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相次いだ道路冠水 その時何が? #道南WEB取材班

道南web

2020年10月16日(金)午後6時03分 更新

先月、函館市では大雨で道路の冠水が相次ぎました。その要因として、極めて短い時間に局地的な大雨が降ったことがあると見られています。目の前の道路が突然水でいっぱいになる冠水。その時、何が起きていたのでしょうか。

相次いだ道路の冠水 短時間豪雨の衝撃

先月11日、函館市谷地頭町で撮影された映像には、水が人の足首ほどの高さにまで達した様子が写っていました。冠水した道路に面する道路で生花店を営む藪下容子さんは「もう川になっている状態でびっくりして、そんなひどい雨だったのかなと思いました」と、その時の様子を話しました。市内では床下、床上浸水が相次ぎ、藪下さんの店にも水が入り込みました。

藪下さんは「(店の中が)全部浸かった。(置いていたものも)全部浮いてた。ちゃぽちゃぽ泳いでましたから。ゲリラ豪雨というのか、土のうもなにも用意できなかったくらいですから」と驚いた様子で話しました。

函館市では先月、各地で急激な大雨が相次ぎました。雨が降ったのは全部で21日。このうち、道路が冠水するなどの被害が出た日が5日間ありました。消防に寄せられた水害に関する通報は全部で28件。去年1年間の数を5日間だけで上回りました。

地図の上で赤く示しているのが、先月11日に道路が冠水したところです。当日の5分ごとの雨雲の様子を重ねてみます。

冠水した場所に大雨が降っていたのはおよそ5分間だけ。この短時間の雨で急速に道路が冠水したと見られます。

冠水した道路を走る「恐怖感があった」

別の日には、車載カメラが冠水の様子を捉えていました。水たまりしかなかった函館市内の幹線道路「産業道路」が、数百メートル移動すると、低い土地でもないのに水が増していきます。さらに前進すると、水かさはタイヤの3分の1ほどに。ついには縁石を超えて歩道との境目も分からなくなります。撮影した男性は「まさかあそこまで水が来ているとは想像が付かなかった。恐怖感はありました」と当時を振り返ります。「アクセルを踏んでも、うまく進まないというか、すごい重たい感じになった。直前まで行かないと気付かないし、中央分離帯があるのでUターンなどもできないので、やむを得ずみんな進んでいる感じでした」と話しています。

なぜ道路冠水が相次いだ?排水は?

道路冠水はなぜ相次いだのか。函館地方気象台は、函館市周辺で局地的な大雨が降る条件がそろったためだと分析しています。気象台の髙橋学観測予報管理官は「台風9号10号が朝鮮半島付近から沿海州方面へ、温帯低気圧に変わりながら、北上した影響などにより函館市付近では発達した雨雲が断続的に流入し、大雨となりました」と解説します。

当時、道路の排水はうまくいっていなかったのか。北海道内の道路の多くは1時間に60ミリ程度の非常に激しい雨が降っても排水できるように作られています。しかし、今回は大量の雨が数分という短い時間に一気に降ったため、排水能力を超えたとみられています。

気象台の髙橋観測予報管理官は、こうした現象は函館市に限ったことではないと話していて、「少し場所が変わると全く雨が降っていない状況だったり、数百メートル移動すると雨が降ったりと、まんべんなく雨が降るというよりは、局地的な雨の降り方のときには同じ市内でも雨が降っている所と降らないところが、まだらになるような状況がある。今、自分の頭の上で雨が降ってないからと安心せずに、最新の気象情報を確認してから行動してほしい」と話していました。

目の前で道路が冠水!その時どうすれば?

道路冠水にはどんな危険があるのか。JAF=日本自動車連盟が、冠水した道路を想定して車を走行させる実験を行っていました。水深30センチのところに進入した車は、数メートル走ったところでエンジンが動かなくなり、停止しました。

車は水深がドアの下ぐらいまでの高さで故障する恐れがあり、立ち往生してしまう可能性があるといいます。JAF函館支部の中者善元さんは「縁石は20センチから30センチありますので、そうなると(走行中の水かさが)自分の車とどのぐらいかっていうのが基準として合わせることができると思います。(道路が冠水している)状況が発生しているのであれば、そのまま進まないでどこかに迂回する方法をとってほしい」と話していました。

函館市は、冠水する可能性がある場所の調査を進め、注意喚起する仕組みを作りたいとしています。車を運転していても、歩いていても、少しでも危険を感じたら水のない場所へ
避難するようにしてほしいと思います。

<取材した記者>
川口朋晃
平成25年入局。北海道出身。小樽支局でニセコの不動産投資の実態などについて取材。平成30年より函館局勤務。市政・経済・観光など担当し、人口減少問題などを中心に取材。

(2020年10月8日放送)

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