今月23日に総合テレビで放送予定の番組「あいみょん 18祭」。
人気アーティストと1000人の17歳から20歳の若者たちが一夜限りの共演!若者の想いをオリジナル楽曲にし、ともにパフォーマンスする番組です。
5回目となる今回は、シンガーソングライターのあいみょんさんが、若者が抱える悩みや葛藤を直接受け止め、楽曲を書き下ろしました。この番組に北海道から参加する大学生がいます。
将来に向けてぼんやりとした夢はある、でも実際には何をすればいいのかわからない。
それでも前に進もうとする「ハタチの今」を見つめました。
(札幌拠点放送局 三砂安純)
“食で人々を健康にしたい”

札幌市で栄養学を学ぶ瀬戸美桜莉さん、20歳の大学2年生です。
彼女の特技は栄養バランスを徹底的に考えた料理作り。
将来の夢は「食で人々を健康にすること」です。
今回、18祭の番組へは“食の夢”に向かった一歩を踏み出したいと応募してくれました。

瀬戸さんが料理に目覚めたのは幼稚園の頃。小学校の夏休みの自由研究では姉と一緒に作った創作料理やスイーツをレシピ本にしていました。

きっかけは祖母の死
瀬戸さんが栄養バランスにこだわりを持つようになったのは、中学3年生の時に亡くなったおばあちゃんの影響がありました。甘いものが好きだったおばあちゃん。糖尿病をきっかけに病状は悪化していきました。一度は料理人や調理師の道も考えていた瀬戸さん。しかし、おばあちゃんの病死を経験し、普段の食事から、病気を予防するために自分に何かできることがあるのでは、と考えるようになりました。
瀬戸美桜莉さん
「やっぱり自分が知識を持ってアドバイスしてあげることとかもできていたら少しは変わっていたのかなと思います。祖母が亡くなったときから食で予防して、病気になってしまう人を救いたいって確固たる思いが決まりました」
夢へ向かうも壁が

“食で人々を健康にしたい”
その夢を描き続けて迎えた大学生活、しかし思わぬ悩みに直面します。大学で食について学べば学ぶほど奥の深さに気づき、どの道に進むべきか葛藤を抱くようになりました。
食事を作って提供するのか、管理栄養士として学校や病院などで従事するのか、商品開発に携わり食品の栄養管理をするのか、瀬戸さんの迷いは深くなる一方でした。
瀬戸美桜莉さん
「本当に食っていうと選択肢がありすぎるんです。それこそ作ることも好きですし、もっとスーパーやコンビニとかの食品からアプローチしたほうが、より身近に関わることが出来るかっていうのもあるので、なんかすごいぐるぐるしている状態ですね」
勇気をくれた あいみょんの歌
自分の進路について悩む瀬戸さんを勇気づけた歌がありました。
あいみょんさんの『さよならの今日に』という曲です。
『切り捨てた何かで今があるなら
もう一度だなんて
そんな我儘 言わないでおくけどな
それでもどこかで今も求めているものがある
不滅のロックスター
永遠のキングは
明日をどう生きただろうか』
そう歌うあいみょんさんの歌詞は、将来が見えなくなっていた瀬戸さんに“頑張れ”ではなく、そっと寄り添ってくれたと話します。
瀬戸美桜莉さん
「自分の憧れている人だったらどうするのかって目線でこの歌詞は書かれていて。コロナの状況だからこそできる事はなんだろうって前向きにやるだろうし。そう思った時にじゃあ自分も頑張ろうって。そういう部分で共感というか勇気づけられましたね」
壁を突き破れ!
一度きりの学生生活。まだ道は定まっていなくても、とにかく前に進んでいく。
瀬戸さんは食に関わる幅広い活動に、積極的に取り組むことにしました。

まず取り組んだのがサークルで食のイベントを開催することでした。
普段、栄養が不足しがちな一人暮らしの学生向けにワンコインおうちごはんを提供しました。
メニューは、鶏もも肉の黒酢あんかけ、豆苗とツナのサラダやひじき煮などおよそ8品。
大学で学んだ栄養学を生かし、鉄分や食物繊維など不足しがちな栄養素を摂取できるよう考えました。


さらに、直接自分の料理を食べてもらえない人にも健康になってほしいと始めたのがインスタグラム。
テーマは「手軽に栄養をとれる簡単レシピ」です。レンジで簡単にでき、かつ栄養たっぷり。目につきやすいように一枚の画面内に写真や栄養素を記載するなどの工夫もしました。一人暮らしの学生たちはもちろん、普段忙しく食事の栄養バランスまで気が回らないような主婦たちに見てもらえればという想いです。
瀬戸美桜莉さん
「間接的にでも病気の予防になったり、健康体づくりの手助けをできていたら嬉しいなと思いますね」
いよいよ本番を迎える「あいみょん 18祭」。瀬戸さんは同じ境遇を抱える18歳世代、1000人と歌うことで一歩前に進もうとしています。

瀬戸美桜莉さん
「一人ひとりの歌のうまさとかだけじゃなく情熱とかフレッシュさとか。パッションみたいなものが全部集まった時に、あいみょんさんの楽曲と声とどうなっていくのか、そして参加した後、自分の心がどう変わっていくのか楽しみです。参加後には、自分からアクションを起こして興味に向かって動いていくような人でありたいです」

取材後記
札幌局 三砂安純
私もコロナ禍での就職活動を経験し社会人になりました。思うように活動ができなかったことなど自分と重なる部分も多くありました。
たくさんある食への道に悩みながらも、様々な経験を重ね、自分の力で夢に向かって走り出している瀬戸さんに私が勇気をもらいました。これからも応援していきたいと思います。
この特集は18日(金)の「ほっとニュース北海道」内で紹介する予定です。
また、瀬戸さんが参加する「あいみょん 18祭」は、総合テレビで23日夜10時から放送予定です。18歳世代が歌に思いをぶつける勇姿をぜひご覧ください。
2022年3月17日