NHK札幌放送局

釧路市・人口の半数超が死亡⁉ 道東・市町別被害想定を詳しく

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2022年7月28日(木)午後5時14分 更新

千島海溝」と「日本海溝」で巨大地震と津波が発生した場合の道内の自治体別の被害想定が新たにまとまりました。道東では甚大な被害が想定され、釧路市では津波による死者が最大で人口の半数を超える8万4000人にのぼるとされています。一方、迅速に避難を行えば、被害を大幅に減らすことができるとされています。 釧路・根室・十勝地方の沿岸部の市町別の被害想定を詳しくご紹介します。 

【3つのパターンで想定算出】

今回、公表された道の想定は自治体ごとに死者数けが人建物の被害を異なる季節や時間帯の3つのパターンで算出しています。
また津波から逃れたものの、低体温症で死亡するリスクが高まる「低体温症要対処者」を冬の深夜の場合で示したほか、避難者の数は冬の夕方の場合で示されました。
被害想定の詳細を道東の市・町ごとに、羅臼町から広尾町まで東から西へと紹介します。

根室地方

羅臼町。冬の夕方の場合、死者は10人、けが人は10人、90棟が全壊します。

標津町。夏の昼に起きた場合、700人が死亡、けが人は120人、330棟が全壊します。

別海町。冬の深夜に起きた場合370人が死亡、けが人は260人、580棟が全壊します。

根室市。想定の津波の高さは最大で21.7mです。冬の夕方の場合、死者数は2300人、けが人は310人、3300棟が全壊します。

釧路地方

浜中町。70年前、1952年の十勝沖地震、その8年後のチリ沖地震で大きな津波被害が出ました。冬の深夜の場合、2700人が死亡、230人がけが、4000棟が全壊します。

厚岸町。役場などの中心部の広い範囲が津波の浸水域にあります。冬の深夜の場合、死者数は3600人、けが人は440人、全壊は3200棟です。

釧路町。道内で最も高い最大26.5メートルの津波が押し寄せるとされています。
冬の夕方の場合、5700人が死亡、1100人がけが、1900棟が全壊します。

釧路市。海に面した平野部に住宅地や市役所などの官公庁街が広がっています。冬の夕方の場合、人口の半数を超える8万4000人が死亡、4300人がけが、2万7000棟が全壊。

白糠町。冬の深夜の場合、5000人が死亡。町の人口のおよそ7割にあたります。けが人は400人。全壊は4200棟です。

十勝地方

浦幌町。冬の深夜の場合、370人が死亡、130人がけが。910棟が全壊します。

豊頃町。冬の深夜の場合、250人が死亡、60人がけが、490棟が全壊します。

大樹町。冬の深夜の場合、250人が死亡、30人がけが、220棟が全壊します。

広尾町。夏の昼の場合、死者数は260人、けが人は20人。530棟が全壊します。

【あくまでも最悪ケース 対策で犠牲者減】

今回、表に示した死者数は避難を開始するまでに地震発生後15分から20分程度かかったり津波避難ビルなどの一時避難施設が使えなかったりと、厳しい条件が重なった最悪のケースの場合です。

一方、道は、次のような対策を取れば、犠牲者の数を5割から最大9割程度減らせると推計しています。

▼地震発生後、5分から10分程度で迅速に避難を開始
▼津波避難ビルなどの一時避難施設を活用

その場合、死者数は次のように減らせるとしています。

・釧路市 8万4000人→3万7000人
・根室市 2300人→1300人
地震や津波の被害に詳しい北海道大学大学院 高橋浩晃教授
「今回の数字はかなり厳しいが、早く避難を始めるなどの対策を行えば、かなり犠牲者を減らせることも示されている。行政は避難場所を早急に確保し、住民の側も一刻も早い避難を心がけるなど、行政と住民が両輪となって協力しながら対策を進めてほしい」


(2022年7月28日)

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