NHK札幌放送局

きらり!道北の高校文化部 放送記録

北海道まるごとラジオ

2020年10月8日(木)午前11時23分 更新

10月1日(木)の放送は、旭川放送局からの生放送でした!
番組MCは旭川放送局アナウンサーの山田朋生が務めました。

私(山田)は、担当することが決まってから、北海道まるごとラジオでやりたいことがありました。
「道北の高校文化部を特集してみたい!」
とある先輩(帯広局・神門アナ)に相談したところ、「『こんな思いを持った私がたまたま旭川にいるから、旭川から出しますけど』という開き直りが伝わるかどうかだね」とのアドバイスが。

漠然とした思いを具現化するべく、すぐに調べました!道北の高校文化部の活動を。

1950年代~90年代に活躍した「留萌高校新聞局」、
90年代~2000年代に活躍した「旭川工業」「旭川東高」「旭川北高」各放送部をはじめ、
道北地方各地の吹奏楽部、写真部、合唱部、美術部など、ビックリするほどの成績を全国に残し続けてきました。

道北はこんなに豊かな文化が息づいているのだと、改めて感激し、コロナ禍でも前を向いて明るく頑張っている高校生を後押ししようと思ったのでした。

そこで、今回の北海道まるごとラジオのテーマは、「きらり!道北の高校文化部」。

高校生を後押しする際に力になってくれたのが、一緒にMCを担当してくれた旭川西高校放送部3年の大西莉奈さんでした。トークもさることながら表情が素敵で、現役高校生に寄り添ってくれて、放送を通して感激しちゃいました。


番組でご紹介した高校は5校。

  • 富良野高校 演劇同好会
  • 旭川北高校 写真部
  • おといねっぷ美術工芸高校 美術部・工芸部
  • 旭川工業高校 情報処理部
  • 旭川商業高校 吹奏楽部

まず、夢の全国大会をつかんだ「きらり!」です。


富良野高校 演劇同好会

「金がないなら知恵を出せ、知恵もなければ元気くらい出せ」
結成2年で全国大会へ駒を進めた富良野高校 演劇同好会。
女子11人、男子1人の同好会です。
週2回程度の練習で楽しくすごすつもりで入部した現2年生が、「どうせやるなら毎日練習しよう!」と顧問の先生の声に感化され、あっという間に地区大会を突破し、全道大会で最優秀賞を受賞。

実は、富良野高校演劇同好会、「部活」でなく「同好会」と名付けられているのにも注目いただきたいと思います。
部の予算がなく、衣装も大道具も立派なものは作ることはできない。
そこを逆手に取り、自分たちの身近な世界をドラマにしたのです。舞台は、一日数本しか列車の来ない地元の駅のホーム。演劇に取り組むことへの悩み、喜びなど、日常をもとに現役生と先生が作り上げた脚本・ドラマ「へその町から」は、地区大会、全道大会の会場で多くの人の心をつかみました。(富良野は北海道の中心にあり、「へその町」と呼ばれています。)

夢の全国大会。Webでの開催で順位もつかないことになりましたが、多くの人たちに見てもらえる機会もできた、と生徒たちは前向きです(「こうち総文祭」のホームページから観ることができます)。

そして、さっそく、次の挑戦に向けて練習が始まっていました。発声練習を拝見したのですが、私よりも声が出ている生徒たち。すごい、すごすぎる!


旭川北高校 写真部

私、5年ほど前に良いカメラを買って以来、けっこう写真は好きになりました。
よく陥りがちなのが、良いカメラを買ったら写真もよくなるはずという悪魔のささやき。
しかし、生徒たちの作品を拝見して、ガツンと脳天をたたき割られたような気がしました。

その写真は、今年はじめて写真甲子園全国大会に進んだ、旭川北高校写真部の作品です。
タイトルは「家の中の外で」。
家の中のありふれたものを題材に求めました。そこに、写真を切り抜いた人形を配置して、空想の世界を作り上げたのです。電源コードがグラウンドのコースに、毛布が山に。「家の中にいても楽しいことはできるはず」。
全国337校から、全国に進めたのは、18校の作品。さらにその中から7校に選ばれる審査員賞に、旭川北高校写真部の作品が選ばれたのです。

ちなみに旭川北高校写真は、部室なし、高価な機材もなし。ひとりひとりが中古で購入した手頃なカメラを用いて、コンテストでの個人入賞も重ねてきたといいます。
やっぱり、写真って、心なんですね。
そんなことを考えながら放送1時間前に大西さんと打ち合わせしていたら、旭川北高写真部のリーダーが大西さんと幼なじみだったと。不思議なご縁ってあるんだなと思いました。


おといねっぷ美術工芸高校 美術部・工芸部

旭川から特急に乗って、北へ北へと2時間弱。
降り立った人口800の村、音威子府は、小さいけれど素敵なところでした。村の面積の9割近くが森林。緑豊かなところでした。空気がおいしいとはこういうことなんだ!と。
駅から下りて5分ほどテクテク歩いて行くと、若い人たちが何人も建物から出てくるのが見えました。そう、その建物とは、村立おといねっぷ美術工芸高校なのです。
美術や工芸の専門高校ということで、生徒が、全国から学びにやってきます。
1年をかけて授業で作り上げる作品に加え、さらに部活でも別の作品に取り組む生徒たち。

私が取材でお邪魔した際にも、工芸部の部室では、木材をノミで削ったり、ノコギリで切ったりしている多くの生徒がいましたし、美術部の部室では作品作りに熱中している姿がありました。

