NHK札幌放送局

NHKアナウンサーってどんな仕事?1日のスケジュールに密着してみた

シラベルカ

2021年12月7日(火)午後5時02分 更新

みなさんの疑問に答えるNHK北海道の取材チーム「シラベルカ」。今回のテーマは、視聴者投票で最も票を集めた「アナウンサーの一日を知りたい」です。NHK札幌放送局のアナウンサーは、どのようなスケジュールで仕事をしているのでしょうか?

投稿してくれたのは、本荘和紡(ほんしょう・なつむ)くん10歳と、和夏(かずな)くん6歳の仲良し兄弟。
将来の夢はアナウンサーだという2人は、

①いつも自分たちが朝ごはんを食べている時間にニュースを読んでいるアナウンサーは、何時に起きているのか
②放送に出ていない時間のアナウンサーは、何をしているのか

など、アナウンサーのスケジュールに興味を持ち、シラベルカに投稿してくれました。

NHK札幌放送局には、現在19人のアナウンサーがいます。
その中には、【早出】【日勤】【夜勤】【泊まり】と様々な時間帯で働いている人がいます。
これは、災害等の緊急報道に備えるためです。NHKでは、1日24時間を4人でカバーし、常に誰かが局にいる体制を整えています。

早出のアナウンサー ~赤松アナの場合~

早出のアナウンサーが担当するのはNHK北海道の朝のニュース番組「おはよう北海道(7:45から)」。2人のアナウンサーが隔週で担当しています。
今回は、北海道生まれ北海道育ち、北海道の朝の顔、赤松俊理アナウンサーに話を聞きました。

早出の日の赤松アナウンサーは、朝4時30分に起床し、5時30分に出勤します。

出勤後はその日のニュースをチェックしたり、打ち合わせをしたりと、放送に向けた準備を行い、7時45分から始まる「おはよう北海道」にのぞみます。
放送終了後は、取材や資料作成などを行い、午後2時30分に退勤します。午後6時から7時の間に夕食をとり、午後10時にはお子さんと一緒に就寝します。

Q.早出ならではの大変なことは何ですか
赤松「基本的に寝不足なことです。水曜日になると、体が慣れてくるのですが、次の週は日勤になるので、結局戻ってしまいますね」
Q.朝のニュースを担当するにあたって、心がけていることはありますか
赤松「一日の始まりなので、生活情報を発信できるように心がけています。「傘は必要なのか」とか「布団は干せるかどうか」など、気象予報士と入念な打ち合わせをしています」

泊まりのアナウンサー ~市川アナの場合~

アナウンサーが泊まるの!?と不思議に思う人もいるかもしれませんが、深夜に地震など緊急事態が起きた際にすぐに放送が出せるように、アナウンサーが交代で泊まり勤務を行っています。
今回はアナウンサー歴43年の大ベテラン、過去には「つながる@きたカフェ」で喫茶店のマスター姿に身を包み、北海道のお昼の顔として活躍してきた市川泰アナウンサーに取材してきました。

泊まり勤務の日の市川アナウンサーは、朝9時に起床し、午前中は民放も含め各局のニュース番組や天気予報をチェックします。

市川「みんなが頑張って作ったものはできるかぎりチェックしなければと思っています。気象予報に関しては、局によって画面が違うので、おもしろいですよ」

そして、昼の1時30分に朝食兼昼食をとり、夕方3時30分に出勤。
出勤後は、夜10時55分までのラジオニュースを担当します。

その後、深夜2時30分から早朝5時まで仮眠室で仮眠をとります。仮眠室内では、地震時などにはアラームが鳴り、また個人携帯に電話が鳴るようになっています。

起床後は、朝5時55分から7時50分までラジオニュースを担当し、朝9時30分に退勤します。

Q.なぜアナウンサーに泊まり勤務が必要なのですか
市川「いついかなる時でも放送しているというのがNHKの価値だからです。胆振東部地震の時に、ブラックアウトでテレビもつかない状況の中、ラジオから流れる放送を聞くだけで安心できたと言われたことがあります。ひどい状況の中でも、どこかに安心できる場所、冷静でいられる場所は必要で、そのために、放送は大事だと思っています」

ほっとニュース北海道のアナウンサー ~瀬田アナの一日~

いよいよ次は、「ほっとニュース北海道(18:10から)」のメインアナウンサーの瀬田アナウンサーです!
NHK札幌放送局のニュースの中で最も放送時間の長い「ほっとニュース北海道」は、いわば看板番組。
その番組を担う看板アナの一日はどのようなものなのでしょうか。密着しました!

〈午前8時45分〉
雪が降りしきる中、出勤した瀬田アナ。
朝は愛犬にご飯を上げてから出勤するのが、モーニングルーティンだと言います。

〈午前9時〉
さっそくその日のニュースのラインナップを確認します。
構成や演出で、気になる点があれば、話し合いや原稿の作成を行うとのことです。

それが終わると、NHKの番組や企画を紹介するブログ記事の執筆にも取り掛かります。視聴者との接点を少しでも増やすため、「書く」のも重要な仕事だという瀬田アナ。
この日は「密着!アナウンサーの一日」というタイトルで、シラベルカチームに密着される心境を綴っていました。

⇒その時の記事はこちら!

