NHK札幌放送局

【第2座・利尻山】放送記録①登山開始!の巻『神田山陽のうんちく百迷山』

北海道まるごとラジオ

2021年10月13日(水)午後6時38分 更新

『神田山陽のうんちく百迷山』。コロナ禍でも密にならないレジャーとして登山が人気ですが、緊急事態宣言が各地で延長(2021年9月12日現在)。地域間の移動を伴うレジャーが難しい状況が続いています。そんな中だからこそ、音声で登山気分を楽しんでもらおうという番組です! 

春(5月)の放送に続いて、2回目。今回の山は、「利尻山」です。

講談師の山陽さんが自ら登った山について、 山で見つけたもの、素敵な風景などを名調子でお届け。今回も、現場の音声とともに、皆さん一緒に登山気分をお楽しみください。利尻ならではの「音の風景」や、利尻山から派生した「うんちく」も飛び出しますよ!

講談師 神田山陽さん!(オホーツク海側・大空町出身)

MCは鈴木遥アナウンサー佐藤千佳キャスターです。

さて、今回の山は、「利尻山」。

山陽さん:百名山をいろいろ登った中でも、憧れの山ですよね。最北端の山。私、実は10年前に、一度、途中で引き返してるんですよ。何十年に一度っていう大風の中で、引き返さざるを得なかったんで、この度、二度目!今回は特に、思い入れの強い、その分聴いているあなたは「それがどうした?」と言いたくなるような、うんちくがずらずらと並びますので、乞うご期待!

✉️「待ってました!山陽さん!(新聞の)テレビ欄に山陽さんの名前を見つけ、とてもワクワクしています!山と、講談。まさに個人的には夢のタッグマッチです!楽しい山番組、心から期待しています。」

✉️「コロナ禍に加え、猛暑、大雨と、山に行くどころか散歩もままならなかったこの夏。今日は神田山陽さんのエスコートで、咲き誇った花々の中、心地よい風に包まれて、利尻に行った気分になります!」

山陽さん:なんか、身に余る励まされ方をしてしまって…ちょっと今から登らなきゃ(笑)

※この番組は、緊急事態宣言がでる前に、ロケを行いました。関係者全員がPCR検査を受けて、現地に入りました。移動は車で。なるべく人との接触を避け、消毒を徹底しながら、島での取材、利尻登山を行いました。

そして放送も、パーティションも立てて、出演者それぞれが手を広げても届かない距離、マスクを着用で、のぞみました。

・・・

まずは、利尻山のプロフィールをご紹介しましょう。

【利尻山】
・稚内からフェリーで50分ほど。日本海に浮かぶ利尻島。
その中央にそびえ立つ、最北の独立峰が「利尻山」です。
・利尻島は島全体が山。島のどこからでも山がよく見えるし、山からは、ふもとから海岸線まで、とてもよく見えます。
・深田久弥さんの「日本百名山」に一番目に掲載されている。標高1721メートル
・高山植物も豊か。島の固有種もたくさん!
・例年8000人が訪れる人気の山です。

出発!時間はなんと…?

では、さっそく登り始めましょう。山陽さんが出発したのは、午前2時!

前回の恵山の4時出発でも驚きましたが・・・さらに早い!この時間に登り始めるのには、理由があるんです。では、登山スタートです。講談調の音声、期間限定で公開です!(再生できない方は、テキストでどうぞ。)

【登り始め~6合目・第一見晴台】
おはようございます。とはいえ真夜中でございますが、登山口へ行ってまいりました。
満天の星空ですから天気は間違いありません、私にさえ間違えがなければ、無事山頂にたどりつくはずです。こうご期待!
 《♪鳥の声》聞こえない?ほら鳥の鳴き声をさ。フクロウですね。
《♪水の音》
ここが、甘露水です。名水の噂の高い、利尻山がろ過した名水を!
あー、冷たい!気持ちがいい。冷蔵庫で冷やした水じゃない、こう冷え加減というんですかね。
こういう違いが、分かる感覚を持ち続けたいですよね。
おー、開けた!開けました。6合目、第一見晴台です。
鴛泊の港が見える。あ~、明るくなってきたぁ!ああ、いや、早起きしたかいがありましたね。
もう、一日晴れるのを約束されたような、朝焼けですね。ここから、ハイマツの中を行くんだ。
ちょっと変わりますね。今までと。木の感じがいっぺんに。あ~美しい。

