一時は19店舗を数えた北海道内のデパート。
「バブル崩壊」「ネット通販」・・・時代の荒波を乗り越えられず次々とその看板を下ろしてきました。
そしてついに現役の店舗は札幌と函館だけとなります。道内のデパートの歴史を振り返ります。
百貨店開業 全道各地で
北海道の百貨店の歴史は1906年(明治39年)、札幌市中心部に五番館(後の西武百貨店)が、道内初の百貨店として開業したのが始まりです。
その10年後の1916年(大正5年)には丸井今井が、1932年(昭和7年)には三越が札幌市中心部に進出し、札幌の三大デパートとして人気を集めました。
この頃、丸井今井が道内各地に店舗を展開したほか、帯広市の藤丸も1930年(昭和5年)に百貨店としての営業を始めるなど、全道各地に百貨店が開業していきました。
1970年代には、札幌駅前に東急百貨店(1973年開業)やそごう(1978年開業)が次々とオープンし、活気を生み出していきました。
日本百貨店協会によりますと、協会に加盟している道内のデパートは、ピークの1970年代には19店舗に上っていました。

バブル崩壊で相次ぐ閉店
しかし、1990年代のバブル崩壊とともに、流れが変わります。バブル崩壊に伴う消費の減速によって、百貨店の経営は急激に悪化。
2000年代に入るとインターネットの普及でネット通販との競争も激化しました。
道内では2000年に札幌のそごうが閉店。2003年には西武百貨店函館店が閉店しました。

拓銀破たんが影響 丸井今井の苦境
道内での百貨店閉店の流れに拍車をかけたのが、丸井今井の苦境です。
丸井今井は北海道拓殖銀行の経営破たんの影響で経営危機に陥り、小樽店・苫小牧店・釧路店を閉店。それでも状況は好転せず、2009年に民事再生法が適用され、三越伊勢丹の傘下に入ることになりました。旭川店・室蘭店も閉店し、全盛期には道内に7つあった店舗が、札幌と函館の2つまで減少しました。

消えゆく地域の百貨店
このほか、北見の東急百貨店が2007年、札幌のロビンソン百貨店と西武百貨店が2009年、西武旭川店が2016年、函館の棒二森屋が2019年に相次いで閉店。

札幌市以外の地域の百貨店は、帯広の藤丸と函館の丸井今井の2店舗のみとなっていました。そして今回、藤丸が閉店することで、札幌と函館以外の道内の都市から百貨店が消えることになりました。
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