NHK札幌放送局

「基礎疾患」って? シラベルカ#44

シラベルカ

2021年3月16日(火)午後4時49分 更新

皆さんの疑問をもとに取材する「シラベルカ」。 今回、取材チームに、次のような投稿が寄せられました。

札幌市在住・50代女性
「新型コロナ関連のニュースでよく耳にする、『基礎疾患』とは、どんな病気を指すのでしょうか。私は呼吸器系の手術歴があります。持病という認識はありませんが、家族から『基礎疾患ではないのか』と言われます。調べてみてください」

新型コロナウイルスのワクチン接種で、優先して接種が行われる対象にもなっている「基礎疾患」。どのような病気や症状を指すものなのでしょうか?


街の人たちに聞いてみた!

まずは、街の人たちに、聞いてみました。
「基礎疾患って何だと思いますか?」

「うーん、わからないです」
「難しいな、ちょっと思いつかないです」
「ぜんそくのような症状がある人が当てはまるのかな…」

確かに、皆さん、基礎疾患と言われても、具体的にどんな病気や症状のことを言うのか、分かりませんよね。


厚生労働省の定義は?

国は、どう定義しているのでしょうか。厚生労働省のホームページに、「ワクチン接種の順位で上位に位置づける基礎疾患」として、具体的な病名や症状が挙げられています。

慢性の呼吸器の病気、慢性の心臓病、慢性の腎臓病、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群まで。肥満の程度を示す「BMI」が30以上の人も対象とされています。

改めて、この一覧表を示しながら、街の人たちに聞いてみると。

「糖尿病も入るんですね」
「高血圧とか、当てはまる人、多そう…」
「太り気味なので、BMIはちょっと心配です…」


投稿者の女性は「基礎疾患」?

さて、今回、投稿を寄せてくださった女性は、「基礎疾患」ということになるのでしょうか?
女性は、これまでに「肺気胸」で4回手術。今は完治していて、1年に1回の検査を受けている程度で、薬を飲んだりはしていないということです。
女性が「基礎疾患」にあたるのか、専門家に、直接、聞いてみました。

感染症を専門としている札幌医科大学の横田伸一教授です。

女性が「基礎疾患」にあたるのか、早速、聞いてみると…。

札幌医科大学・横田伸一教授
「非常に難しいのがですね。病名だけでは決められないということなんです。個々の事情というのがあるでしょうし、呼吸器以外のところのいわゆる体質といったものもあると思いますので、そうしたものを、トータルして判断してもらう必要があると思います。まずは、医師に相談するのがいいと思います」

基礎疾患にあたるのか、個別の判断は、実際に医師の診察を受けなければ難しいということでした。横田教授は、自分が「基礎疾患」にあたるのか、不安や疑問がある人は、まずはかかりつけ医に、かかりつけ医がいない場合は近くのクリニックなどに相談することが大切だと話していました。


不安の声も…

この「基礎疾患」。取材を進めると、新型コロナウイルスのワクチンが、もともと抱えている病気に影響を与えることはないのか心配する声も聞かれました。

弟が「高血圧」で通院中だという男性は。

男性
「高血圧といっても、どこからが基礎疾患にあたるのか分からないですよね。たとえば、血圧が140だったら打ったほうがいいとか、打たないほうがいいとか、そういう数値の基準みたいなものを知りたいです」

この疑問、横田教授に聞いてみました。

横田教授
「ワクチン接種に関しては、数値で、どれ以上、どれ以下、という指針は出ていないはずです。ですから、具体的に接種の時期が決まったころに、そういった指針が提示されるのではないかと思っています」

まだ具体的な数字というのは示されていないのですね。


「基礎疾患」への影響は?

一方、親戚が腎臓病を患い入院中だという女性は、ワクチンが親戚の持病に与える影響を心配しているといいます。

女性
「病気で体も弱くなっていると思うので、ワクチンを受けたことによって悪化しないかとか、気になります」

これについては、どう考えたらよいのでしょうか。

横田教授
「体力が落ちている方、免疫がすごく落ちている方、“超高齢者”といった方たちには、ワクチン接種のリスクは、若干あるだろうと考えられます。これも医師と相談の上で、接種するかどうか、決めてもらうことになると思います」

横田教授によると、ワクチン接種が、持病に影響を与えるリスクはないわけではないということです。しかし、新型コロナウイルスに感染して重症化するリスクに比べれば、そのリスクは低いと考えられるということでした。

横田教授
「このワクチンは、非常に高い効果があることが分かってきています。ただ、まだまだ分からないことも非常に多い。決して、『ゼロリスク』ではありません。まずは、ワクチンを打つ直前ではなく、今のうちから、自分の体の様子を知り、そして、医師とも相談してリスクについて正しく理解した上で接種するかどうか判断する、これがとても重要なことだと思います」


ワクチン接種へ向け、大切なこと

ワクチンの接種は、現在すでに、医療スタッフや救急隊員などを対象に始まっています。4月からは65歳以上の高齢者への接種が始まる予定で、その次に、「基礎疾患」のある人への接種が予定されています。

「基礎疾患」のある人への接種については、まだ具体的な時期は示されていませんが、横田教授が話すように、今のうちから、かかりつけ医などに相談し、自分の体について理解しておくことが大切だと感じました。

札幌局 竹村知真記者 小松大祐ディレクター

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