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  4. 冬の避難の備えは(後編) どんな持ち物?服装は?

冬場に地震や津波が起きたら、避難したあとに何が待っているのか。 前編では釧路市の避難施設に私(記者)が宿泊した体験をお伝えしました。今回は訓練に参加した際の持ち物と服装を、防災対策の専門家にチェックしてもらいました。多くのダメ出しをいただいた一方、必需品として褒められたアイテムもありました。「上履き」「ようかん」です。その理由とは…。
※ページの一番下に避難の時に必要なグッズのリストがあります。ぜひ参考にしてみてください。
 (釧路局記者 島中俊輔)

冬の避難はTKB+W

アドバイスを頂いたのは、北見市にある日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授。冬の防災対策のスペシャリストです。冬の避難所で過ごすために必要なものとして、根本さんが教えてくれたキーワードが「TKB+W」。
▼トイレ▼キッチン(食事)▼ベッド(寝床)+▼ウォーム(暖房)の略です。

持ち物チェック! 何を持って行くべきか

この4つの視点から、私が持って行ったものをチェックしてもらいました。

▼寝袋(夏用)▼食料(備蓄パン・アルファ米・シリアルバー・ようかん)▼水3リットル▼水筒▼ティッシュ▼体を拭くウエットシート▼ビニール袋▼歯ブラシ▼携帯トイレ(1回分)▼カイロ▼着替え1日分▼ネックウォーマー▼防寒手袋▼フェイスタオル▼モバイルバッテリー▼ライター▼ライト(手持ちのもの2つ、ヘッドライト1つ)▼携帯ラジオ▼上履き

T(トイレ):携帯トイレは1回だけでは足りない

まずはトイレ。私は携帯トイレを持って行きましたが、今回の訓練ではトイレは通常通り使えたので、一応と思って1回分のみでした。ただ、根本さんは携帯用トイレは数日分は持参してほしいと言います。

「避難生活でトイレが1回だけで済むかというと、これはとてもそうとは思えません。特に3日間あると、トイレの回数としては3日で大体15回分必要になります」

K(キッチン):食事は喉を通りやすいものを

続いてキッチン、食事です。寒い中で体温を保つために大事なのは食べることだと根本さんは指摘します。私は非常食としてアルファ米、備蓄用のパン、シリアルバー、ようかんを持って行きました。根本さんから褒められたのは「ようかん」。水気が多く喉を通りやすい、そしてカロリーも高いためです。

「低体温症対策で留意しなければいけないのは、食べ続けること。カンパン類など乾いたものは喉が通らないことが結構あるので、ようかんはすばらしい選択肢です」

B(ベッド):寝袋は冬用、そしてマットも

次にベッド。指摘されたのは寝袋です。夏用だったので薄くて寝付けませんでした。寝袋はできれば厚手の冬用のものがいいと言いますが、寝袋の使い方としては寝袋の中に毛布を入れてくるまることが有効だとも教えてくれました。そして、寝袋にプラスアルファしたいものが床に敷くマットだと言います。

「夏用の寝袋では、冬の避難対策としては物足りない。保温ということで言うと寝袋は布団の代わりというだけでなく、床から来る冷気を避けなければいけない。これは寝袋だけだと非常に難しいので、できれば折りたためるエアマットのような敷くものがあるといいと思います」

W(ウォーム):上履きは必須、カイロは使用方法に注意

ウォーム(暖房)は温かさを維持するためのカイロ。ずっと同じ場所にカイロを貼っていると低温やけどになる可能性があるので、使い方を気にしながら使ってほしいと指摘します。そして、根本さんが一番大事だと言うのが「上履き」でした。

「一番大事なものは上履きなんです。避難所となる体育館などの床の温度は0度~3度くらいになっていることがあるので、はだしのままで避難所の中を歩くことは不可能です。上履きは必ず持って行ってほしい」

今回の私の持ち物について、根本さんに点数を100点満点でつけてもらうと…。

「ものの揃え方ということでいけば70点ぐらいだと思います。トイレ、食事、そして寝る環境などの要素は揃えている。あとはその中の質をどれぐらい高めるかということをしていただくと100点に近づいていく」

例えば、携帯トイレは最低でも15回分(3日分)以上。そして寝袋は冬用に。歯ブラシも水が使えない場合を想定して、液体マウスウォッシュ。携帯ラジオは手回し式でイヤホンも一緒に。改めて非常用持ち出し袋の中身を再点検しようと感じました。

服装チェック! 避難時に何を着ていくか

続いて、避難の際の服装についてアドバイスをもらいました。
私は上着にスキーでも使える防寒着を着込み、ズボンの下にはタイツをはいていました。靴は冬用のブーツです。
根本さんが重要というのが「露出部分をいかに減らすか」。まず指摘されたのは頭の部分。肌の露出を減らすため毛糸の帽子や耳当てをつけるとよいと言われました。さらに防寒用のズボンを重ね着することもポイントだということです。
アドバイスをうけたあとの服装と比較してみます。

肌の露出部分がかなり減っているのがわかると思います。ただし、汗をかくと体温を下げてしまうので着すぎには注意が必要です。

「気をつけてほしいのは、着すぎると動くことが難しくなりますし、汗をかいてしまうこともあります。低体温症を起こす原因の1つは自分の体がぬれること。汗でぬらさないように着すぎないことも必要です」

一度試してみて

こうして見ると持ち物は1泊2日でもかなりの量です。そして服装もふだんはクローゼットにしまったままになっているものもあります。避難の際、必要なものがすぐに持ち出せる場所にあるのか。根本さんはまず自分で一度、試してみることが重要だと言います。

根本昌宏教授
「1泊2日のものをまずは取りそろえていただいて、その1泊2日で自宅でそれだけで生活してみてほしいです。そうするとプラスアルファでこれだけあればもっといけるなと思える部分も出てくるかもしれませんし、もしくはこれでは足りないなということに気が付く部分もあると思います。1人1人必要なもの、もしくは自分が求めるものというのは結構異なります。実際に体験して考えていただくと、災害が起きた時に何を持って行くべきか、何を着ていくべきか、自分としての正解に近づくと思います」

避難アイテム一覧

避難の際に持って行くべきアイテムについて、根本さんの監修のもとまとめました。
ここにあげたものを参考に、自分が背負える量の中で皆さんの状況に合わせてアレンジしてください。

前編はこちらから

釧路市・人口の半数超が死亡⁉ 道東・市町別被害想定を詳しく

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