見て、聞いて、知ってもらいたい。高校生の皆さんに「得したな!」と思ってもらえたら私たちもうれしいし。

川畑:放送への反響だけでなく、取材で高校生と接することで、今の高校生ならではの価値観、自分の中にない価値観に触れることができます。思ってもみない反応が返ってくると、それはそれで面白いし、学びになりますね。

鈴木:NHK北海道は全道各地に局があり、その土地のことを知っている人が制作に参加できるという「地の利」がある。北見で開催された、「中学・高校生トランポリン競技特別大会」を取材した時には、北見局の船水さんにいろいろと調整してもらい、撮影もしてもらいました。そうした強みをどんどん生かして、高校生との出会いをもっと広げていきたいですね。

船水:あの取材が、私のNHK高校放送部デビューだったんですよ……涙なしでは語れない撮影でした……。


気になる取材時のエピソードあれこれ、そしてさらなる野望・展望……話はまだまだ広がりますが、前編ではここまで。後編も、お楽しみに!

座談会後編はこちら



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