800人の村に、100人の高校生。
元気な高校生の姿は村に活力を与えると聞きましたし、実習用の木材は村が無償で高校生に提供しているということで、高校生にとっても「第2のふるさと」になっているようです。


旭川工業高校 情報処理部

AIが発展し、プログラミングの重要性がますます高まっている昨今。
プログラミングって知ってる?と大西さんに聴いたところ、「中学校の時に授業でやりましたよー」と。え、今の中学生はプログラミングを学ぶんだ!
四半世紀前に高校を卒業した私にはビックリでございました。
さて、旭川工業の情報処理部は、現在20人ほどで活動している部活です。1年生はプログラミングを学びながらも中学生に教える機会もあり、飛躍的に実力が伸びていくとのこと。そして上級生になるとチームを組んで、5人ひと組でプログラムを作り、他校と対戦するのです。オリジナリティのあるプログラムを作ったり、「1/fゆらぎ」というコンセプトを取り入れたりと、もう、私にはわからないすごい世界がありました。
全国高校生プログラミングコンテストは、Web上で11月に行われる予定です。
旭川工業の活躍を期待したいと思います。


旭川商業高校 吹奏楽部

多くの人数で一つの曲を作り上げる。
音楽の楽しさの前には、一つの曲を作り上げる過程での厳しさや葛藤があります。吹奏楽部の世界では、そういった面からも「体育会系文化部」なんて言われることもあります。
今年の3年生は、春に行われるはずだった少人数でのアンサンブルコンテスト全国大会が中止になって以来、野球応援も、夏のコンクールもなくなりました。全国を目指すために旭川商業高校吹奏楽部に入った生徒も少なくありません。そしていよいよ高校の集大成だ!と思っていたのにすべてがなくなってしまった生徒たちの気持ちを考えると、あまりあるものがありました。
学校が再開したのが、6月1日。その日に、部活も始まりました。
コンクールも、演奏を披露する機会もなかった生徒たちが「音楽の力で元気になってほしい」と取り組んだのが、野球応援でした。6月29日、旭川商業のグラウンドで名寄高校との野球の練習試合が行われたのですが、吹奏楽部は相手校の応援にも取り組み、3時間吹きっぱなしだったといいます。
その後、生徒たちは中止になったコンクールにも全力で取り組み、「幻の地区大会」「幻の全道大会」を一校のみで行ったのでした。

取材していたときにも、生徒ひとりひとりの表情が充実していたのを感じました。今できることを大切にし、先輩から教わったものを後輩にしっかり引き継いでいきたいという気持ちに満ちあふれていたからでした。
新型コロナだからと言い訳をしていた私、高校生から大きな人生の大切さを学びました。


補足・・・
番組でご紹介した音楽も、現役高校生の音楽でした。

旭川東高校 音楽部

6月1日に学校が再開して部活が始まっても、合唱の練習は、感染症対策から満足にできなかったと聞きました。
全員で合唱に取り組むことはできず、パート練習が関の山。
そんな中、どうしても全員で歌を表現したいと、学校の中庭から在校生に向かって合唱を披露したこともあったといいます。
番組でご紹介したのは、合唱曲の中でも有名な曲で、旭川東高校音楽部が演奏会の最後に代々歌ってきた「鴎」でした。
歌詞の中で繰り返し出てくるフレーズに、「ついに自由は彼らのものだ」という一節があります。戦争中、若者を戦場に送らなければならなかった教師が、戦後まもなく、自由に表現ができるようになって作詞したと伝えられています。戦死した教え子を、自由に空を飛ぶ鴎になぞらえ、ようやく自由を手にしたとも、鎮魂歌だとも言われています。
この歌を、夜の運動部の練習が終わった体育館で、保護者と卒業生という僅かな観客の前で音楽部の生徒たちは披露しました。そのときの録音を顧問の先生からいただきました。
その光景を想像すると涙が止まりませんでした。自由な音楽を望みながらそれをかなえられず、必死に前を向いていた姿を想像したからです。


旭川実業高校 吹奏楽部

吹奏楽部のコンクールには、小編成部門と大編成部門があります。
旭川実業高校吹奏楽部は、去年、小編成部門ではじめて東日本大会まで駒を進めることができました。新入生もたくさん入ってくる予定でした。
顧問の先生と時折お話をする機会があるのですが、この調子でいくと大編成部門で挑戦するのも夢じゃないですね、と話したら笑顔になってくださるのを忘れられません。
しかし、新入生が入学する少し前から雲行きが怪しくなり、学校も休校。部活も休止。
それでも多くの1年生が部活に入ってくれたといいます。
コンクールは中止になったけれど、みんなで一つの音楽を作り上げました。その音楽が素晴らしく、一部ではありましたがご紹介させていただきました。


旭川商業高校 吹奏楽部

授業も部活もしばらく休みだった4~5月。
ひとりひとりが自宅で歌を歌い、パソコン上で一つに合わせて、「合唱」にしました。
その曲は、先輩が作詞作曲し、卒業する際に顧問にお礼で贈った曲「夜明け」です。
ことあるごとに演奏会などで歌ってきた曲で、今や全国各地で歌われる名曲でもあります。


そして…

旭川西高校 放送部

MCを担当してくださった大西莉奈さんは、旭川西高校放送部。
全国に進んだ先輩に続けと準備を始めた矢先に、コンテスト中止の報せが…
3年生の大西さんたちを支えたのが、後輩たちでした。
旭川のコミュニティFMやケーブルテレビで番組も持っている旭川西高校放送部のみなさまにも、感謝です。

高校生のみなさま、そして聴いてくださったみなさま。
ありがとうございました。


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