NHK札幌放送局

#SNSマネートラップ 「モノなしマルチ」どんな被害が・・・

ほっとニュース北海道

2020年1月28日(火)午後0時50分 更新

いま、20代以下の若者を中心にSNSを入り口にして金銭トラブルに巻き込まれてしまうケースが増えています。 あなたのご家族やお子さんも、もしかしたら悩んでいるかもしれません。

増える「モノなしマルチ」の勧誘
最近、ツイッターやフェイスブックなどのSNS上にはマルチ商法に勧誘する投稿があふれています。特に大学生などの若い世代を中心に、勧誘者側からダイレクトメッセージが一方的に送りつけられるケースが増えています。
勧誘に応じて高額な振り込みをすると、その後、「解約が出来ない」、「お金が返ってこない」といったトラブルに発展するのです。
そのマルチ商法、従来は化粧品や健康食品といった商品が主流でしたが、今では暗号資産=いわゆる仮想通貨への投資といった「もうけ話」が主な商品となっているんです。

実際に手にする商品がないことから「モノなしマルチ」と呼ばれています。
国民生活センターに寄せられたマルチ商法全体の相談件数を見ますと、商品ありのマルチ商法よりも「モノなしマルチ」に関する相談の割合が以前よりも多くなっています。昨年度は「モノなしマルチ」の相談の半数近くが20代以下の若者から寄せられたものでした。
マルチ商法自体は合法ですが、なかには詐欺まがいの悪質なケースも少なくありません。

トラブルに巻き込まれた女性は
今回、金銭トラブルに巻き込まれた道南地方に住む20代の女性が私たちの取材に応えてくれました。
女性は交際相手などを見つける「マッチングアプリ」で、ある男性と知り合い、SNSでやりとりを続けるうちに暗号資産(仮想通貨)への投資を勧められたといいます。病気にかかっていた母親のこともあり、お金が必要になると思った女性はつい話に乗ってしまったということです。
その後すぐに、投資に詳しいとされる別の人物を紹介されました。その人物は、投資額の10%ほどの配当金を毎月手にできるほか、知り合いを誘えばボーナス金も支給されると説明してきたといいます。結局、女性は160万円余りを振り込みました。
取材に対して女性は、「男性からは『公的な機関でやっているから大丈夫』と言われました。普通にいい人だなと思ったので信じてしまいました」と振り返りました。

しかし、その後、暗号資産の価値が暴落したという理由で、配当金は一度も受け取れていません。勧誘した男性に再三にわたって問い合わせても「投資は自己責任だ」と言われるだけだったということです。
今、女性は「どうしようかなと毎日考えています。なかなか気持ちの整理がつきません」と胸の内を明かしました。

勧誘の手口はさまざま
こうしたトラブルの背景を探るため、NHKでは取材班をつくり、勧誘された側だけでなく、勧誘した側の人にも取材を続けてきました。
このうち、取材班にトラブルの体験談を寄せてくれた30代の男性は、「ユーチューバーから勧誘されて借金までした」と明かしてくれました。
ふだんよく見るユーチューバーがネット上で顔と名前をさらしてまで勧めるので信用してしまったということで、借金して用意した120万円を暗号資産への投資につぎ込んだものの、その後、そのユーチューバーとは連絡がつかなくなったということです。
ほかにも、ある勧誘グループは「キラキラ投稿」と呼ばれる手法を駆使していました。
これは、華やかなパーティーや海外旅行などの「キラキラした」画像をSNSに投稿することで、モノなしマルチはもうかるというイメージを植え付けようというものです。

警鐘を鳴らす専門家も
SNSを巧妙に使って若者を引きつける「モノなしマルチ」に警鐘を鳴らす取り組みも始まっています。
経済アナリストで、金融教育にも取り組んでいる森永康平さんは、都内の大学などを回って日々、講演会を開いていますが、最後に必ず触れるテーマが「モノなしマルチの危険性」です。
ことし1月、森永さんは都内の学生向けの講演の中でこう呼びかけました。
「ぜひ君たちには気をつけてほしいんだけど、ポイントは1個なんです。自分がわかっていないものにお金を払うのはやめよう」。

森永さんは「ものなしマルチは、扱う商材は変われど手法はほぼ一緒なんです。危険性を知っていれば、もうけ話を持ちかけられた時に『これは詐欺だ』と気付くわけです。それを知らないでいると、勧誘する側もすごく作り込んだマニュアルがありますので乗せられてしまいます。そういうことをどれだけ普及させられるかが大事だと思います」と話しています。

返金などは難しい現実
モノなしマルチのトラブルでは、ほとんどのケースで契約書が交わされておらず、投資先も正規の登録業者でないことから、警察などが取り締まるのは難しいのが実情です。そのため、お金を取り返せないケースがほとんどなのです。
こうしたなか、モノなしマルチの若者への浸透は確実に進行しています。これまでの私たちの取材でも、道内の大学を舞台に勧誘グループが存在していることがわかっています。
私たちは今後も取材を継続し、実態を明らかにしていきたいと考えています。

これまでの取材成果は31日放送の北海道クローズアップで詳しくお伝えします。

北海道クローズアップ
#SNSマネートラップ~検証・グレー勧誘~
2020年1月31日(金)19:30~19:55(NHK総合)



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