NHK札幌放送局

語り継ぐ 北海道南西沖地震から28年 #道南WEB取材班

道南web

2021年7月16日(金)午前11時08分 更新

死者・行方不明者230人にのぼった北海道南西沖地震から28年がたちました。 津波の記憶、そして教訓をいかに伝えていくか、奥尻島は向き合っています。 

7月12日、島内各地では、家族を失った人などが墓参りをして祈りをささげました。「何十年たっても、思い出します。」遺族の1人は静かに語りました。

当時の被害などを伝える「奥尻島津波館」などで語り部として活動している竹田彰さん(68)は、地震が発生した当時、町役場に勤めていました。

竹田さん「立っていられないくらいの大きな揺れでした。津波が来ると思い、すぐに高台に逃げました。津波のあとに起きた火事で家々が燃えるのを高台からぼう然と見ていました」

竹田さんは地震のあと、まちの復興に携わりました。主にまちづくりを担当し、津波で大きな被害を受けた青苗地区などの住民の高台への集団移転や、防潮堤や避難路の整備などに取り組みました。避難路の整備では、雨や雪をしのげるよう屋根を取り付けたほか、高齢者なども迅速に避難できるよう手すりやスロープを設置するなどの工夫をしました。

また、漁業者などがすぐに避難できるよう、漁港などに人工の高台、「人工地盤」の整備を進めました。こうした事業について竹田さんは「住民の人たちの理解や協力があってこそ実現できた」と振り返ります。

平成23年の東日本大震災のあと、津波で大きな被害を受けた奥尻島の復興から学ぼうと、東北地方などから多くの人が島を訪れるようになりました。これをきっかけに竹田さんは島外から訪れた人たちに自らが携わってきた復興への取り組みについて説明してほしいと頼まれるようになったといいます。

8年前に町役場を退職したあとは、「奥尻島津波館」や地元の学校、それに島外に出向いて語り部として本格的に活動を始めました。今でも全国各地から訪れる人や地震を知らない町内の若い世代の人たちに語り継ぐ活動を続けています。

しかし、津波館を訪れる人は東日本大震災後の平成15年をピークに年々減り続けている上、被災した人たちの高齢化が進み伝えられる人も減っています。竹田さんは、語り継ぐことの難しさも感じています。

竹田さん「災害があったということだけではなく、命を守るにはどうすればよいかを教えていかないといけない。被災者の高齢化が進んでいるが、機会があれば語り継いでいくことが必要だと思うので、自分や他人の命を助けるすべや、災害にあった時にどう動けばよいかなど、自分の経験を通して語ることを今後も続けていきたい」

(2021年7月12日放送)

<取材した記者>
小柳玲華(函館放送局・放送部)
2020年入局。函館局が初任地。警察・司法を担当し、事件・事故を中心に取材。北海道生活は初めて。初めて見た函館山の夜景に感動しました。

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