NHK札幌放送局

心ぽかぽか十勝冬まつり「制作後記」

十勝チャンネル

2021年4月1日(木)午後3時49分 更新

「心ぽかぽか 十勝冬まつり」では、「彩凛華」「おびひろ氷まつり」「しかりべつ湖コタン」の3つの冬まつりを記事と映像で紹介しました。 

この3つのまつりの映像を撮影・制作し、記事を書いた技術部の井上修職員が振り返りました。

取材のなかで、コロナ禍でもなんとか開催しようとする、関係者のさまざまな苦労や苦心に触れました。その一方で、まつりの「原点」に立ち返り、「大事にするべきもの」が浮かび上がった気がしました。

こんな時だからこそ、ホッとできる非日常の空間、変わらない大自然の恵みなど、生活に関係ないように見えるあそびの部分が必要なのではと思いました。

今回は、会場を設営する場面から取材・撮影しました。まつりが開かれる裏で、色んな人が動いているのを見て、あるときは手作りで、「こうやって作ってるんだ」と面白く思いました。そんな場面を見てからまつり本番に訪れてみると、いつもよりありがたく、身近な存在に感じました。


光のショーの円錐のオブジェがどう出来上がるのか興味深々でした。農業用シートを掛けるのは知っていましたが、木の棒を使って、円錐状に作ったシートを高く持ち上げ、背丈より高いフレームに下ろすのです。

センターにある5.4mのシンボルタワーは、中に人が入って作業していました。暑い暑いと漏らしていましたが、それもなるほど、あのシートは保温シートだったのです。もう10年使っているらしく、大事に使っているんだなと感じました。

光のアリー設営は、ホテルが休館しているため設営スタッフが集まらないのではと懸念されていましたが、当日は無事例年と同じくらいの人が集まりました。温泉街の人たちの、まつりにかける思いを感じました。


氷彫刻制作の場面が印象的でした。「第37回北海道氷彫刻展冬季帯広大会」というコンテストが、開催前(制作期間1/27夕方~1/29朝)に行われ、完成作品をまつりで展示するのです。

コロナの影響で、コンパクトな会場になった分、ライトアップに工夫が凝らされ一層輝きを増していました。中でも「ヤタガラス」は、翼の造形が素晴らしく羽の先端が薄く削られるなどリアル感満点です。3本の足にも力強さを感じました。素人目に観ても惚れ惚れとする作品でした。

制作の場面では、まず100kg以上もある氷のブロックを参加者同士で協力し合って積み上げます。コンテストとは言えアットホームな雰囲気です。みんな顔馴染みのようでした。

積み上げた氷をチェーンソーで削る!聞いてはいましたが迫力満点。繊細な氷彫刻とは正反対のイメージです。ノミや電動工具を用いて掘り進んで行きます。昼夜問わずの作業ですが、撮影は夜にこだわりました。照明に浮かび上がる氷は幻想的に輝いていました。

ここでも私の一押しは「ヤタガラス」。繊細かつ大胆な彫刻、掘り進んで行くにつれ凄みを増していました。

おびひろ氷まつりで忘れてはならないのは「牛の回転ソリ」。例年は、青年会議所の人たちが行う子どもたちに人気のアトラクションですが、今回は観るだけの展示で苦心されたようです。来年は再び子ども達を乗せてぐるぐる回ることを祈ります。

この回は、撮影を若い土井俊英職員に任せました。冷たい氷彫刻を創る制作者の熱い姿やまつりにかける帯広市民の思いを感じて撮影に挑んで欲しかったからです。まだカメラマンとしては駆け出しの彼ですが、何かを感じ取ってくれたかなと思います。


凍った然別湖の上に作られる期間限定のしかりべつ湖コタン。大自然の中にあることを伝えたくドローンを使いました。

関係各所への許可申請や連絡は1カ月前から始めてギリギリでした。また安全上、信頼できる空撮業者に依頼するのですが、1週間前には撮影日を定めなければならず、天気予報のサイトを見ては先を読んで・・最後は勢いでこの日!と決めた1月24日。見事に読みはあたり、一日中快晴で青空に白い然別湖、大自然の中に出来上がるしかりべつ湖コタンを映像に収めることができました。

糠平湖へ転戦してタウシュベツ川橋梁も青空で撮影できました(「十勝VIEW!」というミニ番組で放送する予定)。日頃の行いが良かったからとも思いましたが、実は冬は十勝晴れの確率が高いんですね・・・。

開村して来場者が楽しむのがイベントではありますが、このまつりは氷を使ってイグルーなど会場を建設する過程もまつり関係者にとってのイベントなのかなと感じました。

例年は台湾や首都圏(道外)から建設ボランティアが来て建設に加わりますが、コロナの影響で今年は道内からのわずかな参加者のみでした。ちょうどそのボランティアが帰るところに出会い、みんなで揃ってわいわい送り出している姿に、「会場建設から楽しむ」このまつりの原点を見た気がしました。

毎年建設に携わっている農家さんたちも、年々腕を上げ、今では難しいイグルーの丸い屋根作りを任されていました。天気の穏やかな日ばかりでなく風が強く寒い日も休まずに作業を続けていられるのは「楽しんでいる」からだと感じました。


真冬の撮影で、寒さで指がかじかみ、ファインダーが曇って見えなくなるなど苦労もしましたが、それ以上に、舞台裏の人と出会い、思いにふれ、作業を疑似体験できて、撮影の仕事の楽しさを改めて感じた今回の現場でした。


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