NHK札幌放送局

利尻島から目指すオンリーワン!日本最北ウイスキーへの夢

道北チャンネル

2022年11月2日(水)午前11時30分 更新

10月から利尻島で日本最北のウイスキー作りが始まりました。完成するのは早くて3年後。新たなチャレンジに挑んでいるのはアメリカ出身の起業家、ケイシー・ウォールさんです。ウイスキーの北限突破を目指し、果てしなく続く壮大な夢へのチャレンジ。取材を通して感じたのはケイシーさんのウイスキーに対する「情熱」でした。

去年11月に稚内支局にやってきた私が利尻島でのウイスキー作りの話を聞いて取材を始めたのは、ことし2月。雪が降り続き、寒さも厳しい時期でした。起業家のケイシーさんがなぜ利尻でウイスキー作りを始めるのか。そんな疑問を持ちながら、稚内市からフェリーで利尻島へ向かいました。
 「誰も挑戦したことのないチャレンジだからこそやってみたい。利尻はウイスキー作りに適したオンリーワンの場所だと確信しています」。ケイシーさんが常に話している言葉です。6年前の家族旅行で初めて利尻島を訪れたケイシーさん。そのときの感動を今でも忘れることができないと言います。利尻山からの新鮮な水と寒暖差のある熟成に適した気候。ウイスキー作りの本場、スコットランドのアイラ島を何度も訪れているからこそ感じる「利尻の可能性」を熱く話していました。
 「まさか利尻でウイスキー作りが始まるなんて…」。取材を始めてから多くの島民の方に話を聞きましたがほとんどが驚く方ばかりでした。それもそのはず利尻島でのウイスキー作りは日本最北になります。これまで想像もできなかった最北ウイスキー作りへの挑戦。今まで誰も想像しなかった場所でのチャレンジをケイシーさんは始めたのです。  
 ジャパニーズウイスキーの歴史を振り返れば、2014年のNHK、朝の連続テレビ小説「マッサン」のモデルにもなった竹鶴政孝氏を思い起こします。苦難の挑戦を経て完成したウイスキーが全国へと広がり、今やジャパニーズウイスキーの世界への輸出額は年間およそ460億円、一大産業へと拡大しました。
 誰も挑んだことがないチャレンジは前例がありません。取材を通して感じるのは、ウイスキー作りは場所や気候によって作り方も異なり、常に全員がチャレンジャーだということです。その課題を乗り越えた先に完成したウイスキーはそれぞれの個性や作り手の思いが込められています。
 今月からついに始まった利尻島でのウイスキー作り。ケイシーさんが蒸留所の計画を立ててから6年が経過してのことです。蒸留を経てウイスキーとなるにはさらに3年間の熟成期間が必要です。ケイシーさんが立ち上げた会社の名前は「Kamui Whisky」。(カムイウイスキー)北海道、利尻にこだわったウイスキーを目指して国内外で経験を積んだ職人2人もあわせて日々、生産作業が続いています。今後のチャレンジを常に注目していきたいです。

取材をまとめたWEB記事はこちらです👇
日本最北!利尻島のウイスキー蒸留所から目指すオンリーワン

取材 稚内支局・山川信彰


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