NHK札幌放送局

アイヌ文化を残したい 若者たちの挑戦

いぶりDAYひだか

2021年8月4日(水)午後2時07分 更新

アイヌ文化の発信拠点、ウポポイではこの春、新たな取り組みが始まりました。発足したのは、伝統的な歌唱技術を高める「ウポポチーム(歌のチーム)」です。活動の様子をのぞいてみると、アイヌ文化を残したいという若者たちの熱い思いがあふれていました。 (苫小牧支局 中尾絢一)

伝統的な歌唱技術の向上へ

舞踊が披露されている体験交流ホールにある一室。公演の合間に歌の練習が行われていました。指導していたのは、ウポポチームのリーダー、川上さやかさん(27)です。幼い頃からアイヌ文化に触れて育ち、これまで伝統的な歌唱方法を研究してきました。

川上さやかさん
各地域では、年配の方からアイヌの歌や踊りを伝承してきたと思います。ウポポイでは若い人たちが中心となり歌を伝承する必要があります。今は、これまで伝えられてきた音や節のひとつひとつを丁寧に正確に表現することを心がけています。

ウポポチームは、一人ひとりへの指導に力を入れています。職員の中にはウポポイに入ってからアイヌ文化を学び始めた人も少なくないからです。

「特に不安に思っている部分はある?」
「歌の中でホロㇿセの勢いをつけることが難しいです」

この日、繰り返し練習していたのは、「ホロㇿセ」という舌先を震わせる独特の発声です。息の量を繊細に調整するのが難しい技術ですが、数年前からアイヌ文化を学び始めた石川明さんは、日々練習を重ねるなかで手応えを感じているといいます。

石川明さん
自分には足りなかった技術や効果的な練習方法がわかるようになりました。歌い方が少しずつ自分の中に落とし込めている実感があります。

歌を復元し舞台で披露目指す

ウポポチームがもう一つ力を入れているのが、伝承が途絶えた歌の復元です。舞台の新たな演目に組み込むことを目指しています。
ホールではほぼ毎日、アイヌの歌や踊りが披露されています。現在、公演で演じているのは、新型コロナウイルスの影響もあり、旭川や帯広など道内5つの地域に伝わる9つの演目にとどまります。今後、さらに歌を復元し、演目を増やしていくことがウポポイの大事な取り組みだと考えています。

舞台での披露を目指し歌の復元を始めてみると、難題にもぶつかりました。音源をそのまま再現するだけでは舞台で披露できないと、川上さんは感じていました。
例えば、帯広に伝わる歌の音源は音程が低く、若い職員には歌いづらい部分も多くありました。伝統的な雰囲気を残しながらも、若い職員が歌いやすいように音程を調整する作業が続きます。

川上さやかさん
昔の歌から学び、今のあり方にあったかたちに復元することが大切だと考えています。

途絶えてしまったアイヌ文化をどう復元し伝承していくか。文化を残したいと願う若い職員たちの挑戦が始まっています。

2021年7月15日放送

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