鈴木:いや~、きれいな光景が、深夜の、未明からありましたね。

山陽さん:ちょっと年になってきて、早起きになってきたんですけど、さすがに午前2時起きっていうのは、辛いところがあったんですが・・・(笑)。いっぺんに眠気が飛びましたね、この朝日で。朝日を眼下に見るってなかなかないじゃないですか。高層マンションに住んでいる方は別かもしれませんけれども。それが、山で、しかも、それまで、わりと開けずに、木立のなかをずっと行くので、展望台までほとんど、海が見えないんですよ。ところが、そこでいっぺんにパァーっと開けたときに日が昇りたってきて、お日様から海辺に、ずっと、水面にこう・・・波の赤いラインが、私の方にまっすぐ来ている感じがなんともいえない。「これがこの山か!この島か!」というのを味わいましたね。

利尻は鳥の楽園!この声は・・・?

夜中に歩いていて、聞こえてきた鳥の声。山陽さんは「フクロウかな?」と言ってましたが…。

山陽さん:あの鳥の鳴き声は、ミミズクの仲間ですね。昨日どうしても気になって、鳥に詳しい友達に、ホテルの公衆電話から「あの鳥、何の鳥だと思う?」って、聞いたんですよ。「夜鳴いてたんだけど。「ヒヨッ、ヒヨッ」(鳴き声をマネ)って。」と言ったら、「ひよこじゃないか?」って言われて(笑)

鈴木・佐藤:爆笑

山陽さん:「違う!」って言って(笑)、何回もマネをして恥ずかしい思いをしたんですが・・・。フロントの人がこっちを見る見る(笑)。で、わかったのが、たぶん「コノハズク」じゃないかって言うんですよ。日本に住んでいるミミズクの中で、一番小さいんです。20センチぐらいで、木の葉みたいなミミズクだねっていうことで、「コノハズク」っていう。「ヒヨッヒヨッ」ってずっと鳴いて、道案内してくれているような。

皆さん、「コノハズク」がどんな鳥か、想像できましたか?写真は、大人の事情で出せないので、鈴木アナが写真を見ながら描いたイラストで、イメージしてみてください。

20センチというと、500mlのペットボトルぐらいの大きさです。見た目も、かわいらしいですね。

さらに話は進み…

「私、今回クマよけの鈴を今回付けてないんですよ。」という山陽さん。(前回は、カウベルをつけて登っていましたもんね。)なぜ・・・?

山陽さん「利尻山はクマがいない山だ」と、ガイドブックに出ていたので。安心していたんですが、その話を友達にしたら、「何言ってんるんだ!2年前に泳いで渡ったクマがいるって、全国ニュースになってたのを知らないか!?」と言われて。そのクマはもう帰っちゃったんだか、どこかに行っちゃったんだか、いないからって言うんですけれども…。島の人に聞いたら、あの時に島中の人が、クマ鈴を買ったんですって。

博物館に行ったら、106年前(明治45年(1912年))にも、海を渡ってきたクマがいたんですって。それも、やっぱり5月で、その時のクマは、船に手をかけたので、血気盛んな若者が、まさかりで一撃で撃退したんですって。そのクマの爪が、博物館に保存されているんです。見てきたんですけど、不思議なことにね、このクマ、爪以外は所在がわからないんです。そのほかのものは、どこにいったのか。毛皮だとか…、爪だって、10個あるわけでしょ。そのうちの9個は行方不明なんですよ。毛皮も行方不明、頭骨も行方不明。このクマはどうしたんだろうってことが、博物館の方もわからない。

ただ、クマがそのとき泳いできたっていう唯一の証拠、右手の…何本目かの爪だったかな?おじいさまだかおじさまだかから受け継いだという、「ここの島にクマが来た唯一の証拠だよ!」って言ってもらった方が、博物館に寄付したっていうのものを、見てきましたね。

鈴木:なんか・・・本当なのか疑わしいところもありますけれども、ロマンもありますね。

山陽さん:私は講談師ですからね(笑)。利尻山は、クマもいないし蛇もいないんですって。だから「鳥の楽園」なんですね。

日本開国のきっかけは、長崎の出島?浦賀?まさか利尻?

