ツルっとモチモチ、のどごし抜群。手延べうどんは上川管内・下川町のみなさんに古くから愛されている、地元を代表する食べものです。(2023年3月放送)



下川手延べうどん
今年49歳になる私、丹野が下川町で製麺をしているなかで最年少です。
下川手延べうどんの歴史は古く、1949年に杉野森一さんという方が「食糧難の日本において、配給された小麦をよりおいしく町民に食べてもらえないか」という思いがはじまりです。
その後、「農家の副業としてできないか」と町に手延べ製麺製造技術が持ち込まれ、ここから下川町における手延べ製麺業が本格的にスタートしました。町に次々と製麺所がつくられ、最盛期には町内に13の製麺所がありました。ただ、高齢化の影響もあって現在は6カ所しかありません。私が最年少で、ほかはみなさん50歳以上。多くの方が70歳以上です。

町の伝統の味を残したい
私は、もともと下川町役場で働いていました。(今回手延べうどんを紹介してくれた役場の杉山さんと一緒です)
製麺所は両親が経営していて、数年前に母が体調を崩してしまいました。そこで私は朝5時から7時まで実家の製麺所を手伝って、そこから出勤して、、、かっこよく言うと今流行りの「二刀流」なんですが(笑)、さすがに身体がもたなくなってしまいました。
それならば、両親がまだ元気なうちに自分がいろいろ勉強して実家の製麺所を継ごうと思ったのです。やっぱりこの味を残していきたかったですし。うどんの勉強でそれこそ四国とか関西とかいろいろ行きました。


先進的な取り組みをしている下川町にひかれて
下川町の出身ではない私、杉山ですが、この町の先進的な取り組みにひかれて就職しました。町は2018年に「SDGs未来都市」に選ばれています。豊富な森林資源を余すことなく活用する産業育成、バイオマスエネルギーの導入など様々な取り組みを行っています。そうした取り組みにひかれてこの町の役場の採用試験を受けました。下川町の人たちはとてもあたたかくてアットホームな町だなと思います。この町が発展していけるように自分も貢献していきたいですね。

道北ならではのブランドでもっと世の人たちに知ってもらいたい!
正直、手延べ麺ってひとくち食べただけだとほかのブランドのものと違いがわからないと思います。下川の麺がほかの地域のそれと決定的に違う点は生産している場所です。ほかの麺が軒並み温暖な地域で生産されている一方で、ここは冬、マイナス30度とかになります。この点をうまく利用して、世間に「下川といえば手延べ麺」と言ってもらえるようにいろいろPRの方法なんかも工夫していきたいですね。


編集後記
今回取材した杉山さん、丹野さんに共通していた点は「大好きな町のために頑張りたい」という思いです。杉山さんは町職員として、丹野さんは製麺業として。働く場所は違えどその強い思いがひしひしと伝わってきました。そんな思いでつくられている「下川手延べうどん」。麺好きの私もさっそく購入いたしました。ツルっとしていて、それでいてしっかりとした食感。本当に美味しかったです。みなさん、うどんを食べに下川町を訪れてみてはいかがでしょうか?
旭川放送局 竹ケ原貴一
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