〈午前11時30分〉
席を離れた瀬田アナ。この日は放送局内にある食堂で昼ご飯を食べます。ここで楽しみにしているのが、食堂のスタッフとのコミュニケーション。一視聴者としての番組に関する意見を聞いたりするそうです。

〈午後12時〉
食事を終えて、一息つくと、皆さんがいつもテレビで見ている姿に変身。
スーツに着替えて、気を引き締めます。

瀬田「人間だから一日ずっと集中し続けるのは結構難しいですよね。ある程度緩められるところは緩めて、段階的に夕方に向けて気分を上げていきます」

〈午後1時30分〉
この日放送される「ローカルフレンズ滞在記」の映像をチェック。
どうしたら視聴者に分かりやすく伝えられるのか、担当スタッフと知恵を出し合います。

映像試写と呼ばれるこのチェックは、一日に何本も行います。
より良い放送にするために提案を行うのも、アナウンサーの大切な仕事のひとつです。

〈午後3時〉
メイクルームへ向かった瀬田アナ。メイクさんに、髪型もセットしてもらいます。
瀬田アナとトレードマークとも言える前髪には、秘密が隠されているようで・・・。

Q.夕方ニュースの看板アナとして、こだわっていることはありますか?
瀬田「ポスタービジュアルと、髪型を変えないことですかね。アナウンサーってなかなか覚えてもらえないので、そこは気をつけています。イメチェンは年に1回しかできません(笑)」

「おでこのしわが目立ちやすいから、それを隠すために前髪をおろしています(笑)また、前髪は固めます。おでこ出した方が紳士的だと思うが、目にかかると本番中雑情報になってしまうので」

〈午後5時〉
放送1時間前。集まってくる原稿の確認作業や、他の出演者との打ち合わせを進めます。
原稿の下読みでは、声の高さや語尾の上げ下げなど細かく書き込んでいます。

ここで、放送前のこだわりを尋ねてみました。

Q.放送前のルーティンはありますか?
瀬田「スタジオに入る前に必ず歯磨きをする、放送前は水しか飲まないことです。唾液の量などが変わると、声の出方が変わるので、うまく読めなくて」

他にも、大量の原稿をめくるための指サック、放送中に気づいたことをメモするためのボールペンを必ず身に着けてスタジオに臨むと話していました。

〈午後6時10分〉
50分にわたる生放送が始まりました。ここからは皆さんにもご覧いただいている姿です。
「放送中は何もしていない時間を作らない」と語っていた瀬田アナ。
常に、映像についての気づきや次の構成を考えながら、放送を進めます。

〈午後7時〉
放送が終了すると、暗くなったスタジオへ向かい、気象担当の浜崎さんと一緒にメイクを落とします。
張り詰めた緊張がゆるむ、唯一のリラックスタイムだと話していました。

こうして幕を閉じた瀬田アナの一日。
「ほっとニュース北海道」放送の裏には、一日かけて念入りに放送準備に取り組むプロの姿がありました。

実はこの日、投稿者の兄弟が見学にきてくれていました。
その時の様子と、放送には出せなかった瀬田アナのオフショットは、瀬田アナのブログでぜひご覧ください!

ニュース以外の時間は何をしているの?

ニュースのない時間帯でも、アナウンサーたちは放送に関わる様々な業務を行っています。

スポーツ担当の高山大吾アナウンサーの例をご紹介します。
例えば、レスリングの大会が行われることが決まったら、これまでの対戦成績や得意技、出身地などの情報を、選手一人ひとりに対して自分で取材し、資料にまとめます。そして、集めた情報を本番の実況で解説します。
華やかに見えるアナウンサーですが、正確に情報を伝えるためには、影で地道な努力が必要です。

他のアナウンサーも、オリジナルの取材ノートを持ち、それぞれの専門分野の情報収集を行っています。
NHKのアナウンサーの場合、番組内で扱うニュースを企画提案するので、その取材や資料作成を行っている人も多いです。

そのほかにも、新人アナウンサーの研修や、朗読イベントなど業務は多岐にわたります。

中でも、災害報道に向けた準備には抜かりがありません。
NHKでは月に1回、報道訓練を行います。そこで、市民の命を守るために、視聴者にわかりやすい言葉や呼びかけ方を訓練し、非常時に備えています。

取材を終えて

普段はテレビやラジオでニュースを読んでいるイメージが強いアナウンサーですが、今回の取材を通して、別の一面を発見できました。
一見、華やかにも見えるテレビの世界。しかしその裏には、市民の生活を支えようと、早朝から深夜まで働くアナウンサーたちの姿がありました。また、ニュースや中継のために自ら取材し、入念に準備する取材ノートですが、実はそのほとんどが放送に使われないそう。なぜ、そこまで努力するのか、聞いてみました。
「確かに、取材の努力はほとんど実りません。しかし、どんな時でも、視聴者に安心安全な情報を届けるためには、しなければならない努力なのです。」
視聴者に分かりやすく番組を届けるためにどのようなことを工夫しているのか、探しながら番組を見てみるのも楽しいかもしれません。

札幌局 呉藤美由梨/鴫原達郎/園田美月姫/萩ななせ

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