ナットク!とかちchは「新型コロナウイルス」をテーマに十勝の皆さんの疑問や困りごとにこたえるコンテンツを目指しています。
9月15日の放送で「消毒用のアルコールで体調が悪くなってしまう」という女性のインタビューを放送したところ、放送を見た別の女性からこんな投稿をいただきました。
私はマスクもつらい…
女性 45歳
「私も同じです。アルコールだけでなく、塩素系や芳香剤・柔軟剤・タバコの臭いも。強いニオイだけが苦手でもなく、無臭の消臭スプレーもダメです。実は、同様に苦痛を感じているのがマスクです。顔が痛くて、使い古しのゴワゴワのタオルを顔に押し付けられているような感覚です。素材を変えても、どれも大差ありません。
職場は密になりにくい環境なのでマスクなしで勤務していますが、今後マスク義務になったら辞めるしかありません。顔に当たっているのも苦痛ですが、着用のままの会話は摩擦も加わって非情に辛いです。フェイスシールドは、視界が歪んで酔い、使えませんでした。
屋外ではマスク無しで歩きますが、すれ違う人に「非常識!」というあからさまな嫌悪感をぶつけられることもあって、外出自体が苦痛です。
人にはそれぞれの個性・事情があるので、一律のルールの押し付けは無くなって欲しいです」
マスクで肌トラブル増加
いまや外出時には欠かせなくなったマスク。ところが着用を続けることで肌のトラブルも増えています。
芽室町のはまだ内科医院では、いま肌の不調を訴える患者が相次いでいるといいます。

濱田栄一医師
「もともとニキビのあった人がやたらマスクの下のニキビが増えてきたとか。あと肌荒れはかゆいとか痛いとか。症状がひどいと、もう痛くてかゆくてなんとかならないかと話す人もいます」
症状は、主に肌のかぶれか、ニキビの増加が当てはまるということです。原因はマスクの着用が求められる生活スタイルの変化です。
『マスクネ』って何?
この診療所では、ことし6月ごろからこれまではなかったマスクが原因とみられる肌のトラブルを訴える患者が増え始め、これまでに数十人にのぼっているといいます。
濱田栄一医師
「マスクでいつも密閉されているわけですから、特に温度が高い季節になると、自分の吐く息による温度・湿度の上昇、皮脂、汗が肌にとって三重苦になります。それで肌荒れが出てきているんですね。肌荒れのほかに、ニキビっていうのはアクネ菌というのが原因なんですけど、マスクによるアクネっていうことで『マスクネ』っていう造語が医療業界で出てきているくらいです」
防ぐ方法は?
この診療所では、マスクによる肌荒れの症状には塗り薬を処方していて、治療をすれば、ほぼ治るといいます。
さらに自分でできる予防策としては、帰宅後すぐにマスクを外して洗顔をして、皮脂や汚れを落として保湿することが大切だということです。
また、マスクの着用ができない人に活用を考えてほしいというのが口と鼻を覆うマウスシールドです。

濱田さんも表情がよく見えることもあり、ふだん診療の際には、使っているといいます。マスクと同じ飛沫を飛ばさない効果があり、肌荒れの予防ができるそうです。
濱田栄一医師
「(マスクの着用が求められる)航空会社にも電話で聞いてみたんですけど、『マスクで肌荒れするからマウスシールドでもいいでしょうか』と聞いたら『もちろん構いません』と航空会社のお墨付きもいただきました」
この診療所では希望する患者にはマウスシールドを販売しているということです。

取材した三藤紫乃記者は
今回は1通の投稿から取材がはじまりましたが、複数の医療機関で、マスクによる肌トラブルが増えているという話を聞きました。
最近「マスクの着用お願いします」と書いてある貼り紙や呼びかけをする店をよく見かけます。これまでは「すっかりマスクが社会に根付いたな」と感じていましたが、取材を通じてこうした社会の流れに深刻な悩みを抱えている人たちの存在に気づきました。
感染を予防することも大切ですが、同時に持病や障害などの理由でどうしてもマスクをつけられないという人たちが社会で肩身の狭い思いをしないようにしなければいけません。コロナ禍の生活で、水面下で悩みを抱えている人はもっと大勢いるのではないかと感じます。そうした声をお聞かせ下さい。一緒に考えたいと思います。
2020年10月6日放送
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