NHK札幌放送局

防災小説 北海道道MCの場合

NHK北海道 防災情報

2022年1月14日(金)午後4時29分 更新

「もし地震や津波が起きた時、どう行動するのか…」。“その時”のことを想像して ショートストーリーを作る取り組みが、教育現場を中心に広がっています。 災害とか防災って聞くとちょっと難しいけど、自分が主人公だったらあなたにもかけるかも。 今回、北海道道番組MCの二人、自然の多い赤平市に暮らす鈴井貴之と、 大都会・札幌に暮らす多田萌加が書きました。 

鈴井貴之の場合

(想定)
地震発生 2022年1月15日(土)午後4時 天候 雪 気温 ―8℃
赤平市内 震度6強
赤平の森の中で犬たちと暮らす鈴井。雪の中で犬と戯れているときに、
突然大きな地震に襲われます―。

 「赤平市 自宅前にあるドッグランで5頭の犬と戯れていた。激しい揺れとともに森の樹々及び屋根に積もった雪が一気に落ちて辺りは雪煙に覆われに視界を失った。
何も見えない世界で何が起きたのか瞬時には判断がつかなかった。真っ白な闇の中でスマフォのアラームが鳴った。地震警戒アラームだ。それで僕は地震が起きたことを受け入れた。

 まずは犬たちだ。犬たちが屋根からの落雪で埋もれていないか?特にゴールデンレトリバーは地震や雷に敏感で、我を失い暴れてしまうことがある。犬の名前を連呼し消息を、その鳴き声、物音で確認した。幸いにも犬たちは無事のようだ。犬たちを安全な場所に移動させなければならない。

 雪煙が収まり周りの様子が見えてきた。前方の森では数えきれないくらいの木が倒れていた。振り返ると、家屋に向かって大木が倒れ2階部分を破壊していた。家に避難するのは危険だ。斜面だからまだ土砂が崩れてくるかもしれない。

 玄関からハーネスを取り出し、2頭につけた。他の3頭は暴れたりはしないであろうからリードもなしで移動できる。

 まずは移動用に使っている車に犬を乗せた。敷地から出て避難場所に移動しようと考えた。だが敷地から市道へとつながる道にも木が倒れていて車が通り抜けることは不可能だ。多分、車で逃げようと考える人は多いはずだ。それと僕の住む森同様、至る所で倒木があり道を塞いでいる可能性は高い。

 気持ちを落ち着かせ冷静に考えようと努めた。いざという時のために蓄えはある。食料、水、ガソリン、灯油などの燃料。発電機も二機ありテントもある。一週間くらいは凌げるよう常に準備していた。高所の森だから津波の心配はない。危険なのは倒木だろう。敷地内の見渡しの良い場所に車を移動させ連絡を待つしかない」

 「車内のラジオをつけて状況を把握しようと試みた。想像以上の被害が出ているようだ。孤立してしまった今、助けを待つしかない。倒れた木の枝を集め焚き火をし、人間がいることを示す。この火だけは絶やしてはいけない。生き抜くための希望の炎だ。そう思った時、火の温もりが優しく感じられた。犬たちのためにも僕は耐える。助けが来るその時まで」

多田萌加の場合

(想定)
地震発生 2022年1月15日(土)午後7時  天候 晴れ 気温 マイナス4℃
札幌市内 震度6強

仕事を終え札幌市内を歩いて帰宅途中、
お店や人が混み合う街内で、突然地震が発生します―。

 「仕事を終えた私は自宅へ向かう道を歩いていた。その瞬間、これまで感じたことの無い大きな揺れに襲われた。外出先で1人でこれほど大きな地震を経験したことがないし、ここからどうすれば良いのか全くわからない。

 家族は無事だろうか?家は大丈夫だろうか?恐怖と不安に襲われながら、パニック状態の人混みの中を紛れながら歩いた。信号や街灯までも全てが消えた暗闇の町。家族に電話をしてみるが繋がらない。とにかく家へと急いだ。通るお店やコンビニ、ガソリンスタンドには既に行列ができていて、私は胆振東部地震を思い出した」

 「家に入ると心配した様子の家族が待っていた。
しかし家具は倒れ部屋は散乱していた。「転倒防止の対策をしなくちゃいけないね」と話していたがそれっきり対策はしていなかったのだ。

 家には胆振東部地震を経験してから備えておいた携帯トイレやガスボンベ式の暖房があった。また自宅には太陽光発電と蓄電池システムがあり、電気は2、3日もつという。
しかし食料の備蓄がほとんどない。先日知り合いとローリングストックの話をしたのに、実践していなかったことを後悔した。

 二日後、電気もガスボンベも食料も尽きたがまだライフラインは復旧しない。このままでは家族みんなが寒さと空腹に耐えられなくなってしまう。
暖かい服装で必要なものを持ち、犬を連れて避難所を目指す」

 「避難所の小学校は、既に多くの人で溢れていた。
大切な人のそばに居られること、そして何気ない日常がどれほど幸せなことか身に染みて感じた。人生いつ何が起こるか分からない。何かあった時のための心構えと備えをしておきたいと改めて思った。
その時、ライフラインの復旧の知らせが避難所に届いた」

頭の中だけでだと、なかなか想像できない“いざというとき”の「備え」。
場所は?家族は?持ち物は?自分の状況にあわせて「防災小説」を一度書いてみたら、あなた目線での防災対策につながるかもしれませんよ!

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