どんどん飛び出す、山陽さんの利尻のうんちく!続いては、クマが泳いできたのよりも前に、この島に「漂流を装って上陸してきたアメリカ人」のお話。山陽さん、こちらも博物館で情報を得たらしいのですが、後々考えてみれば、この方の伝記みたいなものを、小説として読んだことがあったそうです。

山陽さん:日本初のアメリカ人英語教師と言われているラナルド・マクドナルドっていう方なんですが、英語の教師としては大変有名な方で、この人は「自分のルーツが日本人だ」と、母方の親戚に言われたんですよ。日本のことに大変興味を持って、日本に行きたいと思うようになる。そのために1848年、ニューヨークから、こっそり行くために捕鯨船に乗って、日本の近くまで来たっていう。「どこから降りようか」っていろいろ探っているうちに、利尻島が見えて、ソレッ!って(おりて)、一人でボートを漕いで、四日間アッチコッチ行ったあげく、この島にたどり着き…。そして、後に長崎に行ってペリーの通訳をする森山栄之助という、日米友好通商条約はこの方なくしては締結ならなかった、というぐらいの名通訳がいるんです。ラナルドはこの人に、英語を教えるんですよ。

最初にラナルドが日本に来たときは、みんなオランダ語を勉強していたので、この頃の日本人通訳っていうのはオランダ訛りの英語を喋っているんですね。だから、「Name(ネーム)」っていうのを、ローマ字読みで「ナーメ」って言ってた。「それは違うよ」って、発音を主に直したんですって。一番見込んだのが、この森山さんという通訳だったらしいんですよ。

山陽さん:「L」と「R」が、やっぱり私たちも英語をやるときに一番苦手な発音ですよね。LoveとRub(どちらも読みは「ラブ」)って。私も言えてないですけど、「Love」は「愛する」じゃないですか。だから「Love me」って言ったら、「私を愛して」ですけど、「ラブ」って日本人が言うと(Rっぽい発音になるから)、撫でるとか、こするとかいう意味で。「Rub me」で、「私をこすって」って(笑)。そこらへんを、このラナルド・マクドナルドは厳しく森山さんに指導したんですね。だから、日本の、英語の通訳を指導したという方が、利尻経由だったと。

山陽さん、「博物館情報なので」とおっしゃっていましたが、利尻に行ったら、山はもちろん、博物館にも行ってみたくなりますね。ラナルド・マクドナルドの話を詳しく知りたい方は、吉村昭著『海の祭礼』という小説を読むと、ペリーがなぜ長崎ではなく浦賀に来たかというあたりまでわかるんですよ。」とも、おっしゃっていました。博物館で見ていて、もともと読んだことがあった話だ!と後から気づいただなんて、ちょっと素敵な再会ですね。

ここで一曲。山陽さんセレクトでお聴きいただきましょう。

♪ボブディラン/風に吹かれて

スタジオにも気持ちのよい風が吹いた気分のところで、ひとやすみ。

山陽さん、このあとは8合目を目指しますが、山中で見たものとは!?利尻山が育む利尻の恵みを集めた「音」も登場!②へ続く!

「音で楽しむ登山『うんちく百迷山』第2座は利尻山!」TOPはこちら

 
うんちく百迷山 新しい順に記事を読む!

2021年10月5日

関連情報

1月6日(木)のまるラジは旭川発!『味わい尽くす、道北の音』

北海道まるごとラジオ

2021年12月24日(金)午後6時04分 更新

「蛍」について調査してみた!7月1日放送 北海道まるごとラ…

北海道まるごとラジオ

2021年6月30日(水)午前10時28分 更新

山の天気は変わりやすい!?神田山陽のうんちく百迷山

北海道まるごとラジオ

2021年5月21日(金)午後4時32分 更新

上に戻る