年の瀬を迎え、旅行や帰省をする人も増えてきました。SNSにはそうした移動や旅行にまつわる書き込みが多く投稿されています。
ただ、こうした書き込みをした個人が特定されてしまった場合、留守宅が空き巣の被害に遭うリスクも高まります。
実際、札幌市内ではSNSの書き込みがもととなった高額窃盗事件が相次いで起きているのです。その書き込み、大丈夫ですか? (札幌放送局 小柳玲華・中山あすか)
旅行中の空き巣被害 約1300万円が…
ことし10月、札幌市中央区で20代の女性が住むマンションの部屋に忍び込み、現金およそ1300万円を盗んだとして知人ら2人が逮捕されました。
被害者の女性は旅行で数日間、留守にすることをSNSのインスタグラムに書き込んでいました。
警察は、2人がこの書き込みを読んで盗みに入ったとみて捜査しています。
面識なしでもSNSで住所特定
11月にも、同じ中央区で別の高額窃盗事件が起きていました。
マンションに住む会社役員の男性が食事に出かけている間に空き巣被害に遭い、ブランド品の財布やバッグなどおよそ75万円相当を盗まれました。
この事件では、被害者と全く面識がなかった被告2人が起訴されています。
2人は被害者の資産状況をうわさ話で聞きつけ、インスタグラムの書き込みをチェックしていたということです。
そして、投稿されていた車や駐車場の写真をもとに、住んでいるマンションの見当をつけていました。
事件当日、被害者が飲食店で食事をしている様子を投稿したことから、留守だと踏んでマンションに向かったとみられています。
ただ、その時点ではまだ、部屋の番号までは分かっていませんでした。
2人はベランダからそれぞれの部屋の様子をのぞき込み、SNSに投稿されていたのと同じペットがいるのを見つけて被害者の部屋を特定していたということです。
SNS投稿は「事後報告」で! さらに…
警察によりますと、こうした手口の窃盗事件はSNSの普及とともに各地で相次いでいるということです。
また、SNS上には「特定屋」などと名乗り、SNSに投稿された写真などから住所を割り出すユーザーもいて、個人情報が売買されるケースもあるということです。
誰もがSNSで発信するようになった今、何に気をつければいいのか、専門家に聞きました。
防犯アドバイザー 京師美佳さん
「投稿した画像の背景や、写り込んだ看板などから住所を特定することは可能です。また、画像検索をしたことで住所が割り出されたという実例もあります。旅行などについて書き込みをする場合は、『行ってきました』『やってきました』という事後報告の形式で投稿するのが安全です」
京師さんは、外出でしばらく家を空ける際の備えについて、「夜間に照明がつくような設定にしたり、あらかじめ新聞の配達を止めたりするなど対策をとって不在だと分からないように見せることが防犯につながる」と話していました。
これからの年末年始、帰省や旅行を計画している場合はもちろんですが、日ごろの何気ない書き込みについても自宅などが特定されるような発信をしていないかいま一度、振り返って点検してみることが大切だと思います。
2022年12月28日
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